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瑞原明奈プロ MVPを狙った6p見逃しに対する個人的な意見

Mリーグ2022-23レギュラーシーズン・3月20日の試合、熾烈なMVP争いがチーム雷電の本田プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部の伊達プロ、U-NEXTパイレーツの瑞原プロ、によって繰り広げられた。

そんな中で出たこの一手がネット上で物議を醸した。

この形から瑞原プロは6pを見逃し。親の本田プロはテンパイせず、瑞原プロは4着のまま半荘終了となった。この場面について色々な面から振り返っていこうと思う。

前提条件

点数の条件

3月20日の第1試合で本田が4着。その結果、第2試合開始時点での3者のポイントは以下の通り。

伊達:+316.8
瑞原:+316.0
本田:+240.8

伊達と瑞原は0.8ポイント差なので、着順が上の方が暫定1位となる。本田の条件は少し難しく、まず自身がトップを取るのは絶対条件で

・瑞原3着で15200点以上の差をつけ、伊達が4着
・伊達3着で16000点以上の差をつけ、瑞原が4着

つまり瑞原・伊達を逆連対にしつつ、ある程度の素点差をつける必要がある。

場面的な条件

瑞原は伊達を逆転できれば自動的に2着に浮上し、本田との差も詰まるため暫定1位に浮上する。したがって伊達からのマンガン直撃かハネ満ツモが必要。

この瞬間に6pをロン、というと裏2枚乗ればハネマンのアガりになる。見逃した場合、残りツモは2回。2回のうちにツモって裏1枚乗せるか、ハイテイの手番でツモアガれば2着浮上。

6pという危険牌を押した魚谷はテンパイの可能性がかなり高く、これを見逃してしまうと本田がノーテンだった場合に4着で終了する。

ただ一方で本田もMVPを狙うわけだから、テンパイを取ってもう1局やりたいはず。見逃した場合であっても、もう1局できる可能性はある。

本人とチームの意見

チームとしてはもちろんMVPを最大限狙うようにという方針。MVPは個人賞といいつつも、チームにとっても影響が大きいのは間違いない。したがってMVPを狙うことはチームポイントを軽視しているわけではなく、チームとしても十分必要なことである。

本人としても役満条件とか、条件が厳しすぎれば当然普通にアガるが、狙える状況であればギリギリまで狙う。このあたりの話は本人の検討配信なども参考にしていただきたい。

散見された意見

・チームでMVPを狙うことをキチンと示し合わせているわけだから、MVPの確率を最大化するために見逃すのは普通の行為である。

・ここでアガっておけば最低でも3着に浮上。裏が乗れば2着もある。これ以降の戦いもあるし、チームポイントを考えればここでアガっておくべきである。

基本的にはこの2つの意見に大別されると思う。

・2年連続MVPを取れるかもしれないという状況。興行的に考えれば見逃したほうが面白くはなる。

応援というより観戦という視点で見れば上記のような意見もある。

数値的にざっくり考えてみる

この瞬間、見逃さずにアガる方が得か、以降のツモに賭ける方が得なのか?正直なところいずれも確率が低いので微妙な差ではあるが、具体的に数値を計算してみることにする。

ただし、この計算については多分に仮定などを含むため、参考程度にしていただきたい。

見逃さない場合

ここで見逃さずにアガッた場合、裏2枚乗せることが条件となる。手牌を考えると、裏2枚乗せるためには3p・4s・7sの3種類が裏になっている必要がある。

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