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20201013 あなたのおかげです

今日はず〜っと黒雲出てたんですが、結局雨降らず・・・
火曜日って訪問日なんですが、こういったことが多いです。
(※写真は熊本地震の支援に行ったときの益城町の仮設住宅です)

午前

【朝カンファ】
・今日はスタッフミーティングだったんですが、糖尿病や高血圧患者の大血管疾患スクリーニングについて。話題に出たので一応確認してみました

・以下はADAの糖尿病に関して毎年出ているsummaryの2020年版です。


・Screeningのところでは、
▶「無症候患者でルーチン検査は推奨しない」が推奨度A
▶「非典型的な心臓症状・頸動脈雑音・TIA・脳卒中・跛行・PAD・心電図異常では考慮する」が推奨度E

なのですが、これも質の高い根拠が無いのが現状です。

・日本からは循環器学会と糖尿病学会が合同でステートメントを出している様で、大血管疾患のスクリーニング推奨で、年1回の心電図とかを勧めたりしてますが、残念ながら根拠はありません

https://www.j-circ.or.jp/old/topics/files/jcs_jds_statement.pdf


【午前回診】
・最近病棟回診が、認知行動療法回診みたいになってます笑。毎回ネガティブな訴えが出てくる患者さんとの対話。評価ではなく事実の確認。You mesasgeではなくI messageで、などの話題が出ました。

・もう一つ興味深かったのは、病名理解の話。専攻医が、”褥瘡”について病名を伝えて、そのまま急いで今後の方針などについて説明しました。ひとしきり説明を聞いた後で、

「褥瘡って何だか分かりますか?」

と本人に聞いてみると、「わかんね!」だそうです。ということで、もう一度最初から説明。「床ずれ」と言葉を言い直しながら、理解度を確認して説明します。医療者の言葉はやはり難しすぎるんだと思います。是非かみ砕いて、teach back法など理解を確認しながら話を進めていきましょう。細かいところだけど、ものすごく大事なポイントでした。

午後

【昼カンファ】
・今日は論文抄読会。病状説明があって、前半しか参加できませんでしたが、最近のNEJMの虫垂炎治療のRCT CODA trialをレジデントが読んできました。今回も抗菌薬投与が切除術に非劣性だったという報告で、これまでも同様の報告が結構出てましたね。この手の研究はcrossoverが結構多いのも注意が必要です。今回は約30%が手術に移行しています。

・気になるのは合併症頻度で、今回は意外と抗菌薬群で合併症が多かったとのこと・・・悩ましいですね。

Pseudo-Ludwig anginaってご存知でしょうか?CCJMに掲載されていた、抗凝固薬の過延長状態の合併症。気道緊急症のひとつとして覚えておきましょう。

・これも話題のメタボリック検診の評価を行った後ろ向き観察研究。体重減少効果はごくわずかで持続性がなく、その他の心血管リスクも減らないという結果に・・・興味のある方はお読み下さいませ。

【午後訪問診療】
わずかな黄疸に気付ける在宅チーム凄いなあ・・・という話題。正直私たちから見ても気付けるかどうかというレベルの黄疸をDS職員さんが見つけてくれました。採血ではT-Bil 2!とはいえ、確かに総胆管結石が・・・すごいなあ。こういったチームは凄い!

・DSに初めて行ってみたという90代後半女性。最初は本当に嫌がっていて、娘さんは勧めるけど、無理だったらやめてもいいよ〜といいながらお試しで行きました。そしたら、ものすごく楽しかったと!無理矢理送るの動かなあと思ったけど、娘さん達は本人の性格も見越していたみたい。良い笑顔でした。90歳超えて新しいことにチャレンジできるの素敵。チャレンジ内容は「玉入れ」でした笑

・論文化した患者さんご本人に報告。学会報告と投稿の前に同意を頂いていたのですが、今回初めてご本人に見てもらいました。「あなたのおかげで報告できました〜」と、スマホ普及して目の前で検索して見せられるのって凄いですね!今度きちんとした紙に印刷してプレゼントすることに。面白い時代です。


ということで、振り返り終了。
今日は早めに終わったので帰ります!(`・ω・´)キリッ

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