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ブックレビュー『姑の遺品整理は、迷惑です』垣谷美雨(双葉文庫)

別にそれを「迷惑」とは思っていなくても、遺品整理をしている人には「そうそう!それそれ!」的な面白さはあるはずです。
めちゃめちゃ共感できました。
我が家の場合は、この物語のように家賃が発生しているわけではないですし、処分に手間がかかるややこしいシロモノもそんなに無さそうなので迷惑では全然無いですけど、「まあ、大変ですよね」などと、ちょっと他人事なくらいの距離感で眺めないと片付けの気力が折れてしまいそうには感じています。

いやもうホント、生前整理って、大事。
自分はまだ40代で健康ですけど、身の回りのモノを最小限にするクセを今からつけておかないと、老後、下の世代に「うへぇ」と言わせてしまう……なんてことも考えてしまいます。

ただ、本書は決して「姑、ふざけんな」的な物語ではなくて、遺された人が遺品整理を通して、生前は知らずにいた故人の生きざまに触れていく、ほっこり系小説です。
亡くなってしまうと、もう姿は見れないし声は聞けないけれど、故人と関わっていた人たちから、あるいは遺された物々から、その人のことを「感じる」ことはできるんですよね。そんなところにも共感して、姑を思い出してしみじみしたりも。
遺品整理、心を込めて勤めようと思います。


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