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中川政七商店の大日本市で、「個人的に勉強になった3つのブランド」のこと

「プロのカタリベとして、どのブランドが気になりましたか?」

日本の工芸を元気にするべく行っている見本市「大日本市」
そんなイベントを主催する中川政七商店さんから、うちのお店のnoteでの商品紹介方法を面白がっていただき、実際に商品を紹介するnoteも書かせていただいた。
そして訪れた「大日本市」の会場を一通りめぐり終えたあと、そんな質問を投げかけられた。

とてつもなくハードルの高い質問だ。
どの出展ブースも興味深かったし、素晴らしい商品ばかりだったと思う。
でも、そのうえであえて私が推したいのは、3つのブランド。
それは、新型コロナウイルスの影響の中で未来の経営方法を探る上でヒントを感じられた・・・という軸と、個人的趣味嗜好をふんだんに取り入れた評価軸でのものではある。
それでも、得られたヒントはせっかくなので共有したいと思い、今回はこのnoteをまとめさせていただいた。

会場を訪れた方も、訪れていない方も、今回のnoteで初めて知ったよという方にもご覧いただければ嬉しい。

お米を食べ比べるように、綿の産地で変わるは着心地 「SOUKI」

「お米も産地、国が変われば全然違うでしょ。タイ米、日本米、もちろん品種でも違うんだから、違う産地の綿を使った靴下だってそうなんですよ」
そんな代表の方の熱量に圧倒されたのが、奈良の靴下ブランドであるSOUKIさんのブース。

先の言葉は、現在クラウドファンディングもされている3つの産地からとれた綿のそれぞれの特性を活かした靴下履き比べセットについてご説明いただいた際のもの。

ペルーのアンデス高地で栽培されたアスペロコットン、昼夜の寒暖差の激しさの中で、中が空洞になることで空気を含むことができ、丈夫で暖かい。
一方同じ高地でもジンバブエ共和国で栽培され、手積みで収穫されるジンバブエコットンは繊維のハリやコシに特徴がある。
更には、インドの高級綿でつきたてのおもちのようにつややかでしっとりした「スビンゴールド」など、それぞれに靴下の形状も綿の特性を最大限に活かせる形で製造されていて面白かった。

私達の誰もがお世話になっている靴下だけど、素材として綿を選ぶことはあっても、綿の種類にまで想いが及ぶことは正直なかった。
「品質がいいのはあたりまえ、日々の生活のなかで本当に良いと感じてもらえるくつ下を追求したい」という創業当時からのものづくりへの想いをSOUKIさんが伝えようとする際に、ただ言葉を並べるのではなくて、実際にそのメッセージを伝えられるような履き比べセットを作り、更にはクラウドファンディングに挑戦されている姿勢には驚かされた。

クラウドファンディングも2021年6月27日現在も実施中とのことなのでぜひぜひ上のリンクからも興味をひかれた方はご覧いただければと思う。

パートナーと作る新しい実体験の場のありかた 「ALLYOURS」

続いてブースを巡る中でびっくりしたのが、私自身も愛用させていただいているALLYOURS(オールユアーズ)さんの取り組み。

大日本市への出展イコール「お店で仕入れませんか?」という提案ばかりだという常識に縛られていた私。
でも、オールユアーズさんの提案する「パートナー店舗」という仕組みにはすごく興味をひかれた。

従来までの製品の供給・仕入れでのお付き合いではなく、オールユアーズが貴社の場所の一角を試着スペースとして間借りさせていただき、展開する全ての製品を提供させていただく、いわば常設型 SHOP IN SHOPのような形式のお取引です。

配布資料より引用

従来型の卸売だと、商品を仕入れという形で購入してもらって販売してもらう形で、それはもちろんオールユアーズさんもされている。
しかし、このパートナー店舗では「実際に見て、試着もできる場」をオールユアーズさんがパートナー店舗から借りる形。
在庫をパートナー店舗が抱えることなく、気に入ったサイズはお客様がオンライン店舗で購入してもらうことで提供していく形をとっているので在庫リスクなくパートナー店舗は運用できるという「委託販売」ともまた違う新しい取り組みになっている。

実はこの取組み、すでに大阪のBlack Rimmedさんでも実践されているとのことで、うちのお店ももしお客様からアクセスしやすい場所で、お店の面積もあったのならすぐにやってみたいぐらいの面白い内容だ。

更には、リアル店舗を持たないブランドや、うちのように将来移動販売をメインにしてキャラバンのように動き回りたいなと妄想しているお店にとってもすごく参考になる刺激的な取り組みだと思う。

クラウドファンディングを通した展開、共犯者という名前でユーザーとブランドを創り上げていく斬新さ、これまでもオールユアーズさんはすごいなと思ってきたけれど、大日本市ではさらなる凄さを感じられてドキドキしてしまった。

在宅の日々に珈琲以外の選択肢を 「椎茸祭」

今回であった様々な出展者の皆さんの中で、一番衝撃を受けたのが椎茸祭さん。

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SOUKIさんで「綿の種類」の話が出てきたけれど、実は椎茸には種類ごとの分類が曖昧。そんな話に始まり、ブースではぐいぐいと椎茸の魅力についてのお話に聞き入ってしまった。

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お湯で溶くだけでホッと一息つける椎茸出汁やトマト出汁の試飲や麺つゆのお試しでも、ただお湯で溶いて提供するだけに留まらない。

豆乳やルイボスティーで溶くとどんなアレンジが可能なのか。
麺つゆにゆで卵を漬け込むと具体的に何が違うのか。
リモートワークやお家時間の増加で珈琲ばかり飲みがちだけど、それを椎茸出汁に帰ることでどんなメリットがあるのか・・・など。

提示される情報の一つ一つが、いま実際にお客様からどのような要素が求められているのかを調べて実践した上に成り立っていることが伝わってきて、ただただすごいなと感じた。

更にすごいなと感じたことは、名刺交換をしたその日の21時には商品カタログのデータや広報素材をメールで届けてくださったこと。
展示会でたくさんの紙の資料をもらう中で、その中から資料を探す手間がかかるから結局見ない・・・なんてぐうたらなこちらの意図を見透かされたかのようなおもてなしにビックリした。

改めて自分自身もしっかりしないとなと気付かされたのが椎茸祭さんのブースを通した体験だった。

展示会で触れられる情報は商品だけじゃない

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今回、プロのカタリベとして参加させていただいたイベントだったけれど、自分が提供させていただく情報以上に学びの方が多かった。

新型コロナウイルスの影響の中で、いかに未来に事業を繋ぎ、発展させていくか。
こんな状況だからこそ切磋琢磨されたブランドは書き出すとキリがないのだけど、ひたすら文章が長くなってしまうので今回はこのぐらいでまとめさせていただいた。

ぜひご興味を持たれた方は、それぞれのブランドのHPや大日本市の記事も見てみていただければと思います。

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大日本市のHPはこちらからどうぞ

中川政七商店さんから依頼を受けて書かせていただいた記事は下のリンクからご覧いただけます。



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