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「日本を旅する文具店」が東京で【新宿】と【新橋】を間違えながら行商した話

「北海道より東京の方が遠く感じる」

そんなことをずっと感じていた。
関西で生まれ育ち、大学生の頃からずっとバイクに乗ってきた自分は、長距離フェリーを活用して、北海道や九州にツーリングに何度も行ってきた。
夜に乗れば目的地まで自動で運んでくれるフェリーの存在は、遠方の地もぐっと身近なものにしてくれる。
だから、旅慣れた北海道での移動販売はそこまで怖いものではなかった。

そんな私が東京まで初めて移動販売車で自走という形で東京に行き、文具を販売してきた。
しかも新宿駅から徒歩圏内の立地でというから、田舎者としてはドキドキしかない。
今回はそんなチャレンジの様子をご紹介させていただきたい。

朝2時起床で旅に出る

東京までおよそ500km。
高速道路で走るにしても、6時間以上は確実にかかる旅路とあって、長時間の運転へのドキドキは北海道以上のものがあった。
北海道でも1300kmを走ったとはいえ、それは10日以上に分散されたものであり、関西から北海道までの移動はあくまでフェリー。
ましてや初めて走る道とあっては、必要以上に不安も感じていた。

本来であれば前日を移動のみにあてて前泊。
万全の体調で余裕を持って望むところなのだけれど、東京で宿泊先を探すと個室のビジネスホテルでも2万円弱という高騰ぶり。
コロナ禍も下火となり、海外からの観光客のみなさんが来ていることをヒシヒシと感じながら、節約のために当日入りでの旅程を組むこととなった。

また、今回は高速道路での走行に備えてハードカーゴさんの「フェアリング」を装着することにした。

移動販売車には、ソーラーパネルの設置やサイドのオーニング(ひさし)の取り付けのためにキャリアを装着していたのだけど、高速走行時にはどうしても風切り音が大きくなってしまうという問題があった。

今回はキャリアのメーカーであるハードカーゴさんからフェアリングの装着をすすめて頂き、ロゴも貼り付けていただいて装着を行う形で移動販売車を更にパワーアップさせて臨んだ。
実際その効果は体感できるほどの違いがあり、同じ用に風切り音を気にする人にはすすめたくなる機能性だった。

前日には早めに布団に入り、2時に起きて車に乗り込んだ私は、13時半のイベントスタートには売り場設営を含めてかなり余裕を持って発進した。
サービスエリアでの休憩もこまめにとりながら、一路東京を目指す。
次第に夜も明けていき、明るくなっていく中をひたすら走っていった。

余裕もかなりもっていたためか、特に大きなトラブルもなく進行することができた。
東京近郊のサービスエリアで早めに昼食をとり、東京の出店場所である文具店「WRITE & DRAW」さんには11時過ぎにはたどり着いた。

お店のオーナーさんはオープン時間ギリギリに来られる予定だったため、お店の軒先に車を停めさせてもらい準備を進める。

移動販売車の設営にもだいぶ慣れてきているので、お店のセッティングも余裕を持って進めることができた……と思っていたら、ここで、ゲリラ豪雨が襲いかかってきた。

課題となる雨への対応

雨雲は中心をはずれたものの、5分程度バケツをひっくり返したような大雨。
持っていった文具や雑貨は基本的に雨の影響を受けにくいパッケージのものをえらんでいるものの、湿気程度ではすまず雨の飛沫が商品の一部にかかってしまうレベルの雨だった。

やむを得ず、助手席側の売り場スペースは閉めてしまい、ターポリン素材のバナーをリアゲート側に移設。
雨のカバーとして利用することで被害を食い止めることができた。

このとき、怪我の功名としてリアゲート側にLEDランプやバナーを設置するとこじんまりとした暗めの隠れ家演出ができることがわかった。
イベント中は雨も上がったため、助手席側も再度開放したが、リアの照明やバナーの位置はこのまま進める形で定着をした。

移動販売の醍醐味と致命的なミス

そしてオープン時間になると「WRITE & DRAW」さんのシャッターも開き、いよいよ東京での移動販売車がオープンすることになった。
オープン時間からたくさんのお客様にお立ち寄り頂き、休憩する時間もなかなかとれないほど接客をさせていただくことができてとても嬉しい2日間となった。

「WRITE & DRAW」さんの店内にももちろんキレッキレのセレクトアイテムがたくさん。
お互いのお客様を紹介しながら、お買い物を楽しんで頂くことができたように思う。

かくいう自分自身も「WRITE & DRAW」さんでスペースシャトルとロケットの形の鉛筆削りを購入。(写真中央に飾っているもの)
買い物自体も楽しむことができるのが、お店でネットストアを中心に営業している時とは全然違う点なのでとてもおもしろかった。

お客様が途切れた隙に、少し移動販売車から離れて見上げてみると、大きな建物が視界に入ってくるあたりが、東京にいることを感じさせてくれた。

営業時時間が終わりに近づくと、月も見えてきた。
いつもと違う土地にいって、いつもと違う景色を見ながら1日を過ごしながらも商いをする。
そんな楽しさは移動販売車でしか味わえない醍醐味のようにも感じられた。

そんな余裕をかましていたら、1日めの宿泊時にとんでもないミスに気づくことになった。

新宿駅前のカプセルホテルをとったとばかり思っていたら、新「橋」駅前の同系列のカプセルホテルを予約していたことに晩ごはんを食べているときに気づいたのだった。
朝2時から20時間以上活動してきたためヘロヘロになりながら、電車を乗り継いで新橋駅のホテルに向かったことは一生忘れないし、同じミスは絶対起こしたくない!
みなさんも気をつけてください(まずやらないだろうミスだけど)

そして、今回の東京での移動販売では東京にお住まいの知り合いを始め、SNSで御覧頂いていた方やnoteを御覧頂いているお客様と実際に会うことがたくさんできたこともとても嬉しいことだった。
更にはお客様から今回の出店の様子のイラストまでいただき、感謝しかない。

SNSでも、移動販売車を楽しんでいただけた様子がアップされていて、ホット一息。
文具を買いに来る人はもちろん、旅する文具店としての取り組み自体に興味を持っていただいた方も多く、とても嬉しかった。

おかげさまで2日間に渡る東京での「文具の移動販売車出店」は盛況のうちに
終了することができた。
改めてご来店いただいた皆様、ありがとうございました。

ちなみに文章で紹介しきれなかった雰囲気は動画でも今回はまとめてみました。
YOUTUBERには程遠いですが、少しでも伝われば幸いです。

北海道からわずか2週間を開けて挑んだ東京での出店ですが、まだまだDOCKET STATIONERY CARAVANは終わりません。
9月には九州の福岡と鹿児島。
10月には和歌山と徳島に、DOCKET STATIONERY VANは参ります。

DOCKET STATIONERY CARAVAN 9−10月
KYUSHU

2023.9.9-10 SiNG STOCK&SERVICE
〒818-0115
福岡県太宰府市内山636(竈門神社そば)

2023.9.16-17 _1tree coffee 霧島店
〒899-4301
鹿児島県霧島市国分重久4639

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2023.10.7-8 ARCADE
〒649-5335
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7−8−2 勝浦漁港

TOKUSHIMA
2023.10.15 うだつ上がる 古本市
〒779-3610
徳島県美馬市脇町大字脇町156

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