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長瀞とろとろ春の一日

ライン下りの小舟が出発する。
快晴の4月、桜も満開。
私は長瀞の岩畳の上から川を眺めていた。
一人である。

ひとりなる わが身の影を…

シティガールなRが乗り換え電車を間違えた結果、1時間以上もの大遅刻をする破目になったのだった。
焦燥のあまり一気にやつれてしまったRの顔写真がスマホに届く。
かわいそうに。私は大丈夫よ。一人旅慣れてるからね。
 
気ままに岩畳を散策。そこここに池のような水たまりがある。
しゃがんでのぞきこむと、すごい大量のオタマジャクシがいた。手をつっこむ。柔らかいオタマジャクシたち。
(※※オタマジャクシ画像注意※※)

かわいいねえ おもしろいねえ
(なおRはオタマジャクシにさわれない……)

 岩畳で本を読んだり散歩したりするうちに、ついにRが到着、スライディング土下座。苦しゅうない。ちこうよれ。
ちょうどライン下りの舟が出発する。いざ乗船!

私たちもあれに乗るよ!

一人旅に慣れている私が、長年気になりつつも二の足を踏んでいたのが、この長瀞ライン下りだった。
いや、一人でも全然いけるんですが。でもなんかさ。なんとなくさ……
……ということで、元理科教員で自然の造形に興味がありそうなRと来た。
初のライン下りは、爽快だった。思ったより流れは速い。岩と岩の間をすり抜けるような場面も。
「シートをあげて!」船頭さんの指示で船側のビニールシートを持ち上げる。水しぶきがかかるのだ。
明るい空の下、私たちは春の長瀞まっただなかを滑っていった。

けっこうエキサイティング!

(なお下船時、私の足があまりに短すぎて周りじゅうの大人が心配そうに(無事下りられるのか?)見守っていたとRは証言したが、まさかそんなバカな)
 
ライン下りをすると当然、出発点からだいぶ離れたところに来てしまうのだが、バスで元の場所に送ってもらえる。バスは桜並木を走っていった。なんて素敵な日だろう。
バスを降りると、ちょうど長瀞駅にSLが停車していた。すぐそばまで見に行く。
「すごい煙」
「環境にはどうなのか」
「ダメでしょ」
SLは土日に一日一往復しかしないらしく、たいへんレアな場面に行きあった。

桜とSL

お昼は豚みそ丼。土曜日なのでだいぶ待ったけど、おいしかった。私は豚3枚。Rは2枚。

よおーーーし!

宝登山ロープウェイへ。
4月半ばだが暑い。陽射しが強いこと。
Rはオゾンホールが修復されたので紫外線は昔よりましになっていると言う。そうなのかあ、と茶ぶどうはかわいく素直に相槌を打った。
(しかし後日調べると「昔より紫外線量は増えている」と気象庁。Rは気象庁と日焼け止め業界の癒着を疑っている)

春だねえ

ロープウェイに乗るとあっというまに山の上。しばらく歩くと宝登山小動物公園。入るとちょっとした人だかりがあり、「モルモットの橋わたり」が始まるという。どれどれ。
係員「今日デビューの子もいます! 応援してあげてください!」
いざスタート!

マッハGO! GO! GO!(古すぎる)

おりこうさんに巣箱にゴールインするもの、走り出したものの途中で「急停車」するもの、なぜか踵を返し逆走をキメるもの。
子連れの家族メインの観客たちは、にこやかにモルモットたちを見守った。
「さあ、今日デビューの〇〇ちゃんです!」
おおお。いけるか? いけるか? ……あっいけないなこれ
デビューを快走で飾ることはできなかったが、その子もいずれは先輩たちを見倣って、ふつうに橋渡りできるようになる、そういうものなんだそうだ。すごいね。でもいいんだよ、存在しているだけで素晴らしいんだからね。
 
その後、モルモットふれあいタイムに参加したり、ヤギや猿にエサやりをしたり、カメがエサを飲み込む様子をおもしろがったりして過ごした。
茶「ほら! 喉動いてる!」
(↑Rいわくこれを私は1分弱の間に数回リピートしたらしい 子どもか)

RはあんずTシャツを着ている私がすごく見たかったらしかった
理由はRと私自身のために秘しておく
エサやりを満喫するR
ぐぐぐっと喉を動かしてエサを飲み込んだ亀

ロープウェイで宝登山を下り、電車で秩父駅へ。Rが前から来たかったという「祭の湯」に入った。
土曜の夕方、けっこう人がいて特に寝湯はなかなか空かず。でも粘り強く私たちは待ち、隣同士並んで寝そべった。無防備で平和なひととき。
 
祭の湯には広いフードコートもあった。
秩父といえば、わらじカツ丼。私は勇んで注文した。しかし昼過ぎに食した豚みそ丼のこともあり、完食はならず。無念。年齢を感じる。
「昔は おなかいっぱいになってから30分たったら もう次が食べられたのに」と謎のアピールをする茶ぶどうであった。(なぜ大食いを誇るのか)

みそポテトも食べたせいだったな!
(Rが残りを食べてくれました)

ラビューのお金をRが出してくれて、西武秩父から帰途についた。私を窓側に座らせたRは、世にも珍しい木の実を手にしたシマリスのようなしぐさで、私の右手をつぶさに調べていた。
 
春の日の、あれはいい一日だったね。
 

夜桜も 素敵だったね


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