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美はノックにも宿る。 ジェットストリームが宝石の代わりに手に入れたもの

「ジェットストリームは裏切らへん」

そう、口走ったのは社会人になって3年目の頃だったと思う。
店頭に立ち、レジでクレジットカードのお支払いを受け付ける際には、お客様にサインをいただくことになる。
いまでこそ、スタイラスペンで電子署名なんてことが大手のショッピングモールでは当たり前になっているけれど、10年前のその頃はレシートにサインをもらうことが当たり前だった。

しかしながら、つるつるっとした紙質で、ロールの最後の方まで使っているレシート用紙はくるくると丸まろうとする形状記憶機能を発揮し、とにかくサインがしにくい。
そんなときに、レシートにインクがのらなかったり、インクがまだ残っているのに詰まってしまったり、書いたサインが乾いてないうちに触ってしまって掠れてしまったら目も当てられない。

いつでもお客様に自信をもってサインをしてもらいたい。
かつ自分もいつでもメモがとれるようなボールペンを持ち歩きたい。
その願いを叶えてくれたのが「ジェットストリーム」というボールペンだった。


クセになる、なめらかな書き味をキャッチコピーに、超・低摩擦ジェットストリームインク搭載したジェットストリーム。
従来の油性ボールペンと比較して、摩擦が半分程度にまでおさえられ、色合いもくっきりと濃い。そして、書いてすぐ乾くという特性もあることから、ボールペンでの人気ランキングも不動の1位を獲得し続けている。

レシートへのサインにもバッチリ対応できて、本当にとんでもないインクを三菱鉛筆さんは開発されたなと思ったことは今でも覚えている。

ただ…人間の欲望は果てしないもので…

書き味はこのままで、もっとかっこいい本体で使いたい…。
そんな欲望がむくむくと呼び起こされるのに時間はかからなかった。

そんな要望にあわせて、極上を意味する「プライム」という商品ラインも三菱鉛筆さんは展開された。
展開された…のだが、何故かクリップ部分には宝石のような石が嵌め込められていて、どちらかといえばかわいいよりも「かっこいいやつ」を追い求める私には物足りなかった…。

リフィル(ペンの替芯)を海外のかっこいいボールペンの本体にいれて使ってみたり、そうやってカスタムしながら使うことはできたけれど、お店を構えた今、それをお客様にすすめるのもなかなかややこしい…。

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しかし2021年。
唐突にその悩みに終わりはきた。

今回は三菱鉛筆さんから登場した新しいジェットストリームプライムが最高すぎるので、ご紹介させてほしい。

書くための道具としての佇まい

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新型のジェットストリームプライムには大きな特徴はない。
キラキラした宝石も、派手めのカラーリングも、鬼◯の刃コラボのキャラクター性もない。

強いて言うなら、クリップの形状が個性と言えるだろうか。
だけど、これこそが自分の望んでいたボールペンの姿と断言できる。

だって一番のボールペンの仕事は、売場で目立つことではない。
しっかり文字が書けて、日々使うことに満足感が感じられて、使い続けられることが重要な仕事だと思っている。

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ただ、派手さがないだけで、本体の色合いも「黒とベージュ」というカラーリングが使われていたり、ブランドのロゴも小さくさらっと入っているなど、押さえてほしい要素はしっかりとハイレベルに押さえられている。

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替芯には4Cの金属芯タイプを使用していて、インクのカラーは黒・青・赤の3色。
既存のジェットストリームの多色ペンであれば、緑色も加えた4色展開に更にシャープペンまでついてくるところだけど、今回のモデルはそこまで欲張っていない。

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その恩恵として、手に入れたのは「細さ」にほかならない。
多色ボールペンはどうしても太くなりがちで、この太さが書く際の体験として大きな影響力をもつのだけど、今回のジェットストリームプライムならば、通常の1色のボールペンのように扱うことができてしまう。

ペン先部分から順番に真鍮、ステンレス、ABS樹脂といった形で素材をうまく組み合わせつつ、一本のペンとして違和感をほとんど感じさせない塗装具合といい、三菱鉛筆のこの商品にかける気持ちがすごく感じられるボールペンに仕上がっている。

ノックにだって美は宿る

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さて、最高の書き味に加えて、シンプルで上質な素材感とカラーリングを兼ね揃えたジェットストリームプライム。

これだけでも既に個人的には100点なのだが、更にそのこだわりはペン先を押し出すための「ノック」にまで宿っていることをここにご報告したい。

そもそもまずノックを押し切った時の感触が気持ちいい。
こればっかりは言葉にしにくいので味わってもらうしかないのだけど、何度もノックを出し入れしてしまうぐらい、その感触までしっかりと作られている。

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そして、どのノックを押せばどの色のペン先が出てくるのかを明示する方法も、ノックそのものに色を付けるのではなくて、ノックのスライドするレールの一番上のところにさりげなくあしらわれているところも文句なし。

使い慣れてくるにつれて、体が勝手にノックを使い分けるようになったりするけれど、芯を変えるときには確認したくなるときもあるので、まったくない状態というのも困るけれど、これなら安心して使用することができる。

上質な体験まで体験できる最高峰のボールペン

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こんな風に、実際に使用する状況を配慮した上でノックひとつまで作られているボールペンが3000円台で手に入るというのは、本当にいい時代になったんだなとしみじみ思ってしまう。

ぺんてるさんのorenzneroとあわせて、価格とのバランスのよいペンが世の中に生まれている時代に文具屋ができることを本当に嬉しく思う。

もちろんリモートワークやプレゼントにもとてもおすすめな逸品です。

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ジェットストリームで他のバリエーションもみたいというかたは、メタルタイプの4&1タイプもおすすめです。



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