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「痩せ菌」「デブ菌」があるって本当?【日和見菌②】

こんにちは!ユイです。
年末年始に食べ過ぎてしまった、体重が増えてしまった、そんな方々も多いのではないでしょうか?(かくいう私も1.5kg増)
今回はタイムリーに「腸内細菌と痩せやすい体質」をテーマにお送りします!

みなさんは「痩せ菌」「デブ菌」なる菌を聞いたことがありますか?
腸内フローラには、なんと痩せやすい体質をつくる痩せ菌と、太りやすい体質をつくるデブ菌と呼ばれる腸内細菌があると言われています。
腸内細菌=お腹の健康にいいということは学んできましたが、体型を左右する可能性もあるなんて、驚きの事実ですね!

腸内フローラを構成するナンバー4

ヒトの腸内細菌は、大きくプロテオバクテリア門(悪玉菌)、アクチノバクテリア門(善玉菌)、バクテロイデス門とファーミキューテス門(日和見菌)の4つの門で構成されてます。
中でも大多数を占めるのが日和見菌の代表格であるバクテロイデス門とファーミキューテス門。圧倒的なシェアですね!いわば腸内細菌の2大勢力といえるこの2つの門が、それぞれ「痩せ菌」「デブ菌」と言われています。

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画像引用元:おいしい大麦研究所/食べるからだメンテナンス/健康の秘訣は腸年齢の若返りから(出典:BMC Microbiol; 16, 90, 2016)

ワシントン大学の研究によると、同じ食事や生活習慣でも太りやすい体質、痩せやすい体質の人がいるのには、腸内フローラが関わっているといわれています。
腸内細菌には「デブ菌」と「やせ菌」があり、太ったマウスのデブ菌を痩せたマウスに移植すると、痩せたマウスも太りやすくなったという実験結果が発表され、大きな話題となりました。

引用元:ビオフェルミン製薬/腸内フローラをもっと知ろう

【痩せ菌】バクテロイデス門

バクテロイデス門が痩せ菌と呼ばれる理由は、ずばり「短鎖脂肪酸」の働きにあります。
バクテロイデス門はエサである食物繊維やオリゴ糖を大腸で分解発酵させ、短鎖脂肪酸がつくります。短鎖脂肪酸は腸から吸収されると血液に乗り全身に運ばれ、栄養分が脂肪細胞に取り込まれるのを制御するよう働きかけたり、脂肪の燃焼を助けてくれます。
また短鎖脂肪酸は腸のぜんどう運動を促進して便秘を改善したり、悪玉菌の増殖を抑えて腸内を酸性に保ち、腸粘膜を維持して腸のバリア機能を高める効果もあります。短鎖脂肪酸の種類にはお酢の成分となっている酢酸、味噌やチーズの香気成分でもあるプロピオン酸、バターの香りのもとである酪酸などがあります。
バクテロイデスが優勢になると、身体の脂肪燃焼に有用な短鎖脂肪酸をたくさん産生してくれるため、痩せやすい身体になるということですね!

【デブ菌】ファーミキューテス門

 ファーミキューテス門は脂肪や糖質をため込む働きがあり、食べ物の残りカスからも栄養を吸収する性質を持つそうです。カロリーの高い食べ物を摂取し続けると増加します。ファーミキューテス門が腸内に多く存在すると、同じ量の食事をしても脂肪や糖分の吸収率がアップするため、太りやすくなるということです。
しかし欧米と比べて肥満が少ないと言われる日本人の腸内で、最も数が多いのはファーミキューテス門。一般的にはデブ菌が多いと太りやすいという説が多く聞かれますが、最近では、日本人の肥満率とファーミキューテス・バクテロイデスの組織の比率(F/B比)はあまり関係がないのでは?という研究結果がアメリカで得られているそうです。
ファーミキューテスには免疫力を高める働きもあり、日本で長寿が多い一部の地域では、ファーミキューテス門の腸内細菌を持つ高齢者が多いというデータもあるそう。
栄養過多の現代において脂肪をため込む菌はデブ菌と呼ばれますが、一方では食べ物が十分でなかった昔、人類が少ない栄養源でも生き延びられるよう効率的にエネルギーを取り込む役目を担っていたともいえ、ヒトにとって必要不可欠な菌だといえますね。

痩せやすい体質をつくるには?

腸内フローラの研究は日進月歩していて、デブ菌を減らせば痩せる!という法則が見出せているわけではありません。
しかし、太りやすい、痩せやすいといった体質には少なからず腸内フローラが関連していることがわかりました。これをふまえて、ぜひ次のことを心がけて行こうと思います!

①痩せ菌を育てる!

痩せ菌であるバクテロイデスが好むエサを積極的に摂ることで、痩せ菌を育てるという考え方ができますね。
バクテロイデスの大好物、それは食物繊維!水溶性食物繊維の多い野菜や海藻類、きのこを毎日少量でもいいから食事に取り入れてみたいと思います。

②善玉菌を増やす!

デブ菌は悪玉菌に、痩せ菌は善玉菌に味方しやすい性質があります。つまり痩せ菌を優勢にするには、善玉菌を増やせばいいのですね!善玉菌の好物は発酵食品。納豆やお味噌汁など、発酵食品を含む食事を意識して続けたいですね。

③腸内細菌の種類を増やす

また太りにくい体質になるには、腸内細菌の種類の多さも大切な要素だといいます。

「多くの人の腸内フローラを遺伝子解析したところ、腸内細菌の種類が少ない人たちのほうが肥満の人が多く、同じカロリーを摂取しても太りやすいという結果が出ました。つまり太りにくい体質であるためには、腸内に多種の腸内細菌がいること、つまりは多様性があることが重要なんです」(伊藤氏)
腸内細菌に多様性があると、なぜ太りにくいのか。その大きな要因と考えられるのが、さまざまな細菌がいることで腸内フローラが活性化することだという。「いい働きをする菌を善玉菌、悪い働きをする菌を悪玉菌と呼んだりもしますが、実際は善玉菌だけでは体にいいことはできないし、悪玉菌だけでも悪さができません。なぜなら腸内フローラは、特定の菌さえいればOKというのではなく、菌同士がさまざまな連携を図りながら作用しているからです。例えば、ある細菌Aが消化できない食べ物Xというものがあります。細菌Bは食べ物Yを消化でき、Cという物質に変えます。そのCであればXを消化でき、それをZという物質に変える。そんな具合です。多様性があるほうが組織として健全かつ強靭というのは、アリやハチ、ひいては人間の社会にも通じるものがあります」(伊藤氏)

引用・参照:東洋経済オンライン/「食べても太らない人」と腸内細菌の意外な関係

うーーんなるほど!多様性って、チームワークってことですね。細菌も生きているんですよね。偏った食事ではなく、腸内細菌に多くの菌種のエサを摂取してもらえるよう、いろいろな種類の食べ物を美味しく食べるようにしていきたいです^^

補足

ちなみに「門」というのは地球上の生物を分類するときに使われる階層を指していて、上から界・門・網・目・科・属・種・株と細分化されていきます。
バクテロイデス門もファーミキューテス門も最終的に属・種・株まで分類されるため、属・種・株の種類は人により多種多様になっています。

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画像引用:アットプレス/プレスリリース一覧 / 「健康・ヘルスケア」のプレスリリース / <腸内細菌の「多様性」が病気になりづらい体質をつくる/「生体の分類と菌(株)の位置づけ」


参照:STORY WEB /ダイエット上手な腸内環境美人が持っている 「やせ菌」とは?

参照: NIKKEI STYLE「腸から健康長寿」目指す 食物繊維を意識した食事を 





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