TakLog-20200305-0326
3月はDig The Lineの紹介からマイクロブリュワリーの海外トレンドを眺めるような放送でした。国内も近年流行っているので法改改正周りを含めて調べてみました。
2020/03/05 「ヨーロッパからみるマイクロブリュワリー最新事情」/大東赳彦、本間浩揮
2020/03/12 「クラフトビール ブームの先にあるもの」/大東赳彦、本間浩揮
2020/03/19 「クラフトと世界を線でつなぐ〜Takramとクラフトビールのボトルとバー」/ ジョナサン・メッシ、太田 真紀
2020/03/26 「【消費の時代】から【表現の時代】へ〜【シェア】と【パッション】から見る社会変化」/ 渡邊康太郎
2020/03/05 「ヨーロッパからみるマイクロブリュワリー最新事情」
昨年末に参加した「FIORIOGRAPHY」のイベントで、振るわれたビールが気になっていて、会社の忘年会と新年会の幹事になったため、渡邊さんにダイレクトメールし、本間さんに繋いで頂き、会社と親族周りに配りました。
本間さんが大盤振る舞いで1ケースを戴いて、年末から飲み切ったタイミングで、そのお礼を番組宛にメールした直後にこのツィートが、あまりのタイミングの良さにびっくりしました。
会社で配布した際の感想は、完全に分かれました。
酒好きでワインを飲み慣れている人は美味いと感じるが、酸味が強いので、甘いお酒を想像し、いわゆる缶チューハイ的なイメージで飲んだ方は、あまり美味しくないという結果に。
ただ、ビールとラベルから想像する味と、実際に飲んだときのギャップが評価の幅に現れているけど、インパクトと話題性は十分ありました。
で、クラフトビール関連を調べていたら「ビール女子」なるサイトを発見する。かなり充実したサイトで、ブームの流れを体感することができます。
そして、仕事のFileMaker界隈の事例だと「ヤッホーブルーイング」が有名ですね。名前が面白くて、気になってはいましたが、事例でビールサーバーで利用される生樽の管理をFileMakerを行い、生樽の紛失が無くなったいうエピソードがあります。
FileMaker界隈が面白いのは、いわゆる会計的なデータ以外の部分を管理する業務アプリの構築ができることです。そこが会計周りのみのアプリと異なる点でユニークだし、それが強みかと。
本題に戻ると、放送でも紹介されていたプレス向けイベントのレポートは下記でご参考。「Brewski」のMarcus Hjalmarsson、熟成されたワインのようなビールを作る「Tommie Sjef Wild Ales」のTommie Koenenと、新風館についても紹介があります。
「Brewski」についてはこちらでも紹介されています。飲み比べができるアソートセットが3,000円から5,000円であったら、即ポチりそうですね。
2020/03/12 「クラフトビール ブームの先にあるもの」
会社の資料を作る際もですが、新しいサービスが導入される際に社会的なレギュレーションが変わっていることがよくあります。それと、業界的なトレンドがあって、そのうねりから頻繁に目にするという流れがあると思います。ということで、クラフトビールのブームの変遷と定義を調べてまとめてみることに。まずはブームの変遷を。
「クラフトビール」とは、「手造り」とか「手工芸品」という意の「クラフト」(Craft)とビール(Beer)をあわせた言葉で、欧米など海外では小規模醸造者の造るビールを表わす呼び方として定着しています。
そうしたことからも、レベルが高い海外のブルワリーに近づいたということから、従来の品質にバラツキがあった頃の「地ビール」に対して、「高品質」、「本当に美味しい」という形容詞のつくビールのことを「クラフトビール」と呼ぶようになってきたのかもしれません。
地ビールのはなし
http://beer-cruise.net/beer/OverView.html
続いて、全国地ビール醸造者協議会(JBA)から定義はこんな感じ。
1.酒税法改正(1994年4月)以前から造られている大資本の大量生産のビールからは独立したビール造りを行っている。
2.1回の仕込単位(麦汁の製造量)が20キロリットル以下の小規模な仕込みで行い、ブルワー(醸造者)が目の届く製造を行っている。
3.伝統的な製法で製造しているか、あるいは地域の特産品などを原料とした個性あふれるビールを製造している。そして地域に根付いている。
1.「クラフトビール」(地ビール)とは
http://www.beer.gr.jp/local_beer/
そして、帝国データバンクのレポートで裏付けを。
2016年9月時点では、現在のような盛況な状況ではないことがみて取れますが、総括のコメントでは、地道な努力を行うメーカーの躍進を示唆するコメントがあります。
抜粋:
・94 年、細川内閣の規制緩和の目玉として酒税法が改正され、クラフトビールのメーカー数は 2000 年代初頭に 300 社を超えた。
・町おこし、村おこしの目玉として起用され、安易に参入した業者による品質の急低下、割高な価格、その当然の結果としての消費者離れが失敗の要因だった。
・消費者が成熟、嗜好が多様化するなか、クラフトビール もまた、ひとつのジャンルとして受け入れられつつある。
・地道に経験を蓄積してきたクラフトビールメーカーの醸造技術は、かつてとは比較にならないほど進歩した。
・不断の努力を続けるメーカーとそうでないメーカーとでは、同じ“クラフトビー ル”であっても似て非なるものとなっている。安易な参入業者は、やはり今回も淘汰されるだろう。
とはいえ、200 社以上が味や香りで競い合い、“宝石箱”とも形容されるベルギービール、また 近年、首都圏のビール専門店などが輸入、樽生の取り扱いを始めた米国産などと比べると、国産クラフトビールはまだまだ改善の余地があるという。彼らの飽くなき向上心にエールを送り、一 層の奮起を期待したい。
特別企画:クラフトビールメーカー166 社の実態動向調査(2016/09/01),P6
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p160809.pdf
直近だと2018年8月で、2017年に再度、酒税法改正がありビールの定義が変更となり、種類の多様性が増える結果となったようです。
2017 年の酒税法改正で安売り規制が強化されて値上げが浸透、2018 年春には麦芽使用比率 67% のビールの定義が変更され、果実や香辛料などのフレーバーを副原料とした多様な商品開発ができるようになった。
〜 中略 〜
ビール系飲料の中でも高価格帯に位置し、個性的な味わいを最大の差別化ポイントとするのがクラフトビールだからだ。この数年間の知名度向上、存在感の高まりはメーカー各社の企業努力の賜物だろう。
特別企画:クラフトビールメーカー141 社の経営実態調査https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180803.pdf
後半の本間さんが語るビールの役割がとても示唆に富みますね。
一昔前だと、上司と会社帰りにノミニケーションと称してビールを飲んでいましたが、それはビールに意味があるのではなく、コミュニケーションを円滑にするツールとしてなのかと。
でも、クラフトビールの登場によって、役に立つもの、ツールから意味のあるものに変わったのでは。
また、渡邊さんがコンテクストデザインのサインと一緒に書いてもらった一言も良いですね。
ビール越しに目を合わせましょう。
作り手の想いや、お祝いや記念日にちょっと良いものを。二人にしか共有できないコンテキストを生むツールとしてのビールも面白いでしょうね。
2020/03/19 「クラフトと世界を線でつなぐ〜Takramとクラフトビールのボトルとバー」
ジョナサンメッシが初登場し、英語が乱れ飛ぶ展開。カオス感が面白い。デザインが明らかにアルゴリズムで作成されているものがあるという話が面白い。
AIが台頭することで、デザインのプロトタイプの方法論が変わるかもしれませんね。となると、コンピュータが作った案に対する人間の審美眼が、ますます求められることになります。
3月の放送で、常に本間さんが熱い人であること終始わかるのですが、プロジェクトで一番の盛り上がりポイントのクラウラーはこれですね。わかりやすい動画があったので気になる方は是非。
なるほど。クラウラーで、ビールを持ち帰るが可能になるということみたいです。そして、これをみて思い出したのが、アサヒビールの工場見学で、子供等はカルピスだったのですが、大人はあのスーパードライの出来立てを飲めるのです。これは、びっくりするくらい美味かった。鮮度の違いって、ここまで違うのかと驚きました。
クラウラーについては下記の記事が面白いです。
にしても、人間の創作意欲というようか、持ち帰ってでも飲みたいという欲求を叶えるための動機というか、行動力って凄いなぁ、としみじみ思いました。
2020/03/26 「【消費の時代】から【表現の時代】へ〜【シェア】と【パッション】から見る社会変化」
冒頭の辞書なしで本を読むリディア・デェビスのエッセイが気になりますが、検索しても元の記事がわからなかった。
世界一孤独な静かな冒険譚なのかもしれない。
言わば言葉の原生林を道標なしに歩く事。
読書という孤独で知的な旅はかくもスリルに満ちている。
とりあえず、キーワードを並べてみることに。
・ゴーストレストラン:場所を持たないレストラン。
・アンデルセンホロビッツ/VC
・ギグエコノミーから パッションエコノミーから
The Passion Economy and the Future of Work
https://a16z.com/2019/10/08/passion-economy/
・三人に一人が関わっている。
・ギグエコノミーの問題点:ロンドンでUberの免許を取消。
・個人の情熱、特技をデジタルでエンパワーメントし、ビジネスができる。
・モチベーション革命/尾原和博
https://www.flierinc.com/summary/1412
・物欲なき社会/菅付雅信
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/46054
・乾いた世代:所有したいけど所有できなかった世代
・乾けない世代:十分なものがある世代。38歳前後。意味合い、人間関係を大事にする。
・スペンドシスト(プレジデント社、2017年):22歳以下、80%が以前よりも安いブランドを購入。
・ジレッドシュア:浪費するアメリカ人
キーワードが多いですね。あと資本主義の問題点から課題まで広大に展開されていきますが、ここで大切なるのはコンテクストデザインの趣旨かと。
一人一人が今まで押し殺してしまった小さな声や、作品の種となるアイデアを恐れずに世の中に表出する。
消費者から表現者になっていく。
世の中で、その表現を受けた人が触発され、新たな創作していく。
そういう世の中を期待することがコンテクストデザインの考え方である。
乱暴な言い方ですが、金銭的に儲けるならその時に一番儲かる職場に入って死ぬほど働けば良い。果たして、それが本質的な生きがいになるのかというと、おそらく違うはずです。
この回を改めて聞き直して思ったのは、会社との関わり方、働き方も含めたパラダイムシフトが起こるのかと思っています。具体的には、収入を得る方法をシングルインカムからトリプルインカムくらい幅を持たせるのが面白いと思っています。
1.ライスワーク:生活の資金を得るための仕事
2.ライフワーク:自分がせずにいらない仕事(趣味、嗜好等)
3.サイドハッスル:ライフワーク×ライスワーク
1がいわゆる今の仕事。ここってユニバーサル・ベーシックインカムが制度として保障されてくれば、労働時間と稼ぐ金額は半分くらいで済むと思っていて、そうなったら2のライフワーク以降が大切になってくる。
ただ、ここでいう仕事だから何かを生み出さなければらない、かと言うとそうでもない。要は、他の人の仕事を適切に評価する人も必要になるので、それが言葉による表現するなのか、表現に対する金銭的な評価でも良いわけです。
そして、仕事が好き好きで職場に通うこと、家庭を顧みずに働くことが本人の価値観であれば、それそれで良いことです。ただ、今までは、それしか選択肢がないことが問題なのであって、多様な働き方の選択肢によって、個人の豊かさが、社会の豊かになれば良いことではないかと思っています。