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大阪旅行、こころ残りはひと口のタバコ

現在行われている水樹奈々の夏ライブツアーの大阪公演に参加するため、7月8日と9日に1泊2日の大阪旅行に行ってきた。ライブの感想はまた別の記事でまとめることにして、当記事では大阪旅行の思い出をまとめていこうとおもう。(2024年4月22日ライブレポ追記)

ライブ当日の7月8日は朝早くから新幹線で大阪へと出立したのだが、パックツアーをよく確認せずに取ってしまったので各駅停車に乗るハメになり、2時間ほどでつく予定が4時間程度の長旅になってしまった。莫大に時間を持て余した車中では大半を、最近奮発して買ったハードカバーのノートに向かって過ごしていた

このノートの運命を左右しそうな一筆目、水樹奈々ライブに参加するにあたって、感じていることや疑問、歌詞の解釈などをつらつらと書いてみた。これが思いのほか楽しかった。思考だけでは至れない範囲外のところに手が届くような感覚がした。朝食の崎陽軒のシウマイ弁当をほったらかして没頭してしまった。

この日はチェックインや物販などで忙しく、ライブ終演後にホテルの近くの居酒屋に入った。いかにもなキャップ帽を被った大阪のへべれけのおっちゃんが外国人に話しかけていた。母語話者でもギリわからない。すると、ちかくにいた若者がそのおっちゃんの言葉を逐一翻訳して彼らに伝えているのだ。なにこの空間。

「頼むからわたしに絡んでこないでくれ」と、衣の方が厚いハムカツを味わうフリしてやりすごそうとしてた己をすこしだけ恥じながら、残りのハムカツをビールで流し込んで逃げるようにホテルへ帰った。

次の日はなんばグランド花月に行くことにした。と、その前に天下人・豊臣秀吉の見た景色でも見ようホテル近くの大阪城に寄り道した。

城内の資料や解説を読みながら秀吉の半生を追いかけたのだが、秀吉がなんか嫌いになった。学校の教科書で習った農民から成りあがった偉人のイメージとはうって変わって、地元の先輩(蜂須賀小六)について回ったりとヤンキーみたいな人物だという印象を受けた。そういう目線でみえてきたので、有名な懐で草履を温めた逸話もいまいち覇気に欠けた。

そう思ってしまったからは、かの黄金の茶室もいかにもヤンキー趣味ぽく見えてきて、となりにいたマダムも「秀吉は成金よねえ」とお小言をこぼしていた。マダムがいうんなら間違いない。

成金ヤンキーのアジトをあとにして、いよいよなんばグランド花月へ。

お笑いは長年好きでテレビなどで見てたけど、生で漫才をみるのは今回が初めてだった。この日はゆにばーす、二丁拳銃、さや香、ギャロップ、笑い飯、大木こだまひびきと、名実ともに実力者がそろい踏みだったんだけど、一番笑ったのは大木こだまひびきだった。笑いすぎておなら出ちゃった。

漫才はジジイになればなるほどおもしろいと言うけど、まさにそれを体感した。パート分けのボケなのか、頭がボケてるのか、曖昧で絶妙なライン。他の漫才師は”笑わされる”感じだったが、この方々は”笑っちゃう”。ホントにおもしろかった。

個人的に衝撃的だったのはこのあと上演したよしもと新喜劇だった。「池乃めだかがネクタイくらい小さい」とか「乳首ドリル」とか断片的に知ってるけど、全編通してみるのはこれは初めてだった。

正直な感想を言うと、あまりおもしろくはなかった。けど、劇場みんながみんな笑ってたのが印象的で、漫才の時と比べてお客さんの笑い声が別次元だった。音量は同じくらいなのに異質。笑わされるではない、笑っちゃうでも少し違う、みんな異常なくらい”笑ってる”のである。風土、感性、文化、生活……根本的に何かがわたしとは明らかに違うのだろう。おそらく大阪のお笑いを愛する人々にとってこれが伝統的な縁起物なんだろうな。あと池乃めだかはマジでネクタイくらい小さかった

そのあとは肉吸いを食べたり、劇場の目の前にあるパチンコ屋でジャグラーを1000円だけ打ったり、隣のたこ焼き屋でたこ焼きを買ったら外国人に間違われて英語で応対されたり(たこ焼きは美味かった)して大阪の生活を体験した。

そうそう、大阪にいると普段全く吸わないタバコがめちゃめちゃ吸いたくなった。東京とは比べものにならないくらいそこら辺でプカプカ吸ってる。あまりにも吸いたくなったんで、コンビニ脇に座り込んでるおっちゃんに好きな銘柄を訊こうか1分くらい悩んだ。あのとき訊いて、それを買って2人並んで吸っておけばよかった。

この日は最高気温30℃の蒸し暑い気候だったので、とにかく汗が止まらなかった。夜には新幹線に乗るし、汗を吸いあげた服が張り付いて気持ちわるかったのでひとっ風呂浴びることにした。

ここからほど近くに飛田新地があり、これからそこに行くであろう大学生たちが「ギャル系がいいな」「お姉さんがいいな」などと入念に股間を擦りあげながら色めき立っていた

Tシャツを乾燥にかけてる間に番台のおばちゃんとラムネで茶をしばいて。現地の銭湯は旅行の恒例にしたいとおもった。

大阪はこれまで何度か行ったことがあったので、今回は「なるべく地元の人の生活を体験しよう」と意気込んでいった。今回の大阪旅行はそれがおおよそ達成できたのではないかな、と思う。タバコ吸えなかったのは少し心残りだけど、まあ次の機会のお楽しみにとっておくとする。次は北関東や東北など上のほうに行きたい。おすすめの旅行先があればぜひ教えていただきたい。今回はこんなところで。

おしまい。

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