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山下義弘商店

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お店で売ってるもの、売ってないものだけど気に入ってるもの。熱量をもって書き綴っています。
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2024年3月の記事一覧

おらが店にも駅が来た 陸の孤島と呼ばれた文具店の立地が好アクセスになるまで

お店に行きたいんですけど、遠いんですよね。 うちのお店は、そんな言葉が漏れなくセットになっている文具店だった。 大阪の玄関口「梅田」からだと、地下鉄御堂筋線に乗って千里中央駅を目指してもらい、そこから更にバスor登り坂を徒歩。 トータルで1時間ぐらいかけて、文具店を訪れるというのはなかなかにハードルが高い。 そもそもなんでそんな場所にお店を出したかといえば、同級生がやっているカフェが同じフロアにあるからという理由がひとつ。 そしてもう一つは「2020年に近くに駅ができる予

現役文具屋がいく 2024年ベルリン文具買いだおれ報告会

ドイツと言えば文具の国。 そんなイメージは自分の中で未だに根強い。 筆記用具メーカーであるLAMY(ラミー)をはじめとして、ペリカン、ステッドラー、ファーバーカステル…… 自分が文具を好きになったきっかけも、ドイツの文具メーカーのアイテムを日本で見たことがきっかけだった。 そんな国に現役の文具屋が行くとすれば、色々買い付けてくるしかない。 今回はドイツとスイスを巡る中で手に入れたアイテムを、お店の情報と共にお伝えできればと思う。 ベルリンの最高な文具店「LUIBAN」さ

日本の文具屋が10日間、ドイツとスイスを100km歩いてきた話

「もう一度日本食が食べたいの」 それは私がまだ大学生の頃。 2006年のドイツワールドカップ関連のイベントのお手伝いで、ドイツに初めて一人旅に行ったときのことだった。 現地でショートステイさせていただいたドイツのご家庭で、滞在最終日にお父さんと娘さんの口論が始まった。 ドイツ語もわからず、その様子をなすすべなく見守っていた私に、お父さんが説明してくれたのは「娘が日本に留学したい」というので話し合っていることを英語で説明してくれた。 ただ、その理由は日本語の勉強や日本文化