BCGマーケティングの最前線

Arriba StudioとしてYGG Japanに追加出資したこのタイミングで考えるBCGマーケの視点を忘却録がてら残しておこうと思う。これは僕個人の完全なFMラジオ的な結論のないポエムである。

BCGはトークンネイティブ側のユーザーとゲームを楽しみたいユーザーのクロスするポイントにおいてマーケティングしていく必要性がある(?)極めて難易度が高い領域だ。

そしてゲームというワードに魅せられて地雷を踏む人たちはとても多い。(自分含む)

ぶっちゃけ、両睨みは失敗する可能性が高いため、これまでのBCGは前者にフォーカスした戦い方をすることが多かった。

一方で、新しい世代はトークンネイティブな世代となってきていて、両者を相反する存在と決めつけるのは、いかにもおじさん的発想にも思える。(ソーシャルゲームで課金するユーザーが現れた2007年、旧来のゲームユーザーはだいぶ無視されてそれなりに市場が拡大した2010年ぐらいに両者は融合したと記憶している)

それを、少しはこじ開けたのが昨年登場したStepnであり、Stepnのマーケティングの限界を(両者のキャズムを越えようと)自分たちなりに解決した企画が、昨年来いくつかが僕らの会社にも寄せられてきた。

そしてプロダクトのグロースの観点から、いまいちピンと来なかった僕は、そういった界隈の話には結局一社も投資しなかった。(当社はファウンダー3人の全員合意がないと原則出資しない、all or nothingなルールとなっている)

どちにらに力点を置くかは、市場の成熟度とゲームを出すタイミングによるので、ここではそれは割愛する。そんなことよりももっと大切なことがある。

コンテンツの企画やエコノミクスの設計も重要だけれど、その本質は、どちらの側に立つにせよエコノミクスが成立したコミュニティを作ることであるということだ。

コミュニティといえば「密度」(ざわざした、にぎやかさを伴う感覚というか手触り感)であり、結局はないところからサービスを立ち上げる時には初期マーケが重要となる。

最初からエコノミクスが成立する時点で、旧来アンパイであったPonP的な立ち上げは(既存の顧客基盤を持つプラットフォームに寄生しながら初期グロースを行う方法)、寄生するプラットフォームが脅威と見做し妨害されやすく期待できない。

ということで、個人的にネット事業を20年以上みてきた印象では、SNSやマーケットプレイスを立ち上げるよりはるかに難易度が高いと思う。メルカリを立ち上げるより難易度は高い。これは間違いない。

それを「僕らなら解決できます」と若手は全力笑顔で提案してくるから、聞くほうも誠意を持って聞かないといけない。そうしないと失礼である。だからむやみやたら僕は話を聞かないように引きこもりをしているのである。

話を戻そう。

中でも「エコノミクスが成立した」が、ややこしい。少数のユーザーにより高回転で価値流通が起こることで、コミュニティが機能していると錯覚してしまう。ライバープラットフォームはこれに一番近しい領域だ。

価値流通とコミュニティのグロースの共存をどう見ていくのか。これ以上僕の考えを書くとネタバレするので。。。

個人的にはいろいろな山の登り方があると思っているので、多様なケーススタディに立ち会えるのはとてもワクワクする。

企画やトークンエコノミクスの設計やマーケティングパートナーの話より、山の登り方に長けている要素は何か。途中にへばらずに登り続けられるか。他人の登り方を気にして迷子にならないか。それを意識しているチームは案外少ないのだ。

革命の最前線にいると思っているからこそ、引き続きこの分野に立ち合いたいと思っている。

以上偉そうな忘却録でした。

この記事は「投げ銭」記事です。ポジティブにお金が回る仕組みにしてみたいと思いました。記事をおもしろいと感じてくださった方は「投げ銭」をよろしくお願いします。