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20200923 穏やかに週明け

連休明け。
皆様お疲れでした。世の中はコロナを気にしない4連休という印象だったでしょうか。
この結果が出るのは来週でしょうねえ。
週明け早々さらっと振り返ってみます。

午前

【朝カンファ】
・超高齢患者の腸管出血性大腸菌感染。ベロ毒素産生しておりましたが、全く持って関連する病歴が聴取出来ず。症状は、頻回の血性下痢。伴う腎機能障害は腎前性と思われました。疑うポイントとしては結腸全般に及ぶ全周性壁肥厚。ということで、腸管出血性大腸菌の病歴や画像所見のレビューを確認してみることに。参考文献は例の如くStatPearlsです。

・まずは、疫学情報と臨床症状から。米国のデータでは、食品媒介のO-157感染は年間63000人、死亡や入院2100人以上と言われています。日本からのデータは感染症研究所のホームページ参照ですが、基本的には年間3000-4000人の患者が発症し、夏場に多い事、年齢分布は若年層が多いものの、高齢者もそれなりの頻度であり、高齢者ほど有症者割合いが多いことが明らかになっています。

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HUS合併は有症者の3.1%と言われ、かなり稀な感染症ではあります。また、O-157以外にもベロ毒素陽性株はありますし、そおそも便培養での検出は3-4割に留まり、ベロ毒素検出もしくは血清診断で確定診断されています。この血清診断は、国立感染症研究所細菌第一部で受け付けている模様です。

・画像診断の特徴はあまり明記されていませんでしたが、右側結腸優位の壁肥厚が特徴と報告されていますが、回盲部〜左側までび漫性に拡がる壁肥厚の所見もしばしば認められますし、報告もありますね。

【午前予約外外来】
・アルコール依存症の方のメンテナンス外来。色々なタイプがありますが、今回は断酒が年単位で継続できている方です。薬物療法以外でどんな介入があるか、一応確認してみました。

・今のところ報告されているのは
【動機付け面接】
【ブリーフインターベンション】
【認知行動療法】
【住み込み治療】
【自助グループ】

あたりでしょうか。どれが、特別良いとかはありませんし、個人個人で合う合わないはあるでしょう。

・この資料「薬物依存症者をもつ家族を対象とした個別面接の進め方」はとても良い資料でした。これの基本は動機付け面接でした。

・冒頭の7つの基本姿勢が大変重要でした

▶家族を責めたり批判したりしない
▶これまで様々な努力をしてきた家族に対して経緯の気持ちを表す
▶「自責の念」にとらわれすぎず、「希望」をもち未来のために行動できるように働きかける
▶薬物依存症という病気や家族関係など、現状を正しく理解できるよう支援する
▶回復のために効果がない関わりを減らし、効果のある関わりを増やせるよう支援する
▶共に支援計画を作成し、適宜見直しながら、継続的に支援を行う
▶家族及び本人が利用できる地域資源についてよく理解しておく

午後

【昼カンファ】
・今日は劇症1型糖尿病患者についての話題でした。劇症1型からDKAを発症している状態で、DKAの基礎病態に思いを馳せるという話題。

・まず歴史的には劇症1型糖尿病という概念は日本で発見・確立された概念とされています。一度national surveyがされていますが、なんと!1st authorはよく知っている先生でした!161人の劇症型と137人の自己免疫型を比較していますが、劇症の特徴が興味深いです。

・目立つものとしては、症状出現までの時間。劇症は 4.4日で自己免疫は36.4日。HbA1c平均は6.4% vs 12.2%。劇症では感冒症状の先行が多く、非特異的な腹部症状があります。

【その他】
・週末を経て熱発した職員の対応。皆様いろいろ出かけております・・・当院は問診票でリスク層別化しているのですが、結構それなりのリスクに鳴ってしまう行動歴でして・・・結局PCR対応を〜ということに

・皆様、くれぐれもお気をつけ下さいませ。


ということで、今週は短縮バージョンですが、お付き合い下さいませ。
色々あって、急遽明日当直へ〜。




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