拝啓 クラウドファンディングにご支援いただいた皆様・・・へのお礼状の話
「この数年間で、彼には一体何があったんですか?」
小学校低学年の頃に担任をしてくださった先生が、高学年になった私の担任になられた。
優しく、穏やかな先生との久々の面談の際に、母はそんな言葉を先生から投げかけられた。
小学校高学年になった私は、素行に問題があるわけでもなく、体調を崩すこともない。なんなら、朝から晩まで外を走り回っていたし、勉強もよくはできなくとも怒られるほどではなかった。
ただ。
字が著しく汚かった。
小学校2年生ぐらいまでは、それはもう生真面目に漢字ドリルをこなし、キレイにキレイに書こうと努力をしていた。
その姿を見てきた先生は、私のことを字が綺麗にかける子として認識していたのだろう。それは大変ありがたいことだ。
だけど、小学校3年生になった時。
唐突に漢字ドリルをなぞることに飽きた。
そもそも面倒くさがりで不器用な私は、細かい作業は苦手だし集中力も続かない。
よく言えば、文字をきれいに書くだなんて繊細で緻密な作業を、2年間もがんばれたものだと思っている。今あらためて自分を自分で褒めてやりたい。
けれど、漢字ドリルの定められたレール(なぞり線)を外れた私は、字が汚いという大損を人生で被ることとなった。
字が汚いということには、あまりメリットはない。
中学生の頃に、塾の先生の話をメモする時にずっと先生の目をまっすぐ見ながらノートを書いていた時に「おまえすごいな」と言われたぐらいではないだろうか(きれいに書く気がないから、罫線をはみ出してもお構いなく殴り書いていただけ)
逆に言えば、きれいな字が書けなくて困る場面や、書けたら良かったなと思う場面は何度もある。
結婚式のご祝儀に書く文字、同僚に連絡事項を残す時、ちょっとした商品のPOP作成、etc...
そして、今。まさに私は、最大の危機に直面している。
人生で初めて、文具を作るというクラウドファンディングのプロジェクトを開始した。
そのプロジェクトを支援してくださる皆様の数が450名を超えたのだ。
はじめに掲げた目標に比べて5倍近い皆さんに、感謝を伝えるお礼状。
それをどうやって用意しようかという、ありがたくて仕方ないと同時にどうしたもんかという悩みに襲われている。
実は、100名ぐらいまでなら、こんなうちのお店の名物マシンで解決するつもりでいた。
ペンプロッター Axidraw v3。
EVIL MAD SCIENTIST社という名前からしてふざけたメーカーが生んだ、好きなペンで文字が書き込めるスーパーマシン。
これならば時間をかければ100枚はなんとかお礼状が書けると思っていた。
ただ、400枚以上ともなると流石に厳しい。
このマシンは紙のセットも手作業だし、印刷時間も1枚あたり数分かかる。
果たして一人でお店の作業をしながら、お礼状を書いていたらどれだけの時間が必要になるのか・・・。考えただけでもゾッとした。
もちろん字の汚い私の辞書に、手書きお礼状という選択肢はない。
どこかに、こだわりのお礼状を作ってくれるようなサービスはないものだろうか・・。
そんな時に思い出したのが、昨年お店でも販売した台湾の印刷所、EPさんの存在だった。
EPさんは、特殊加工に特価した印刷サービスを展開する台湾の印刷所さん。
うちのお店では2年前のOPEN直後にも、EPさんこだわりの干支をテーマにした年賀状を展示したり販売させていただいたりして以来、仲良くさせていただいている。
特殊加工印刷が得意ということで、当店おなじみのサービスになっている白い三角コーン看板の販促物なんかもお願いしたことがある。
その時に使ったのはホログラムの力強い箔。
ドラゴンボールのカードダスであたったレアカードを思い出させる輝きに、販促だけでなく泣き始めた子供にわたすと漏れなく泣き止むという素晴らしい効果までついてきた。
一番お世話になっているのが、この名刺。
個人事業主になってから、名刺を渡す機会は突然やってくる。
そんな時にも相手の胸に刺さるような名刺をお願いして作ったのだけど、京都にできたACEHOTELの支配人さんに会社と間違われるぐらいにEPさんで作った名刺は好評だった。
特に、名刺でロゴマークを入れる時に試した「空押し」と呼ばれるへこみだけをつける手法は、今回のクラウドファンディングで作ったアイテムのロゴマークの入れ方にも強い影響を与えている。
よくよく考えてみれば、私自身。
不器用だからこそ、それを補うことができる道具を求めて文具が大好きになったのだ。
だから、ご支援いただいた皆様にしっかりと感謝の気持ちを伝えたいのであれば、得意な技術をもつメーカーに頼るという考え方はたぶん間違っていない。
そう開き直ることにしました。
ということで、今回のクラウドファンディングのお礼状は、台湾の印刷所であるEPさんのご協力をいただいて、ご支援いただいた皆様の元に商品と一緒にお届けすることになりました。
ちなみに今回はEPさんの特殊加工印刷がお手軽価格で試せる年賀状キャンペーンをとてつもなく無理を言ってお礼状の制作に使わせていただきました。
その少しでも御礼になればということでここで宣伝させていただきます。
受付は10/30と11/10のそれぞれ正午までとなっているので、ご興味のある方はぜひ下記リンクからご覧頂ければ幸いです。
もちろんクラウドファンディングで挑戦している「付け替えられるハードカバー IDEAL」のプロジェクトは10月末までまだまだ続きます。
ぜひ気になる皆様には、下のリンクからご支援を頂ければ幸いです。
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