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ついにアカデミー賞も受賞してしまった海外でも快進撃!「ドライブ・マイ・カー」見た

ドライブ・マイ・カー/2021年製作の映画
鑑賞:2022.9.28 記事公開:2023.5.10
監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介、大江崇允
原作:村上春樹

気にはなっていたけどようやく見れた。村上春樹は1Q84くらいまではだいたい読んでるはず。初期の「ハードボイルド・ワンダー〜」くらいまでは何度も読んだくらい。ドライブ・マイ・カーの原作は未読。


映画はかなり良かった。
素晴らしい。ちゃんとしたいい映画を見終わった満足感が嬉しすぎる。

普段ハリウッド的な映画話法(間口を大きく取るために作品のテーマを世界平和や人権、家族愛のような大きな括りを設定して、作中人物の個人へフォーカスしてゆくようなアプローチ)に慣らされていたのか、今作のような極めて個人的なあり方から映画(もしくは物語?)が作られているのが新鮮でよかった。
編集スタイルも物語に寄り添っているし、日本映画では珍しく画面が良い。構図は気持ちがいいし色調やトーンも綺麗で、丁寧に撮られている感じが伝わってくる。日本映画でたまにある「何言ってるか聞こえない」ことも無い。キャストもみんな良くて、芝居のキャストもかなり魅力的だった。特に良かったのは、手話の韓国人と台湾人。メインキャストももちろん良かった。

芝居の感じや台詞回しは独特だけど、良さを阻害してるようには感じなかった。だからといって良さに繋がっているかはわからない。そもそもお話の題材が“芝居の仕方”なので、見ているうちに芝居に対する思考が映画と劇中劇で重なったりして面白い。

岡田将生さんの役柄は、春樹作品のいわゆるワタヤノボルポジションだろうか。なるほど存在するとしたらこんな感じかと妙に腑に落ちた。

原作通りなのかもしれないけど、登場人物が滔々と語るシーンが多い。映画なのにアクションではなく台詞でお話を運ぶというのは、映画という媒体の利点を活かせないという考え方があると思うが、本作では、役者の顔をずっと撮っている台詞だけで物語が大きく展開をしてゆくところがいくつかあって興味深かった。岡田さんが車の中で奥さんが話す話の続きを語るところとか。

お話の作られ方も面白い。近年見た中では洋画邦画を込みでかなり良い作品だった。
原作は……、どうしよう。

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