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本屋さんのレジで抜かれる「アレ」に新たな役割を 挟んで便利なメモ 『SLIP』の話

「これ、入ってる時と入ってない時あるねんけど、なんなんやろな」

明確に存在を意識したのは、名探偵コナンを買い揃えていた頃だったように思う。
アニメにもなって人気が出ていた名探偵コナンを、小学生の頃に買い揃えていく途中で、先っちょが丸く飛び出た紙が漫画に挟まれていることがあった。

探偵ものでもあり、当時は真剣に犯人を推理しながら読んでいたこともあって、名探偵コナンを読みすすめる速度はゆっくりだった。それ故に、雑な性格の私はついつい、カバーの折返し(青山剛昌先生が探偵ものを紹介されている部分)をしおり代わりに挟みがちだったけど、当然それでは本が傷む。
そんな時に、あの紙が入っていると、しおりがわりに使えて便利で重宝したのだった。

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時は20年ほど流れて、すっかり大人になった。
まさか名探偵コナンが100巻以上続くなんてその頃には予想もしていなかった・・・という話は置いておいて、知り合いの本屋さんと談笑していた時にこの紙の話になった。
そこで、その紙が「スリップ」や「短冊」と呼ばれることや、書籍の売上を管理するためにレジで抜かれていたことを知ったのだけど、それ以上に知ってしまったのである。
自分でデザインした「書籍注文カード」を出版社や本屋さんでなくても作れるということを。

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そうと知ったらもう文具屋としては止まれない。
思わずオリジナルのアイテムを印刷してみることにした。
名前はそのまま「SLIP(スリップ)」
読書のときだけでなく、ちょっとした書類管理やメモにも使える、そんなアイテムに仕上がったので、ぜひ紹介させてほしい。

4色の色合いとメモに便利なドット方眼

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まず意識したのは優しい色合い。
読書のしおり代わりにも使えるのはもちろん、仕事で使っていても違和感のないカラーリングで、ブルー、イエロー、グリーン、レッドの4色を用意させていただいた。

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ちなみに、表面と裏面で折り返すと色が変わるように印刷をかけているので、「青色と黄色」「緑色と赤色」が1枚で使い分けられるようになっている。

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特徴的に色分けされた上の部分の下に広がるのは、それぞれのカラーと同系色で押されたドット方眼。
3mmピッチで刻まれているので、ちょっとしたメモをとる時にも、きれいに書くための目安にしやすいと思う。

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実際に本に挟んでみるとこんな感じ。
業界では「ボウズ」と呼ばれる半円部分がピョコッと飛び出てくる。
上質紙を使用しているものの、厚みは薄くて本来の書籍注文カードと全く同じ感覚で挟んでもらえる。
SLIPの写真を見ていただいた方からは、「本を贈る際のメッセージカードとしてさり気なく忍ばせたい」というお声もいただいたけれど、文字などを入れずに用途を限定しないデザインなので、ぜひぜひ自由に使っていただいて、その方法をシェアしていただけると嬉しい。

目指したのはステータスの切り替え表示

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会社員時代から、複数の人と連絡をとりながら仕事をしてきた自分として、SLIPは、「こう活用したい!」という明確な姿があった。
それが、案件に合わせた書類の「ステータス表示」機能だった。

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4色の色合いには個人的にこのような意味合いをもたせている。
青色は青信号で問題なく進行していて、手を付けるべき仕事。
黄色はそれに対して「待機中」の意味合いを自分の中ではもたせている。
というのも、メールの返信をもらわないと進められない仕事や、ミーティング日時まで手を付けられない案件などは、将来的には手を付けなければならないけれど、常に意識するのは仕事に集中したい時にノイズになる。

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順調にすすんでいる時は、青色の面にタスクを書き出して仕事をすすめる。そして、上司や取引先の確認の返信待ちが必要な場面では裏返して黄色の面にしておいて、いつまでに返事がないと確認を入れるべきか・・・といったメモを入れておく。

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また、緑色と赤色の切り替えでは、「赤色→要修正」「緑色→チェック済み」といった形で確認が必要な書類の仕分けもひと目でわかりやすくできる。

この方法は、これまでポストイット(付箋)を使って行ってきた自分なりのやり方だけど、ポストイットの場合は色を変えるには別のポストイットに貼り替えたりしないといけなかった。
けれども「SLIP」ならば、表と裏の折返しだけで同じ紙に違う役割を与えられる。
ポストイットの様に貼り替えがないのであれば、細かい作業記録もこまめに書いておくことでうっかりミスを防いだり、言った言わないから生じるミスの削減にもつながる。
また、接着のための「糊(のり)面」がないゆえに重要な書類に糊がついてしまうといった心配もない。

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さらに言えば、SLIPならクリアホルダーにいれた書類に取り付けておくだけで、上からボウズがぴょっこりと書類の状況をアピールしてくれる。
クリアホルダーにつけられる「タブ」的なシールはこれまでもあったけれど、どうしても飛び出しすぎると痛みやすかったし、貼り替えとなるとなかなか大変だった。
でもSLIPなら、書類を挟んで置くだけで、重ねた際にもかすかにステータス(書類の状況)が確認できる。

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また、これは嬉しい誤算だったのだけど、飛び出している「ボウズ」の部分がそんなに大きくないので、書類を挟んだクリアホルダーからもそんなにはみ出さず、結果的にクリアホルダーに守られる形で多少の防御力もうまれた。
クリアホルダーから大きく飛び出さないことで、クリアホルダーを前提としたファイル用品との相性もそのまま活用できる。例えば、書類整理に愛用しているワーカーズボックスにもこんな風に収まってくれる。

デジタル管理の時代に新しい役割を

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本屋さんでのレジでもデジタル管理が進んだことで、「スリップ」の役割もなくなってきているという話をきいた。
でも、慣れ親しんだ道具をもう一度、違う役割を与えて商品にしたい。そんな想いもあって「SLIP」は形になった。

小さな文具屋で企画し、納品後カウントして袋詰めをして販売となるので、そんなに大規模な販売は難しい。
けれど、もしよかったらあなたのお手元にも「SLIP」を滑り込ませる余地を頂ければ嬉しい。

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