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アブラハム(南スーダン共和国)がTWOLAPSに教えてくれたこと

アブラハムとの出会い

TWOLAPSのチームの根底には、スポーツはトップの選手のものだけでなく、勝ち負け以上の価値があるものだという考え方があります。僕らはスポーツの価値を考え、伝え、また考える活動を繰り返し行っています。

昨年の12月にJICAさん、Get Naviさんとの企画を通じて南スーダン出身のアブラハム選手とマイケル選手に「国を背負って走る意味」をインタビューする機会をいただきました。

2011年にスーダン共和国から独立後も部族間で内戦が続く南スーダン。彼らが走り、オリンピック・パラリンピックを目指す意味は、国を一つにし、平和をもたらすこと。

「私たちが“南スーダン人”としてオリンピック・パラリンピックに出場すれば、部族の垣根を超えて全員が私たちを応援してくれると思います。南スーダンという国が一つになるために、そしてそれが平和につながるように、私たちは国のために走っているんです。」

彼らのことを知る、彼らのことを伝える、彼らのことを支える

自分たちの走る理由よりも深く思い理由がある。彼らの走る理由に少しでも力になれないか。インタビューをさせてもらいながらも、ずっとそんな感情が消えませんでした。

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アブラハムに会わせてもらえませんか

楠(阿見AC)が僕にアブラハムに会わせて欲しいと連絡をしてきたときは本当に嬉しかった。僕がコーチ以外のことを積極的にやるのは、選手の世界を閉ざしたくないから。選手に競技に集中してもらいながらも僕を通して新しい世界を見て、刺激を受けて、競技とそれ以外の活動にプラスにして欲しいから。そんな思いが伝わったんだなと思えた瞬間でした。

楠に、蘭ちゃんも加えたメンバーでアブラハムに会いに行ったのは、3月。そこで、アブラハムと出会った楠と蘭ちゃんは、それまで以上に僕らが走る意味について考えるようになったと思っています。そして、アブラハムにとっても日本にいる選手との交流が南スーダンでオリンピックでの経験を伝える上で欠かせないパーツになったと信じています。

TWOLAPSが思うこと

その後、ミドルディスタンスチャレンジで楠がアブラハムの南スーダン記録をアシストしたり、東京五輪で再会を果たすなど僕らの交流は続きました。

(アブラハムは自然に蘭ちゃんと手を握りプランプランしてますが、僕は蘭ちゃんと手をプランプランしたことないので少し寂しいです。)

アブラハムと交流した楠と蘭ちゃんは明らかに、スポーツの価値について考え、自分のできることを模索し始めました。

蘭ちゃんは、TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT で賞金100万円を手にしたら、南スーダンに学校を建てたいらしい。

楠は、アブラハムが日本で競技を続けることを支援したいらしい。子供たちに世界を知って、走ることの可能さを伝えたいらしい。

僕は、アブラハムのオリンピック出場のきっかけとなった南スーダンのスポーツ大会「国民結束の日(National Unity Day)」をこの目で見てみたい。スポーツの力で部族を超えて国が一つになるのをこの目で見たいし、その支援がしたいと思っている。

走ることに正解なんてない。だからこそ僕らは常にそれを考え、変化させ、行動していきたいと思っている。僕らが走ることが世界の誰かの生きる希望に繋がるかもしれない。そんなスポーツの可能性を教えてくれたアブラハムに感謝と敬意を込めてnoteを綴りました。また会おうね!

おまけ:
アブラハムのオリンピック出場のきっかけとなった南スーダンのスポーツ大会「国民結束の日(National Unity Day)」への参加、走る意味、人々との絆が漫画になりました。4回目にTWOLAPSメンバーも登場するのでぜひご一読ください。


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