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うちの商品は「復活の呪文」なのかもしれない

「しまった・・・。セーブし忘れた」

子供の頃から慣れ親しんだテレビゲームでも、大切な仕事のデータでも。
せっかく積み上げたことが、ちょっとしたセーブ忘れで無に帰すことがある。
昔にプレイしたロールプレイングゲーム、スーパーファミコン版のドラゴンクエストで、ソフトを起動した瞬間に「冒険の書」が3つ連続でおどろおどろしい音楽とともに消えたトラウマは、いま思い出してもゾッとする。

でも、現実ではそもそもセーブ機能なんてない。
一回きりの人生を、巻き戻したりできずに、時に勢いをもって、時に慎重に生きていく。それ自体にはなんの異論もないし、そのとおりだと思う。

けれど私自身、日々文房具屋さんという仕事をしながらnoteを綴っていて、「セーブポイントみたいなものを作ることが仕事になっているんじゃね?」と思うに至った。今日はそんなわたしの働き方に関するお話をさせていただければと思う。

賽の河原に別れをつげたい

基本的に不器用なので、新しい環境への適応能力が低い私なので、社会人になりたての頃なんて本当に辛かった。
それでも便利な文具を取り入れたり、仕事を仕組み化することで、少しずつ環境自体を変えて適応し生きてきたのは否めない。

しかしながら、せっかく積み上げた環境も、異動で違う場所にいけばまた1から作り直すことになる。
積み上げては崩れ、積み上げては崩れ。
積んだ石を賽の河原で鬼に崩されるがごとく、組み上げたものが無に帰すというのはどこかで見たことのある拷問のようにつらい。
それが嫌になった私は、ひたすらに「改善提案制度」なるものを利用して、自分のやりやすいやり方を会社全体に提案することで採用してもらい、次の環境でも同じ利便性が得られるようにと努力し始めた。

独立した今、その環境はほぼほぼリセットされてしまったけれど、自分の快適に思う改善案を、他の社員の人にも享受できるようなわかりやすい形で、文章や画像にして提案する・・・という手法は、思えば商品をnoteで説明していることそのものでもある。

うちの商品は「復活の呪文」なのかもしれない

商品を販売することは、売れそうな商品を仕入れて、お店やネットストアに並べて、対価をいただき生きていくことなのだと思う。
もちろん、自分自身も「これ売れそうだなあ」と思って商品を仕入れることはある。
でもだいたい意外と売れるものは「自分自身が実感をもって便利だなあ」と感じた商品を、わざわざ仕入れてnoteで紹介して販売したときなように思える。

商品を紹介するとき、自分が生活の中で不満に思っていることがどんなことなのかを洗い出して、それがある商品によってどうやって解決するのかを共有する。
その時に行われているのは、今あらためて考えてみると「改善提案」を社会に向かって行うような行為だと思う。

それは、いまのところ社会を大きく変えるようなムーブメントにはなっていないけれど、商品を購入してくださった方の人生の一部をちょっと便利にするという形で変えているのだと思っている。

ゲームで言えば、自分しかデータの続きをプレイできない事が多い「セーブ」ではなくて、決められた文字さえ入力すれば誰でも使える「復活の呪文」と呼ばれる古い手段に近いのかもしれない。
うちのnoteの文章を読んでもらえば、これまで私が調べてきたり体験したり失敗したりしてきた内容を共有してもらえる。
少なくとも、私の悩んできた中での商品選択を知っていただいて、そこからスタートしていただけることは、ただAmazonで商品をなんとなく買う体験よりは違うなにかになっているように思う。

そういう意味では私のお店にとっての商品は、多くの人に経験を共有できる「復活の呪文」であって、商品は付属品とも言えるのかもしれない。

復活の呪文だけで対応できないから「アイテム」を作る

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昨年からコツコツと始めているオリジナル商品の開発も、「復活の呪文」そのままだと思う。

薄型ノートを持ち運ぶとぐちゃっとなるのが嫌で、薄型ノート専用のハードタイプなノートカバーを作ったのだって、几帳面な人間であれば全く気にならなくて作ろうともしなかったかもしれない。

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現在クラウドファンディングをやっている「ケーブル保護チューブ」だってそうだ。
配線をきれいに設置して、インテリアと調和する力があればこんなもの作ろうともしなかっただろう。もしくは既製品のスパイラルチューブをせっせと取付する集中力があれば、困っているとすら感じなかったかもしれない。

わざわざ便利な取付工具を探して、ケーブルを不器用な自分でも「サッ」ときれいにできるようになりたいという願望そのものが、私自身が凡人だから生まれたものなのだと思う。
そういう意味では、オリジナル商品だって私が世の中のいろいろな道具を探した挙げ句にみつからなかったから、復活の呪文だけで解決できないから現実というゲーム上に「アイテム」を作ったようなものだとも考えられる。

この世界をプレイするたくさんの冒険者たちと

店舗内観

文具屋をやってみたい!という想いから独立したけれど、結局やろうとしていることは会社員時代と何一つ変わっていないのだと思う。

自分が困っていることを道具で解決して、その方法を共有して生きていく。

それがひとまず必要とされていて、商いをしていけることが本当にありがたい。
ぜひこのnoteをご覧いただいた皆様にも、私の「復活の呪文」がお役に立てば嬉しい。

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