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『日向坂で会いましょう』の道の先、あの陽炎には一体何があるんだろう。

今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

りつける宮崎の日向が注ぎこんだ肌は徐々に熱を引き、腕にまだ残るボーダーラインはすこしずつ日常へと解けようとしている今日この頃。2024年9月18日水曜日、日向坂46 12thシングル『絶対的第六感』が発売された

現在のグループを象徴する表題曲のセンターは、今作日向坂46として初のダブルセンターを採用務めるは4期生、正源司陽子と藤嶌果歩。正源司は11thシングル『君はハニーデュー』から続投させ、あらたに藤嶌を加えた抜擢だが、これは11thシングルから新たに再構成しはじめた”日向坂46”を拡張していく可能性やまだ見ぬ新天地を求めた結果、センターにふさわしいほどにのぼりつめた藤嶌を抜擢したダブルセンターという意味合いなのだろうみている。

新曲リリースということで『日向坂で会いましょう』では毎回恒例のアレである。今回のヒット祈願企画【12thシングル「絶対的第六感」ヒット祈願!!】は国道12号線の一部区間、日本一長い直線道路29.2kmを自転車で走破すること。高校3年生、学校生活ももうすぐ終わる頃に、部活で3年使った同タイプのギアなし自転車を学校から自宅までの約20kmを乗って持ち帰ったことがある。黙々と漕いで1時間30分ほどかかったのだが、それよりもすこしの傾斜で負荷が変化するペダルのほうが難儀だったのが記憶に残っている

今回のヒット祈願では道中で過去のヒット祈願をオマージュした6つのミッションが用意された。日向坂46がこれまでつくりあげてきた風景のようなひろく長い道のりをミッションをこなしつつひた走る2人を見ながら、『日向坂で会いましょう』のヒット祈願はその時々の日向坂46のグループの世相が表せるように企画されている気がしていた

日向坂46初期のマラソンやドラゴンボートは改名デビューを背負い意気込むように、変化が見られた学校訪問やポスター制作などは個性がはばたいていったように。前回ヒット祈願についてわたしは「はたしてヒット祈願でよかったのか」と疑問を呈したが、あれが時の世相を表すことを考えていたならば、滝行や護摩行の敢行は今更ながら腹落ちできた。

それに気づいてからは新センターの両名がただひた走る直線が意味ありげにみえてきた。もしかしたらわたしがセンターひいては日向坂46メンバー全員にあろう紆余曲折だと思ってるものは、彼女たちにとってはまっすぐな一本道なんじゃないか。曲がりくねって見える足跡はスポットライトを引いてみれば道の幅の中で惑っているだけで、彼女たちはいつでもまっすぐに前に進んでいる。第六感的にそれを感じ取っているから、わたしは彼女たちのひたむきさに目をやってしまうのだろう

演出の雑さは目立ったものの、グループの世相を表すように企画されるヒット祈願は今回、日向坂46が体験してきた感情を振り返りながらトキメキと迷いを抱えながらまだ見ぬ未体験をうらなうロードムービーとなった。『ひなたフェス2024』が成功した日向坂46がいままさに走っている道の先には何がみえるのだろう。もしかしたらまだ見えていないのかもしれない。その答えはいま最前列にいるセンターの2人のみぞ知る。

おしまい。

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