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「山下義弘商店マガジン」が「中川政七商店」に捕捉されて、カタリベに任命された話

この記事は、中川政七商店が運営する「大日本市」の企画で、
暮らしの道具を実際に使用し、プロのカタリベとして感想を記事にしています。

「山下義弘商店なんて名前はどうですかね?」

お店を出そうと決めて、屋号を考えていた時に言われたこんな言葉が頭に色濃く残っている。
個人事業として、店主である自分が商品をセレクトし、商品を説明して販売すること。それを一番わかりやすく体現する名前として、そんな案を出してくれた。

もちろん元ネタは言わずとしれた「中川政七商店」さん。
うちのような小さなお店とは比べ物にならない元ネタに、いやいやさすがにそれは無理やでとなって、候補からはすぐに外れた。

ただ、さすがにお店の屋号候補からは外れたものの、noteでなにかマガジンを始めようと思った時に「あ、ちょうどいいな」と思って使用してきた。
そんな経緯があったものだから中川政七商店のアカウントのひとつ「大日本市」のnote担当である「おかもとやすのり」さんから「ちょっと話があります」とネットでコンタクトを頂いた時にはやばい…怒られるかも…と慌てた。
けれどそんな心配をよそに、頂いたのは大変恐れおおいことに仕事のお話だった。

中川政七商店さんは2011年から初めている合同展示会「大日本市」。
工芸に関心が高い小売店に向けて、商談性の高い展示会をメーカー目線で開催することで、日本の工芸を元気にする場を作って来られている。

そんなイベントに、商品の良さをネットでどうやって伝えていけばいいのかという提案を、これまでうちのお店の実践例から共有する役割「プロのカタリベ」としてお声をかけて頂いたのである。
マガジンの名前をとがめないどころか、そんな嬉しいお誘いをいただけるとは、中川政七商店さんの懐の広さが伺える…
新型コロナウイルスの影響で実店舗でお客様に直接商品の良さを伝えることが難しい今。小売店やメーカーが、お客様と会わずにどうやってネットを使って商品の良さを伝えていくのかを迷っている。
そんな中、noteを使って商品を説明し、販売している当店にそのような白羽の矢を立てていただいたことは本当にありがたい。

今回の投稿はその頂いたお仕事の中のひとつとして、気になっていたブランドの商品をいくつかお店に送っていただいたので、その商品をレビューさせていただくようなnoteを書かせていただいた。
ぜひご覧いただければと思う。

大成紙器製作所 『 PICTURE BAR 』

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今回届いたアイテムの中で真っ先に飛びつき、ニヤリとさせられたのが大成紙器製作所さんのPICTURE BAR。
壁に写真や紙を掲示することができるアイテムなのだけど、壁への取り付け方法のアイデアがとても秀逸だ。

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そう。使われているのはなんの変哲もない画鋲。
学校や実家でも子供の頃に使用していたシンプル極まりない道具を、紙のパーツと組み合わせることでピクチャーフレームのように機能させているのである。

壁への固定ももちろん画鋲なら、マグネット内臓の紙を押さえるバーが磁力でくっつくのも画鋲。
実家の石膏ボードでできた壁に貼り付けていた小学校の時間割はこんなにおしゃれにはならなかったのに、同じ画鋲も使い方一つでこんなにスマートになるんだと感心させられた。

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また、紙製と聞いて素材が弱いのではないかと思ったけれど、手に持った感触はとてもしっかりしている。紙の特性を活かした発色のいいカラーリングも、きちんと保護する加工も施されているとのことなので汚れにくいとのこと。

これならお気に入りの写真やポストカードも、昔ながらの画鋲で穴を開けたくない…なんて心配いらずで飾ることができる。
これひとつあるだけで、壁にいろんなアクセントを加えることができるので、いろいろなアイデアを試したくなってくる。

THE 『 THE WET TOWEL 』

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新たな「定番」を生み出すことを考えながら作られたブランド「THE」は名は体を表すを地で行くブランドだ。
「これがいいではなくこれでいい」という特異な視線でものづくりを行う「無印良品」で働いてきた自分にとってもずっと気になってきた存在だった。

新型コロナウイルスがいまだ落ち着きを見せない中で、お店やお家の除菌の手段として真っ先に思いつくのはこのTHE WET TOWEL。
『消毒』グッズが星の数ほどリリースされている今、THE WET TOWELは病院で医療器具を洗浄する時に使用される消毒液と同じものを使用。厚生労働省からも指定医薬部外品の認可を得ている。
また、その水溶液を含ませている厚手シートには、100%植物由来の不織布を使用した三層構造で、やぶれにくさと高い保液性を誇っている。

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そして、家の据え置き用と持ち歩き用、どちらも白をベースにシンプルでかっこいいデザインに仕上がっていることもとても嬉しい。
このジャケ買いしたくなるクオリティで、中身まで安心できる品質であることを両立しているあたり、まさに「THE」と呼ばれるだけの定番アイテムに仕上がっているなあと納得させられた。

TO&FRO 『 HIP BAG 』

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TO&FROのHIP BAGは、朝にランニングをしている自分にとっても魅力的なアイテムだ。
その魅力は主に、「薄さ」と「伸縮性」にあると感じている。

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なにも入れてない状態だと「薄い」以上に「細い」。
体にフィットするたすきでもかけているかのような形状は、ランニングなど運動をする際に邪魔にならない機能性としてこのアイテムを成立させている。

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そのこだわりはベルトと、バックルにもあらわれている。
ベルトももちろん薄いのだけど、装着時に使用するバックルがこれまでみたことないぐらい薄くてびっくりしてしまった。
このベルトの幅広具合も、HIP BAGの中にいれたものの重みを一箇所に集中させずに分散させてくれるために、動きを阻害しない役割を果たしてくれている。

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そして、HIP BAGに驚かされる2つ目の特徴「伸縮性」
お世辞抜きにHIP BAGの収納部分はよく伸びる。
500mlのペットボトルなら2本ぐらいは十分入ってしまう。

ただ、ここで気をつけてほしいことは「入るけど、さすがになんでも入れすぎると重いしかさばる」ということ。

ごつごつした形のものをいれれば体にフィットする分、違和感として体にそのまま伝わってくる。
またペットボトルも、入れたままランニングにでかけるというより、運動途中で買った飲み物をどこに入れて運ぼうか…という問題への緊急対処としての役割が大きいように感じられる。

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そういった意味においては、「伸縮性」は旅行時の身の回り品を持ち歩くため時にこそ役立つように思える。
コロナが落ち着いて思う存分旅ができるようになった時には、そういった用途でも活躍させていきたい。

sufuto 『 ふくさ 』

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大人になって、様々な公的な場に赴くようになってから存在をきちんと認識したものの一つに「ふくさ」がある。
慶事・弔事は様々な想いをもった人々が集まる場でもあって、一人で生きて行くのではない限り、避けては通れない場だ。

せっかくならばちゃんとしたものを手元においておきたい…と思っていたところでsufutoさんの綴織のふくさに出会った。

千年以上の歴史をもち、西陣織最古の織物でもあるという「綴織」のすごさを感じたのは、sufutoを展開されている清原織物の代表である清原聖司さんのツイート。

仕事をしていて体が慣れていくという感覚は自分にもあったけれど、長い歴史の中で紡がれてきた技術の凄みを、この一枚の写真からも感じさせられた。

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さて、人生の節目節目で使用する道具であるために、一見して派手さは感じないsufutoのふくさであるけれど、ドキッとするほどかっこいい側面もある。

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それは文字通り、側面から覗き込んだときに見える縁の織り方。
そのさりげなく施された意匠には、永く使える道具として仕上げられた作り手のこだわりが感じられる。

自分用だけでなく、成人祝いや就職祝いとしてもおすすめしたい。

LinNe 『 RenとChibi 』

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「おりん」と聞いて、それがなにかすぐわかる人は少ないかもしれない。
けれど、おじいちゃんやおばあちゃんの家の仏壇の鐘(かね)と言われば、日本人なら誰しもその響きと共に思い出せると思う。

LinNeは、創業180 年あまりの歴史と共に培われた伝統の技術を⽤い、鳴物という⾳の鳴る商品を専⾨につくってきた国内で唯⼀の⼯房で作られている。
その音は、どこか懐かしくて、神聖な場で用いられてきた理由を感じさせてくれるぐらい、聞く人の姿勢を正してくれる。

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その用途が一番思い浮かびやすいのは、風鈴として作られている「Ren」だと思う。

ドアの付近、空調の近く、ベランダや軒先など、風の通り道や開け閉めが発生する扉に設置することで、おりんの心地よい音色を気軽に楽しむことができる。

また、「 Chibi 」という自分の鳴らしたいタイミングで鳴らせるタイプは、ヨガの際に使用するなんて特別な使い方でなくても、仕事や勉強に集中したい時に耳元で鳴らすだけで、気持ちを切り替えてくれる。

スピーカーの高精細な音の再現度合いはどんどんクオリティをあげているけれど、耳元で震えて音を奏でるおりんの音は、ぜひ一度体験してみてほしい。
(現在リンクは準備中とのことですので、予定のリンクを下記に 公式HPもあわせてはらせていただいております。)

D2Cが流行りの時代に、店舗が果たす役割

以上が今回中川政七商店さんのお取り扱いの中で気になっていたアイテムを使わせていただいた中で特に気になったアイテムでした。

ネットが全盛のこの時代。
アフィリエイト狙いのレビューや、メーカーが直接営むD2Cと呼ばれるようなサイトが雨後の竹の子のようににょっきにょきと生えてくる中。
家賃もかかり、出店そのものにコストがかかる実店舗というものは、逆にネット上で書き手の信頼性を担保する役割も持ち始めているような気もする。

この変化の時代に、みなさんと同じ様にさらされ、日々暗中模索しながらnoteで発信を続けている私のなにかが、みなさんのお役に少しでも立ったなら嬉しい。

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バイヤー向け展示会「大日本市」のサイトはこちら

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