見出し画像

『日向坂で会いましょう』に幸福論満ちる。四葉のクローバーとは共に探すこと。

潮紗理菜とは象徴であった

今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

今回は12月9日のセレモニーをもって日向坂46を卒業する彼女の卒業企画【潮紗理菜卒業記念!! テレマカシー!サリマカシー!サンパイジュンパラギー】。「サンパイジュンパラギー」とは「また会いましょう」という意味だそうだ。

わたしたちが潮紗理菜と共に過ごすために残された時間は64分だけ。「最後に、占われてみたい」という希望を叶えるために彼女のラッキーナンバーである”8”にまつわる様々なゲームを行い、占い時間を獲得する。ガムランボールから始まったスピリチュアル雑貨の幸せの運び屋こと潮紗理菜にふさわしい奇祭で卒業の門出を祝す。

今回の『日向坂で会いましょう』が流れた30分間が映したのは、限られた時間の中でメンバーやオードリー、スタッフさえもが彼女の願いを叶えようと奔走する姿であった。まるで潮紗理菜との別れを振りきらんとするかのように。現実から目を背けて虚構を走る、こういう形のバラエティの在り方もあった。それが例えその場凌ぎであっても、救いでもあるのだ。

わたしがとても印象に残っているのが、CM前提供クレジットでみんなが四葉のクローバーを探している様子だ。幸せをもたらしてくれるという四葉のクローバーはそのものが縁起物なのではなく、それを見つけるための思考こそが幸せをもたらしてくれるのだということをこれ以上なく暗示していた。と同時に、日向坂46メンバーが「誰かのための私」であるときこそ力強く行動することも明示していた。あの光景は日向坂46における彼女がもたらした好影響、その功績を大いに物語っている

潔白で素直な潮紗理菜の過程を見ることで、彼女を取り巻く日向坂46の過程をうかがい知ることもできた。春日の顔を尻に敷くことに抵抗を覚えたあの時期、メンバーもそれぞれにバラエティ番組への向き合い方を迷っていたことだろう。迷いを振り切り覚悟を決めた時、若林や春日、周りの人々が助けてくれることを知っただろう。ガムランボールで幸せを振りまいたあの時、自分の在り方(キャラ)を見つけたことで進むべき道が拓けただろう。

潮紗理菜とは象徴であった彼女がそうであるならば日向坂46もそうなのだ、という信頼をわたしに与えてくれた類稀なる存在だった。今回の卒業企画はそんな彼女を生き映した、日向坂46の幸福論を最大限表現した素晴らしい内容だった。潮紗理菜は卒業してひなあいからいなくなってしまうけれど、卒業証書授与式の彼女の悔いのない表情を見れば、彼女への心配も、日向坂46の愛情も、『日向坂で会いましょう』のこれからも、何一つ曇りないことは今回を見れば明白である。

最後に、潮紗理菜さんご卒業おめでとうございます。あなたの未来が素晴らしい光景でありますように。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?