要求と要件について
要求と要件、それぞれ言葉の意味を調べると、下記のように記載されています。
これだけ見ると、いまいちよく分からないという事があるようです。
実際、ソフトウェア開発の現場でもこの言葉を混同している人が少なからずいます。
特に、要求なのか要件なのかは、伝える側が意識しておかないと、コミュニケーションミスが起きやすいです。
例えば、要件を満たした結果、要求が満たせていないなど、本末転倒な事態が起こります。
要求と要件
それでは、要求と要件を例で説明してみます。
この要求を聞いたら、電車で行くとか、飛行機を使うとか、車で行くとか、自転車や徒歩で行くなど、様々な手段が選択できます。でもこれだと要求として弱いので、もう少し要求を明確にしていきます。
こうすると、8時間を超える手段は選択できなくなるので、交通手段が絞り込まれます。
上記は下記のように書くこともできます。
では、要求と要件に書くものをどう線引きするのか、それは、その条件が絶対守るべきものかどうかで判断するのが良いと考えています。
要求は調整できないもの、要件は調整余地があるものという捉え方でも良いかも知れません。
実現可能な要件か?
さて、上記は実現可能でしょうか。
無理そうですよね。
このような場合は要件の整理が必要になるわけです。
要求を分析する
何故、大阪に行こうとしているのか?真の目的を理解するのが要求分析です。
それをヒアリングしていきます。
真の目的は、「USJに行きたい」かも知れません。
この目的を理解する事で、足りない要件がないかなどを分析することができます。
こうなると、要件が足りない気がしてきませんか?
開園時間までに着く必要があるのか、土日なのか、など新たな疑問が生まれてくるはずです。
最終的には、上記のように整理されるかも知れません。
要求分析をしないままだと、15時くらいに着く提案をしてしまって、それだと「USJで遊べる時間が少なくなるじゃないか!」という話になります。
可能な限り、要求の理由、真の目的を理解できるまで、突き詰めてヒアリングしたり考えたりすることが重要です。
まとめ
話を単純化するため、上記のような例で説明しました。
要求が曖昧なままスタートして、成果物が期待に達していない、みたいな話は、ソフトウェア開発の現場でも多く見られます。
最悪のケースだと作り直しみたいな事態に陥ります。
顧客がちゃんと要求を伝えないのが悪い、というベンダーの言い分も分からなくはないのですが、要求を引き出す・理解するのも大事な仕事です。
これはお互いにとってプラスしか無い話なので、やらない理由はありません。
要求分析は、「何故?」と問い、本当に要求元がやりたいこと、得たい結果は何なのかを理解しようとすることから始まります。
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