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第3回Mリーグ個人的疑問手 瀬戸熊直樹プロ 12月16日第2試合東3局 イーシャンテンで何切る問題

毎日のMリーグ解析&牌譜検討の中で特に気になったシーンについて取り上げるのが、この「Mリーグ個人的疑問手」。今回で第3回となる。以前の記事については下記の記事を参照いただきたい。

今回取り上げるシーンは12月16日第2試合、瀬戸熊直樹プロの打牌についてである。下記の有料記事でも取り上げているので、本記事を読んで興味を持たれた方はこちらもどうぞ。

さて、取り上げたいのは東3局2巡目のこのシーン。

この手牌から瀬戸熊プロは9p切りを選択している。これは観戦している際にも違和感を覚えた打牌だったため、NAGAでの解析を行った後もすぐに確認した。

この打牌についてNAGAは6p切りを強く推奨している。手牌の形はすでにメンツ3つと2mトイツのあるいわゆるくっつきのイーシャンテンにとれる形。そのためパッと手牌を見たとき、打牌候補としては3m・6p・7sといったところかと考えていた。

9pを切ってもメンツの数は減らないため、くっつきのイーシャンテンであることは変わらない。しかし、確定していたイーペーコーが崩れるため、手牌の価値が下がってしまう。

9pを切った場合のメリットとして考えられるのは678の三色を狙えることと、6p引きでタンヤオ+イーペーコーになること。しかし、現状で確定しているイーペーコーを崩してまで他の手役を狙っていくのはどうしても非効率的に感じてしまう。

6p引きは残り3枚の変化しかないし、三色になるケースも6s8sを両方引くという高くない確率。確かに手役を付けられればハネ満まで見えるケースとはいえ、三色などにならずとも素直にイーペーコーを確定させてドラ6sを引いて裏1枚…などといった手組でマンガンはもちろんハネ満まで十分狙える。

実際、この場面で何を切るとどのくらいの点数になるのか麻雀シミュレーターを用いて確認してみた。

これによると、6p切りと3m切りがほぼ同じくらい。7s切りはやや損で9p切りはそれらとはハッキリとした期待値の差がある。やはりイーペーコーを崩すのがハッキリ損なのだろう。

6p・3m・7sの差としては、6pや3mは周りの牌を持っているため、くっつきの牌としてやや弱い。だから1枚で浮いている7sを残す打牌が有利になるものと考えられる。

加えて点数状況という面もある。トップ目のこの状況下で手役を無理に追い求めてまで打点を作る必要も薄い。これらのことを総合するとやはり9p切りは損な打牌に見えてしまう。どういった打牌意図で9pを切ったのかが気になるところである。

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