Mリーグ全局をNAGAで分析&牌譜検討!11月25日 サクラナイツ vs ABEMAS vs フェニックス vs 雷電
本noteではMリーグを毎日全試合牌譜に起こし、NAGAを用いて分析を行っています。本記事はその11月25日編となります。前回の記事はこちら。
本記事でまとめている内容としては
1.NAGAによって得られた一致率、NAGA度、悪手率などのデータ
2.NAGAによって指摘されている悪手
3.それらを見た筆者の感想
といったところです。具体的には以下のようになります。
1.NAGAによって得られた一致率、NAGA度、悪手率などのデータ
以下のようにNAGAによって得られたデータを掲載しています。
松ヶ瀬隆弥
一致率:76.8%
NAGA度:87.9
悪手率:7.7%
2.NAGAによって指摘されている悪手+3.それらを見た筆者の感想
以下のようにNAGAによって指摘された局面を挙げ、プロ側・AI側の意図などについて個人的な感想をまとめています。
東2局1本場
松ヶ瀬隆弥
松ヶ瀬が内川のアガり牌である2mを止めたこの場面。AI的には親の安い仕掛けにはこのイーシャンテンから戦えるという判断か。 しかし人間の感覚からすると、ドラのカン8p残りのこの手から押し返すのはいかにも厳しいように見える。さすがに2mは止めたいように思う。
以上が掲載内容となります。興味のある方は記事の購入をしていただけるとありがたいです。日々の更新のモチベーションアップにつながります。
筆者紹介
筆者はt-yokoと申します。下記リンクの「t-yokoのMリーグ/麻雀タイトル戦速報ブログ」を運営しております。麻雀は天鳳最高7段の中級者です。
本記事の注意
本記事ではNAGAの評価AIのうち、ニシキ(標準)を用いています。メンゼン派や副露派の打牌など、その他NAGAでは十分に評価できていないケースも考えられますので、その点はご留意ください。
また、記事の有料部分については試合後に随時更新していきますのでそちらもご了承ください。
第1試合
出場者
東家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
南家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
西家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
北家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
解析結果
NAGAのアカウントをお持ちの方は下記のリンクから全局の牌譜を確認できます。
NAGAデータ
松本吉弘
一致率:76.0%
NAGA度:86.9
悪手率:6.7%
茅森早香
一致率:77.9%
NAGA度:88.6
悪手率:7.2%
瀬戸熊直樹
一致率:70.1%
NAGA度:82.8
悪手率:8.5%
内川幸太郎
一致率:76.0%
NAGA度:87.9
悪手率:5.8%
NAGAによる指摘箇所
打牌検出を少にした場合に指摘された箇所のうち、特にNAGAが反応している場面(~を選びたい!や、ポン!などとしている場面)を中心に、個人的に気になったものをピックアップしています。
東2局2本場
茅森早香
親番・茅森がリーチを受けたこの場面、NAGAは2pポンを推奨。供託の点数が大きく、アガりの価値が大きい局面。4mはワンチャンスでそこそこ切りやすいし、まだ巡目も早いので危険牌も勝負できる。確かに言われてみると仕掛けが得か。
東2局3本場
松本吉弘
この局面からNAGAは3sチー。確かに松本の手は重すぎてメンゼンではどうにもならなそう。しかしドラ2赤1で高いことは高いので、アガりに行くなら3sチーは必須に見える。
供託も拾っておきたいし、いざとなったら安全牌の南もある。一旦チーしておく方が良さそうだ。
瀬戸熊直樹
瀬戸熊はスルーしたこの8p、NAGAは絶対にポンと主張。供託が3900点落ちているので相当アガりたいこの局面、鳴けばそこそこの形のイーシャンテン、鳴かないと少し重いリャンシャンテン。
瀬戸熊がこういった仕掛けをしないタイプというのは理解しているつもりだが、それでもこれはポンではないだろうか。
東4局
茅森早香
茅森がスルーした8p、NAGAはそこそこチー寄り。チーして9pを切っておけばマンガンのイーシャンテン。これを鳴かない理由がよく分からない。持ち点が少ないからメンゼンで仕上げてハネ満にしようということだろうか。
さすがに仕掛けられるマンガンのイーシャンテンを取らずにハネ満を狙いに行くのはこの局面においては傲慢ではないだろうか。
東4局1本場
内川幸太郎
内川はここから6pを切ってリーチ。親番ということで足止めを兼ねて、というリーチなのだろうか。しかし、打点は十分でリーチしたらいよいよ3pは出そうにない。NAGAはダマを推奨している。
ダマなら出るようなところでもないが、それでもリーチよりはかなりダマがいいように見える。内川のリーチの意図が気になる局面だった。
南4局
茅森早香
茅森はここからション牌の東を切らずにリーチの現物である6m切り。この巡目にション牌の東を親リーチに切るのは相当気持ち悪いが、ここでラス目の内川とテンパイノーテンを決められるのも十分キツい。
万が一の自身のアガりも考えるとここは強気に押すべきだったのではないだろうか。実際、ここを押して次局を内川より上で迎えていれば茅森は3着で終了できただけにややもったいなさを感じた。
第2試合
出場者
東家:萩原聖人(TEAM雷電)
南家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:東城りお(セガサミーフェニックス)
北家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
解析結果
NAGAデータ
萩原聖人
一致率:68.2%
NAGA度:80.9
悪手率:10.6%
渋川難波
一致率:82.9%
NAGA度:91.9
悪手率:3.2%
東城りお
一致率:76.7%
NAGA度:85.6
悪手率:9.8%
白鳥翔
一致率:76.5%
NAGA度:86.8
悪手率:6.2%
NAGAによる指摘箇所
東2局1本場
白鳥翔
3巡目にカン5pでテンパイしたこの場面、白鳥はダマテンに受けたがNAGAはかなりリーチを推奨。イーペーコーの1役があって巡目が早ければリーチが十分有効という主張だろう。
ただ私自身、巡目が早いからこそ良形変化などを待ってダマテンにとってしまいそう。少なくともリーチが優位ということは覚えておくべきだ。
東2局2本場
東城りお
東城がスルーした上家の5s、NAGAはチーを推奨した。そろそろ終盤にさしかかるこの局面、片アガりの三色でもテンパイを取って供託を回収しようという狙いか。
実際、ネット麻雀をよく打つ私からするとかなりチーしたいように見えるのだが、Mリーグだとこれを仕掛ける人はあまり想像できない。Mリーグに適応すると仕掛けない寄りになるのだろうか?
東4局
東城りお
東城が3sを切ったこの場面、NAGAは6p切りを一番手に上げている。受け入れ枚数で言えば3sがMAXだが、6pを切るということは赤5sを使いたいということだろうか。NAGAの意図を読み取るのは難しい場面もあるということを思い知った。
その後、東城はこの形でテンパイ。2mを切って一旦ダマに受けたが、NAGAはリーチを主張。これは私もダマにするのはかなり疑問手だと感じた。
ダマに受けたのはドラの2mを鳴かれるかを確認したい、というくらいしか理由が思いつかないが、仮に鳴かれたとしてもこちらの手牌は打点・形ともに十分戦える。それよりもリーチを打たないことによる1巡の隙の方がかなり損なように思えてならない。
1巡回した結果、一発でツモって3000-6000になったがそれは結果論。本来はマンガンツモになるべき局面だったのではないだろうか。
南3局
萩原聖人
萩原がイーシャンテンのこの局面、上家が切った4mをチーせずとしたが、NAGAはチーを強く推奨している。これはさすがにチーすべきだと考える。
まずリーチを受けている状態でイーシャンテンから攻めるのはかなり不利な行為である。4mチーだと3p単騎の微妙なテンパイではあるものの、その後の変化もあるし、打点も十分なためテンパイがかなり偉い。
さらに仕掛けなかった場合、マンズ以外の部分が埋まってカン4mになったときに強く押し返すことが難しい。自身から見て3枚目の4mなのだから、ここは渋々でもチーすべきだろう。
ついでにその後鳴いてテンパイを取ったときに関しても、4m切りのシャンポンよりNAGAは3m切りを推奨。2-5mの方が枚数が多く、端にも近いので3m5mよりは良いということだろう。
この手牌でこの点数状況であればどうやればアガりが拾えるかのみを考えた方がよいはず。4mは選択肢にはあるが、少し弱気を感じてしまった。
南4局2本場
東城りお
オーラス、アガれば逆転のテンパイ。東城の選択はダマだったがNAGAはわずかにリーチ寄りの判断。発をトイツ落とししている親は相当怖いが、アガるのが相当偉いのでリーチということだろう。加えて親に放銃しても1回ならなんとか2着を保てそうな点差でもある。
ただNAGAにしても少しリーチ寄りなくらいだから、この場面の判断は相当難しいことは間違いない。リーチしないのも十分考えられる。
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