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製品染めの魅力




blogを書くなんて、実に何年振りでしょうか。


中学生の時にも「fashion」をテーマとして
アメーバブログを開設して、その当時ハマって
いた洋服についてひたすら書き殴っていました。


思えば、アパレルという職業に携わる前から「fashion」、「洋服」、というものに既に魅了
されていたのかもしれません。


そのブログから約10年の歳月が流れ、
その頃に書いた記事に比べるともっとマニアックなモノになるのではないかと思います。


もはやブログ1発めのタイトルが
「製品染め」だしね…笑




製品染めとは



布や革というのは、何もしていない真っ新な状態の時に水や染料を通すと「縮み」が発生します。


通常お洋服は先に生地を染色をして、あらかじめこの「縮み」を発生させ、アイロンなどで綺麗に生地を真っ直ぐに伸ばした状態で縫製し、製品の形にしていきます。
こうして作ることによって、製品として完成した時にサイズのズレや縮みによるヨレを無くし、さらに色ムラを防いでいます。


製品染めというのは全くその逆です。
読んで字の如く、製品として完成した後に染色
加工を施していきます。
当然ながら縮みも色ムラも起こります。
しかしその縮みと色ムラがなんとも言えない風合いを醸し出すのです。



製品染めの作品



製品染は特にアルチザンと呼ばれるファッションブランドの商品に多く見られます。

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例えばこのブーツ。
【Carol Christian Poell】というブランドです。
object dye(オブジェクトダイ)、
すなわち製品染めを世界で初めて行なった
ブランドとも言われています。


製品として完成したのちに、染料を入れた樽の中に商品を入れて煮染めながらゆっくりと回す。
そうして染めあがった製品には不均一な色ムラ感や捻れが生まれます。
さらには金属部品も一緒に樽の中に入れるので、まるで何年も使い込んだかのような黒ずみや酸化によるテクスチャーも生まれます。



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こちらは自分が所有している【guidi】という
ブランドのジップアップブーツ。
こちらもpoellと同じくobject dye。
1枚のレザーを斜めの円筒状にして作り上げた
ブーツなので、製品染めの捻れもさることながら
経年変化による捻れや履きジワの存在感が凄まじい一足となっております。

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最近ジップの部分が気に入っています。
銀色の部分を残し、サビとも違うobject dyeの
商品を履き込んだ者にしかわからない味わいを
出してくれています





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この作品は製品染めの中でもかなり強烈な存在感を放っていると思いました。
製品染めという言葉を知る前に魅了されていた
ブランドで名を【incarnation】といいます。


日本のBACK LASHというレザーブランドから
単身独立されたブランドで、独立されたのちに
イタリアにてアトリエを構えています。

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この革の捻れた感じや、色ムラの感じは
BACK LASHの荒々しくもどこか艶めかしい
レザーの質感を思わせます。
そしてオーバーロックステッチやハイネック、
アルチザンブランドでもお馴染みの手法を駆使
して仕上げた作品となっております。
「カッコいい」の言葉以外見つからないですね



最後に




初っ端からだいぶマニアックな内容に。笑
製品染めの魅力が少しでも伝わっていれば
筆者の僕も嬉しく思います。

作者が気が向いた時に投稿されるようなblog
となっております。
皆様も気が向いたらまた読みに来るという。
スタンスであれば嬉しいです。笑


最後までお付き合いいただき、

ありがとうございました。





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