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楽しそうなビジュアルに、あの楽しい「パディントン」のポール・キング監督で楽しみが止まらない!「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」見た

Wonka / 2023年
鑑賞:2023.12.15、記事公開:2024.1.3
監督:ポール・キング 脚本:サイモン・ファーナビー、ポール・キング、サイモン・リッチ

予告編がやたらと楽しそうと思ったら、監督がパディントンシリーズのポール・キングさん!
絶対見る!鼻息も荒く意気込んでいたけど年末のスケジュールが不安定!IMAXが間に合わなかったナポレオンの反省を活かして週明けに早速劇場へGO!

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ネタバレアリ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ティム・バートンはファンなのでデップ出演作は見てる。ロアルドダールはゼメキスの「魔女がいっぱい」が面白くてびっくりして以降ちょいちょい読んだ。奇妙なお話運びや世界観のオリジナリティに痺れた。

予想に反して楽しい家族映画

映画は最高だった。
ティモシー・シャラメの良さが相変わらず微塵もわからないのに、これだけ楽しいんだからシャラメ好きにはさぞや楽しかろう。羨ましい。ティム・バートン版や予告編の先入観からエキセントリックなウォンカをみんなで愛でる流れかと思ったら、仲間と一緒に問題に立ち向かう展開で意外。ウォンカはやっぱり奇矯で孤高だけど、頼もしい仲間がいて寂しくなくて心から楽しめた。

映画は子供向け的なミュージカルだったのを知らなかった。ウイリーがいきなり歌い出しちょっとびっくり。やはりバートンのイメージに引っ張られてた。音楽はサントラが欲しくなるほど印象的な感じはしなかったけど、要所要所ではやはり盛り上がるし多幸感も味わえる。風船で飛び上がり屋根の上で踊るシーンや路上での幾つかのシーンなどテンションの上がるシーンも盛りだくさん。1番好きだったのは警察署長買収シーン。曲というか、買収という腹黒さと買収をチョコで行う可愛さのギャップが良かった。悪役3人の笑顔も何故かワクワクしてとても魅力的だった。みんなおじさんばっかりなのに。自分がおじさんだから?

やっぱり脚本力が高いのでは?

作品のビジュアルも文句無しに素敵だったけど、際立つのはやはり脚本の出来だと思う。シンプルだけど密度は高い。不快な要素も楽しく見れるようになっているのが凄い。警察署長が短期間に太ってゆく様子も怖いっちゃ怖い
のに楽しい。残酷なハズの事象が楽しく伝わるロアルド・ダールテイスト。登場人物も相変わらず魅力的で、隅々まで雑に扱われてる人が少ない印象。監督は舞台出身だろうか。

ちゃんとダール味あり!

良く考えると不思議なリアリティも面白かった。何でもアリのウイリーなのに上手く行かなくてトラブルに合うバランスが独特で納得もできるのが面白い。児童書ならではだろうか。主眼が「仲間たちと頑張る」にフォーカスされ続けているから気にならないのかな。

チョコを食べると電話を掛けたくなる守衛のアイデアなど、一面白で終わらせず、二点三点と追加得点に繋げてゆく執念深さは見習いたい。

ポール・キング組の今後が楽しみ

キャストはパディントンシリーズからの役者も多く、パディントンの続編を見ているような気がしてしまうくらい。
オリビア・コールマンも今まではオスカー女優がやる役では無さそうだけど、もう本当に宿屋の嫌な人にしか思えないし何より楽しそうで良かった。
サリー・ホーキンスはお話の流れ上出てきたら泣いちゃうんだろうなと構えてたのに出てきたらやっぱり泣けた。お母さんの出番は少ないけれどもちゃんと存在が積み上がってる。
Mrビーンを経た身としてはローワン・アトキンソンの破壊力が半端無い。どうしてもとんでも無いことをやらかしそうな不安に駆られてしまう。が、劇中ではもちろんちゃんとしてた。役にはバッチリハマっててさすが感。

ポール監督は、パディントンで原作ファンも新規のお客さんも満足させ興行的にも結果を出すという手腕がやっぱりすごい。昔からあるコンテンツの権利を持ってる会社からすると救世主のように見えると思う。
今作も楽しかったので、ぜひ成績を残して次に繋げていただきたい。

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