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あなたの見ている世界は本当に現実だと言えますか?

1.『アポロ13』を撮ったロン・ハワード監督の作品です

 今回は映画を紹介したいと思います。

障害者を描いた映画作品はたくさんあると思います。
身体障害者だったり、知的障害者だったり、精神障害者だったり。

私はそんなに多くの障害者を描いた作品を観たことがあるわけではないですが、この作品は私が見てきた障害者を描いた作品の中で最も映画としても良い作品だと思っていて、そして統合失調症(幻覚)という病気がよく分かる映画だと思います。

ゴールデン・グローブ賞で最優秀作品賞に選ばれた作品で、他にも最優秀主演賞だったり様々な賞を取った作品です。

ちなみにこの映画は実在の人物をモデルとしており、実在の人物は「ゲーム理論」の先駆者である数学者であり、のちにノーベル経済学賞をとった人物の半生を元にしています。

2.誰もマトリックスの世界を見破れないのと一緒

 私がこの映画を見て思ったのは、自分が見ている世界は本当の世界なのだろうか?あの人は実在している人物なんだろうか?という問いかけを投げかけられた気分でした。

実際に幻覚が見えた経験を持った人に聞いたら、それこそ幽霊から宇宙人から普通の姿をした人物がありありと見えてしまうということです。
当人にもおかしいと思っているけど、どう見ても実在している、その現実を当人にはどうしようもないという事実です。

私も妄想があった時期があったので凄く気持ちが分かるんですが、本当に自分でもこれはおかしい、絶対に変だと思いながらも、感覚としてはリアルであり紛れもなく現実として感じてしまうので、とにかく必死で自分を守る事をしていました。

だから当人は必死で自分を守るために行動している、なんとかしようとしているだけであるという事を知ってほしいというのが私の願いです。

3.認識している世界が違うから、違う世界の人だと思われてしまう

 人間みんなが同じ世界を認識していると普通の人からしたら思われるかもしれませんが、実際は個人個人が認識している世界は違うと私は思っています。

統合失調症の人は、彼らが認識している世界の中で必死になっているだけであると思っています。

精神が錯乱しているから世界をおかしな風に感じてしまうわけではなく、他の人には認識できない世界が見えてしまい、その世界の中で行動しているから、その結果おかしな行動をしているように見えるだけであって、彼らの行動はその世界で必死に生きているだけなんです。
その順序だけは知ってほしいと思っています

なので彼らの行動は認識している世界からの違いから生まれているだけであり、実際には人間としては普通というか、彼らなりに必死に行動しているだけであり、その世界の中での彼らは極めて人としてまともで、人として何とか生きようとしていると思っていただけたらと思っています。

4.最後に

 この映画の最後の方で確かこんなシーンがありました。

主人公が大学で講義を行なっていて、講義の終わりにある生徒から話しかけられます。
その時彼がとった行動は、まずちゃんと実在していると分かっている生徒に「この子が見える?」と聞きました。

彼にとっては誰が本当に実在しているか分からない世界で生きているということです。
その事だけでも分かってもらえたら嬉しいです。

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