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【三角コーンで看板をつくる】 そんな小商いを1年続けた私に起きたこと

「白い三角コーンで看板を作って暮らしてます」

昔バイトをしていた八百屋さんで、何度も晩飯をおごってくれた恩人とバッタリ会った。「この頃なにしてんの?」と訊かれてとっさにそう応えた。

そりゃあもう心配された。
なに?
工事現場に三角コーンを営業に行くの?
それとも、ホームセンターでバイトしてるってこと?
なんならうちで働く?とまで言われてしまった。

けど、三角コーンで看板を作って売る仕事は、正直楽しい
もちろん、それだけじゃとても食っていけない。
あくまで文具屋を営む中での副業的な商いだけど、とにかく楽しいのだ。

今回は三角コーンで看板を作るという小商いをはじめて、私にどんなことが起きたのかをご紹介できればと思う。
小さくても何かを始めようとしている多くの人の助けになれば嬉しい。

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自分のお店にほしいから作った

そもそもの始まりはお店用に作った看板だった。
そんな出だしで商売がはじまるのは夢物語だと思っていた。そもそも他人に売れるとは夢にも思っていなかった。

うちのお店がある場所がすごくわかりにくくてたどり着けない人が多数のため、エレベーターホールに置く看板を低コストで作れないかな・・・と思っていたところでたどり着いたのが三角コーンだった。

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このコーン看板を載せたTweetをみた方から問い合わせが入って、じゃあ作ってみましょうかとおすそ分け程度に販売した。
これがこのコーン看板の運命を変えるきっかけになった。

それは、これが商売につながるのかと気付かされたうんぬん以前に、その人が看板を【光らせた】からである。

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乾電池で光らせるLEDでも意外と光るし面白い。
パナソニック製の防滴タイプのLEDランタンと組み合わせることで、屋外でも気軽に光らせることができる看板として、三角コーン看板はとてつもなくニッチな【商品】になっていった。

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おしゃれなアンティークショップで使ってもらったり。

スクリーンショット 2020-08-14 午後13.33.30 午後

FUJI ROCKに連れて行ってもらったり

スクリーンショット 2020-08-14 午後13.45.00 午後

表札として猫と共存したり。

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プチプチを作っている川上産業さんに最高にかっこいい専用箱を作ってもらったり。

面白がってくれるたくさんの人のおかげで、看板は少しずつ使われる幅を増やして、そして注文されるようになっていった。

更には、このコーン看板はSNSとも相性がよいようで、お店の投稿やイベントでのフォトスポットとしても活用される場面が増えている。

三角コーンで作った看板は、作り主の想像なんぞとっくの昔の置き去りにして、ある時は素敵なお店の名脇役として。
またある時は小商いを営む誰かのロゴを掲げるための主役として。
日本の色んな所にポツポツ立ち始めたのである。

なので、今は新型コロナウイルスの影響で行けないけれど、私には行ってみたいお店が山ほどある。
三角コーン看板を置いてもらっているお店は、正直もう他人事ではすまない。
なんだか親戚のお兄ちゃんが経営しているお店みたいな感覚で、看板が少しでも役に立ってるか・・・とか、どんな美味しいごはんを提供してるのか・・・とかが気になって気になって仕方がない。
オーダーで色んなデザインを相談しながら決めているからだろうか。
看板をきっかけに日本全国に知り合いが増えていくという・・・すごく楽しい経験をさせていただいている。

更に作ってみたいものを作った

看板の注文が増えるとどうなるか。
そのこたえは、お店に大量の三角コーンの在庫を常備することになる・・・だ。
ついでに言えば、2kgの重石も20個単位でまとめ買いすると鬼のような重さになる。

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そんなわけで、文具を買いに来たお客さんも自然と三角コーンに目がいき、なぜこんなにコーンがあるのかを説明することになる。

「マンションの理事をやってる時にこの看板を知りたかった!」

そんなお客さんのうちのお一人がこんなことをおっしゃった。
確かになるほどだった。
駐車禁止や駐輪禁止の看板で、あまりシンプルでかっこいいものって見かけない。

まちの雰囲気にもマッチして、かっこよく駐車禁止や関係者以外立ち入り禁止を表示できる看板があったっていいんじゃないだろうか。

そんなことを考えた私は、知り合いのデザイナーさんにお願いをして、公共の場でも使えるような三角コーン看板を作ってネットで売ってみることにした。

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関係者以外立ち入り禁止の看板や

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駐輪場の看板

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車椅子専用駐車場のサインや

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駐輪禁止の看板

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そしてシンプルに、駐車禁止の看板。

こちらも間違いなく小商いの類だ。
毎月何十個も売れるようなものではない。
けれど、三角コーン看板の始まりと同じく、どこかで誰かが必要とするかもと思ってつくりはじめ、ほそぼそと売れている。

三角コーンで看板を作って得たのは【精神の健全性】

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東京、大阪、北海道、四国。
顔も知らない誰かが、これいいなと思ってうちのものを買ってくれる。
自分の考えを認めてもらえて、誰かがお金を払ってくれる。
言葉にすれば当たり前だけど、現代では希薄になった商売の基本の形をしているような気がしている。

もちろん欲を言えばしっかり収益はあげたいけれど、この三角コーン看板に関しては「いいな」と思ってくださる人の手に渡ってもらえればと強く思う。

一年間。
三角コーンで看板を作るという小商い中の小商いをしてみて、私が得たのは【精神の健全性】なんだと思う。
たぶん働きがいと呼ばれるものは、人から与えられる大義名分じゃなくて、こういうところに自給自足していけるのがいいのかもしれない。
そんなことを、サラリーマン時代に心の調子を崩したこともあるので感じる。

この私の体験が、あなたが今後に独立したり、副業を始めようという時になにかのヒントになればとても嬉しい。

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