“My Love” by Paul McCartney and Wings を聴いて思い出したこと
「ひとりデニーレイン追悼特集」をやっていたら、色々な思い出が胸に蘇ってきた。
ウィングスを聴き始めて、ちょっと古めのビートルズサウンドから「モダンな音」に心ときめいた。
中学生の頃きいた音楽は、今より150倍強く脳髄に染み込んでいる。
Red Rose Speedway はウィングスの2枚目のスタジオアルバム。1枚目の Wild Life 同様わりと地味目のレコードだ。
ポールとしては2枚組で出したかったそうだが、レコード会社EMIの進言によりシングルLPになった。
後半のメドレーはAbbey Roadを彷彿とさせるし「ポールはメドレーが好きなんだ」と思っていたが、たくさんある曲を1枚に収める苦肉のアイデアだったんだなと、今更ひとり納得。
これが2枚組だったらシングル Live and Let Die も必ず収録されていただろう。
セール的にも地味な結果だったらしいが、私個人はとても好きなアルバム。オープニングの、ちょっと弾けたナンバー Big Barn Bed が終わって、静かにスーッとイントロが流れてくる My Love へのつなぎは絶品。
この曲に出会ってから約25年後、私はアメリカに移り住み、テレビでウィングスのアルバム「Wingspan」の特集番組を観ていた。
そこでポールが「実は ”My Love” の間奏(リードギター)は全然違う感じだったんだよ」と暴露した。
え、そうだったのか!
間奏のリードギターのソロは、このアルバムだけでグループを去ったHenry McCulloughによるもの。
ポール曰く「レコーディング前日のリハではまったく違うメロディーを弾いていたヘンリーが ”こんな風に変えようと思うんだけど、どう?“ってきかせてくれたんだ。きいてすぐ “それいいじゃん” って言ったよ」
ああ、私の大好きな、あのリードソロにそんな裏話があったなんて🥳
あの、ちょっと物足りないほどシンプルなフレーズ。音数の少ない、余白多めのメロディーが私の神経を隅々まで刺激する。
個人的に、歴史に残る名演だと思っている。
⬆️の公式PVではヘンリーのいぶし銀のソロのほかに、デニーがベースを弾くシーンも見られる。
ポールがピアノで弾き語りをするときは、デニーがベースを弾くことが多い(のちの Wings Over America Tour 映画ではリードギターのJimmy McCulloch がベースを弾くシーンも見られる)。
デニーはライブでもレコーディングでもギター、ベース、ピアノを担当してウィングスには欠かせないポールの右腕的存在だったんだと改めて認識した。
超ロマンティックなこの曲だが、最後にポールがお茶目なポーズで締めるところが微笑ましい。
リンダとヘンリーに続いてデニーも去ってしまったが、美しい音楽は永遠にわれわれの心に❤️
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