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スポーツの試合時間短縮に見る Mリーグ打牌時間の制限の必要性


短時間の潮流

この世に麻雀が生まれたとき、麻雀は全荘戦というルールで行われていた。現在主流になっている半荘戦は東1局から南4局まで行うが、全荘戦は西1局~4局、北1局~4局も行われ、最短16局という長丁場であった。

それがあまりに長いものだから現在の半荘戦というルールが生み出されたわけである。なぜ半荘戦を"半荘戦"と呼ぶのかというと、この全荘戦というものが最初にあり、それを半分にした所から半荘戦と呼ばれるわけである。

そしてさらに現在では半荘戦ですら長いと考えた人が東風戦という東1局から東4局の最短4局で終わるさらに短いゲームを考えた。麻雀というゲームは4人でやることもあってか結構な時間がかかるので、より短い時間で楽しもうとするのはある意味自然の摂理とも言えるかもしれない。

実際、こういった風潮は他のスポーツなどでも見られる。最近で一番分かりやすいのは野球だろうか。アメリカ・メジャーリーグでは2023年シーズンからピッチクロックを導入した。これはピッチャーがボールを持ってから15秒以内に投球動作に入らなければならないというルールである。

今までのメジャーリーグでは投手の投球間隔に時間制限はなかった。そのため間を取ったり、相手打者の攻め方を考えるなどして時間がかかる場合があった。これに制限を設けることで試合時間の短縮を図り、ひいては野球人気の復権を狙ったのがこのルールの目的である。

このピッチクロックだけでなく、他にもいくつかの時間短縮策が導入され、結局試合時間が昨年度より平均24分の短縮に成功。さらに観客動員数も約9.6%増加と人気回復に一定の成功を収めたと言える。

現代は「可処分時間」の奪い合いが起きている時代である。可処分時間とは睡眠や仕事・食事といった生活に必要な時間を除いた、いわゆる自由な時間のことを指す単語である。インターネットの利用が一般的になって以来、多様な娯楽を接種できるようになり、人々はこの可処分時間でさえ効率的に過ごそうとするようになっている。

その代表例がTikTokやYouTube Shortsといったショート動画だろうか。短時間で多くの情報に触れることによって、効率よく楽しむことができる。現在ではもはや長時間を何かのコンテンツに注ぎ込むというのは、あまり好まれない時代になりつつあると言えるだろう。

Mリーグの「長さ」と時間制限

ここまでを見たときに、翻ってMリーグのことを考えてみる。現在のMリーグは7時に放送を開始。試合そのものの時間は言うに及ばず、これまでのリーグ戦の振り返りや選手入場、試合後のインタビューなども含めると、2試合を行って終了時間が23:00頃になることもザラであり、その場合放送時間は4時間ほどになる。

もちろんこれより短くなったり長くなったりもするのだが、野球観戦が3時間で長いと言われていることから見ると、ハッキリ言って長すぎるというのが正直なところではないだろうか。これからの時代の潮流を考えていったときにもっと時間短縮が必要になってくるのではないだろうか。

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