見出し画像

ラフロマンスの『日向坂で会いましょう』、大海をしらせる。

今週も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

先週にひきつづき、メンバー考案の台本を朗読劇形式で実演する【遅れて来たバレンタイン 妄想キュンキュン朗読会】で、ひなあいに遅れてきたバレンタインデーに花を添えていく。

今回のトップバッターは上村ひなのさん。相手役は加藤史帆さん。加藤さんの演技力は流石といったところか。自己紹介段階から『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの碇シンジをオマージュしたカトシンジを貫いていたが、上村さんの台本の「自信ない系の先輩男子」とを見事にマリアージュさせていた。自信なくキョドった表情がよかった。上村さんのトレンディな台本との相性も良かった。

仮面ライダーシリーズのスーツアクターとの共演が話題となってる渡邉美穂さんのドラマはとても印象にのこった。渡邉さんといえば、けやき坂主演ドラマ『Re:Mind』や日向坂46主演ドラマ『DASADA』はじめ、『星になりたかった君と』でヒロイン役を演じたりと、日向坂46のなかで演技におけるトップランナーである。

渡邉さんは今回佐々木久美さん扮する夜神レンとオフィスラブに挑んだ。これまでの経験を感じさせるタイトな演技力で存在をひときわ放っていたが、それらをのせる台本も素晴らしかった。渡邉さん脚本によるこの物語の人物、とくにヒロインの感情の起伏が大きく描かれていたところから、渡邉さんが自らで把握している表現の範囲や演技に対する自負や自信がうかがえた。

役の範囲に関しては、渡邉さんの演技に大きな差異が見られないところがあるのは本人も承知なのかなとも思った。単にまだまだ大きな未経験が広がっているのか、はたまたキムタクがなにしてもキムタクなのと同じように宿命を背負っているのか。門外漢には想像ができない世界なので恥をかく前にここまでにとどめておくとする。

シリアスな演技とはうってかわり、高本彩花さんがヒロインを務めた学生モノは青くさくて若々しかった。さきの渡邉さんよりもお笑いなコントの雰囲気が漂っていたものの、男役の丹生さんのコミカル感や高本さんのキャラクターと相まって、見てるこっちが照れ臭くなってしまう少女漫画の実写のような味わいがあった。

最後に選ばれた河田陽菜さんは、この企画いちの極彩色モノとして位置してた95歳の新人歌舞伎役者・櫻井天玄を指名。演じるは富田鈴花さん。通学電車という設定のため、ちぐはぐとなってしまった舞台状況もさることながら「マフラーを奪う」とだけト書きされてるかのような原理なき行動が突拍子もなく襲ってくるのでおもしろかった。

イロモノを演じる富田さんのオモシロの塩加減を見極めもよかった。歌舞伎役者という役柄でそれっぽい台詞回しに頼らず、扇子を振りかざしたり、ずっと背筋が正しかったりとマイムで違和感を演出してキャラを表現していたのがいい塩梅だった。最後に少しだけそれっぽく台詞を回してしまったのは、欲か焦りか。富田さんのセンスが光った演技だった。

こうしてみると、この朗読会企画はとつぜん振られる経験にないシチュエーションをチャレンジできる場にもなっているのだなと思った。ふだんふんだんにバラエティ番組の研鑽を重ねている当番組が演技経験においても失敗を集めれらる貴重な機会になっていた。こういう試行的企画番組のキャラを崩さずに励行できるのは、『日向坂で会いましょう』のとても良い環境であり確かな実力だと思った。

来週はいよいよ日向坂46念願の東京ドーム公演に向けた予習企画。私も無事チケットを用意できたので、しっかりと勉強していきたいと思う。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?