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小さなお店の作る「堅物なノートカバー」と「いいかげんなノート」が出会って起きた、ちょっとした奇跡の話

「すきな薄型ノートと組み合わせて使ってください」

そんな文具屋ならではの感覚で去年の10月にオリジナル商品のクラウドファンディングを行った。
クラシックな雰囲気と、中のページがしっかり守られるハードカバーノートのハードカバーだけを分離して販売しようというアイデアは、どれだけの人の心に刺さるのか正直不安だった。

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しかしながら、そんな不安をよそに、付け替えられるハードカバー「IDEAL A5」はおかげさまで目標金額を大きく超えて、100万円以上の支援を集める結果となった。

そしてその後もうちのお店のオリジナルあいてむとして販売も好調。
たくさんの方に愛用して頂く商品となっている。

そしてクラウドファンディングから半年たった今、付け替えられるハードカバーはまた新たな展開を迎えることになった。
それは、ナガハシ印刷株式会社の人気アイテムである「いいかげんノート」シリーズとのコラボレーションモデルが作られることになったのである。

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今回はなぜ、大阪の小さな文具屋のオリジナルアイテムが、静岡のナガハシ印刷株式会社さんのノートと巡り合って展開が広がったのかについてご紹介できればと思う。

使い方を一番わかっているのはユーザーの皆さん

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「いいかげんノート」は、ナガハシ印刷さんの女子企画チームが開発した「良い加減」なノート。
紙質は万年筆などの下記味もよい「トモエリバー」という用紙を使用しながらも、「肩肘張らずに気軽に使える」ようにある工夫がされている。

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その秘密はこの、手書きで書いたようなラフな罫線。
真っ直ぐで等間隔に狂いのない罫線や方眼が当たり前に印刷されているこの時代に逆行するかのような仕様になっている。

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でも確かに。
整然とした几帳面な雰囲気は、気合を入れて仕事をするにはいいのだけど、ちょっとメモを取りたい時にはきれいに書こうと気構えてしまう。
そんな緊張感を気遣うかのように、「いいかげんノート」の罫線はこちらの無駄な力をとり除いてくれる。

この絶妙な加減が人気となり、方眼版やルーズリーフ版、システム手帳リフィルなどシリーズ展開もされている。
ただ愛用者が増えるにつれて、いろんな要望もあがってくる。
表紙の柔らかく優しい感じも、持ち運びする上ではカバンの中で揉まれてシワが生まれてしまったりもしてしまう。
表紙のしっかりしたものも作るべきか…と考えておられたところに、うちの付け替えられるハードカバー IDEALのクラウドファンディングが始まり…終了し、リターンとして支援いただいた方に届いたところで、こんなツイートが流れた。

柔らかい表紙の薄型ノートであるいいかげんノートと、付け替えられるハードカバーであるIDEALが、ユーザーさんの判断で組み合わされて「いいのでは!?」というご意見がナガハシ印刷さんにまで届いた。

そして実際にご利用いただく中で、いっそオリジナルの専用ハードカバーを作れないかということで、うちのお店にご相談いただくことになったのだから、本当にいまどきというか、世の中何が起こるかわからないなと思う。

こんな出会いからいいかげんノート専用ハードカバーは走り始めた。

IDEALのロゴはなぜ消えたのか

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元々、うちのお店で販売しているオリジナルのハードカバーにはIDEALという名前とロゴマークがあしらわれている。

その昔、コンテナを運ぶ船として商業的にはじめて成功した「IDEAL X」という船の名前から、「規格サイズ(A5サイズ等の紙のサイズ)を載せて運ぶ道具」となるように名付けた。

ただ、そのロゴはあくまで裏表紙の下に小さくあしらっている。
これは、生活の中で主張するのではなく、むしろ愛用される道具としてさり気ない佇まいをもたせたいと考えたから収まった配置だった。

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 そして、今回のいいかげんノート専用ハードカバーにはもちろんIDEALのロゴはない。そして、「iikagen series」というロゴを表側に配置させていただいた。

これは実は、クラウドファンディングの際にもやりたかったことで、たくさん購入いただいた方へのリターンのひとつとしてノベルティやオリジナルアイテムとして金箔や銀箔、そして空押しと呼ばれる今回のような加工を行うことを計画していた。
ただ、はじめてのクラウドファンディングだったことや、ロゴデータのやりとりなど業務量が増加することの影響が読めなかったことから準備までしていたけれど断念していたことだった。

idealのロゴをあえてなくして、ご注文いただいた方の思いのこもったロゴを正面にかっこよくあしらわせていただくのは一つの夢だったので、ようやく半年ごしの夢が形になって本当に嬉しいことだった。

多種多様なメーカーの商品が出会う場だから起きたこと

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こんな風に違うメーカーの商品と商品が出会って、使い方を考えて、新しい使い方が生まれていく・・・ということは、文具屋の店頭では組み合わせまでは起こるのだけど、実際に商品として形になることまでは難しい。

でも、クラウドファンディングに挑戦して、たくさんの皆さんと繋がれたからこそ、こんな素敵な機会に出会えたのだと思っている。
一人でお店をはじめた頃には想像できなかった奇跡に、ただただ感謝しています。
いいかげんノート専用ハードカバーは初回100個限定ということなので、ぜひぜひ気になる方はいいかげんノートと合わせてチェックしてみてほしい!

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