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乱反射、日向坂46の人間模様はきらきらと

今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

今回の企画は6月に放送された【いつ叶えるんですか?今でしょ! 第4回企画プレゼン大会!!】内で持ち上がった森本茉莉提案の企画【茉莉式天才相関図を作ろう!】を行った。4期生が加入してもうすぐ1年が経とうとしている時の流れの早さにおどろきつつ、本編は更にながい時間の経過をわたしに見せてくれた。

開幕一番、話題に上がったのは高瀬愛奈がオードリーの東京ドームライブのステッカーをもらいに行って号泣した件についてだ。わたしはこの話題と彼女がかつてアヒルの笑顔矯正グッズを持ち歩いていたこととがリンクしてすごく感動した

わたしの高瀬愛奈に対するイメージは、感情の起伏を表に現さず努めて冷静に振舞っている人物だと認識している。”日向坂の鉄人”とも表される彼女の坦々とした人物像はいまや日向坂メンバー唯一の信頼感を獲得しているが、この態度のはじまりはネガティブな地点からのスタートだったはずだ。

一番イヤだったあだ名:なまごみ

『ひらがな推し』#1より

はじめて見たときギョッとした。このあだ名が素直じゃない男子による好きな子への悪口か、あるいは悪意によって投げつけられた帰国子女への誹謗か、その背景によって大きく意味合いが変わってくるが、高瀬愛奈自身が傷つき、一番イヤだったあだ名だと記憶していることは間違いない。わたしにも似たような経験があるので、これを目にしたときに彼女の平熱な態度に合点がいった。「あぁ、こころを閉ざしてしまったんだ」と。

あの日持ち歩いていたアヒルの笑顔矯正グッズは、そんな自身のトラウマにカウンターを食らわすためのボクサーグローブだ。うまく作れない笑顔をつくれるようになるために。あれはわたしがはじめてみた克服をつづける高瀬愛奈の歩みのうちの一歩だった―――。

月日を経て、あの日閉ざしたこころは解き放たれて、彼女の表情はすごく晴れやかになった。自分でも自覚してなかった春日への気持ちに涙するようになったと告げる彼女をみて、痛烈なカウンターパンチを食らわせて報われた姿にわたしはとても感動した。番組始まって数分だったが、あの数分にはドラマがあった

余談だが、思いを寄せる高瀬愛奈に対して向き合うこともなく、あまつさえ「ちょっと引いた」といなした春日にひさしぶりにブチギレた

思わず長くなってしまった、本編へ戻ろう。

今回も若林は不在で、若林のモノマネみたいなMCをするオードリー・春日といまいち掴みきれないハマカーン・浜谷が単純な人数差に気圧されていたようにもみえたが、これがかえって日向坂メンバーの自由度を高めていた。まさにケガの功名

めいめいに(主に4期生が)関係性を語るさまは嬉々としてその一員であることへの多幸感にあふれていたし、逆に後輩に対して先輩ヅラをがんばるメンバーの目撃談もおもしろかった。4期生は承認欲求や自己顕示欲が強いように見受けられ、日向坂46ではあまり感じてこなかった「”””アイドル”””らしい人たちだな」と感心している。ガンガン言い寄られたら言われる方は無条件に嬉しいよな。

先輩がいない1期生や後輩がいなかった3期生、先輩たちに積極的な4期生、双方から良好な関係を築こうと尽力してるというのを聞いたら、そりゃ佐々木久美もしみじみするよ。

みんながわいわい軍団遊びに興じる一方で、それができない人間もまた存在する。それが富田鈴花だ。つくずく彼女は不器用でめずらしくO.A.に乗るところで暗かったが、こういうときにこそ若林にいてほしかった。彼がいたら「人間が苦手」ともがく人間になんて言葉をかけたんだろう。

そういえば企画プレゼンの時に軍団「富田チルジュレン」の名前を挙げたのは森本茉莉だった。もしかしたら後輩とうまく付き合えず悩んでいる彼女を見かねて気を利かせたのかもしれない。これはわたしの希望的観測だ。

今回の企画は若林不在という少々の気がかりをものともせず、むしろそれがかえって自由を彼女たちに与えた結果、多様な人間模様をあぶりだせた。
個人的に前回ふれた「日向坂は縦の感じがすごい」のクエスチョンのアンサーにもなる内容となっていてカタルシスがあった。

おしまい。

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