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ブーケにまつわる美しいストーリー

「結婚式を挙げられる新婦さんのイメージと言えば?」という質問をされた時に皆さんはどんなことをイメージしますか?

「純白のウェディングドレス」「鮮やかなカラードレス」「厳かな白無垢」など衣装を思い浮かべる方が多いかと思います。

そしてその次にくるのが新婦さんが手に持つブーケではないでしょうか。

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ウェディングドレスにもカラードレスにもブーケは欠かせない存在です。

ブーケを持つと持たないとではそのドレスそのものの印象もそのドレスを身にまとう新婦の印象さえも変えてしまいます。

では、ここでもうひとつ質問。

「どうして新婦さんがブーケを持っているのでしょうか?」

過去に同じ質問をした時の答えとして、

「綺麗に見えるから。」「花嫁さんと言われるから。」「手元が寂しいから。」などたくさんの答えがでてきました。

みんな正解!

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そう言ってあげたいところですが、実は新婦さんが持つブーケには由来があるのです。そしてブーケのように新郎さんの胸元には新婦さんのブーケと同じ花を使ったブートニアというものがあります。このふたつの由来と現代の結婚式で行われるセレモニーがありますのでその説明をしたいと思います。

ブーケの由来

その昔、ひとりの男性が愛する女性に結婚の申し込みをするために野に咲くバラの花を一輪ずつ摘んでいきました。

摘んだバラの数は12本(1ダース)。男性は自ら摘んだバラで花束を作りプロポーズをしました。

女性は男性からのプロポーズを受け入れる証として手渡されたバラの花束から1本を抜き出し、男性の胸元に挿しました。

この物語で男性が作った花束がブーケ、女性が胸元に挿した花がブートニアとなり現代にも受け継がれています。

12の気持ち

さて男性が愛する女性のために摘んだ12本のバラ。

実はそれぞれに意味があります。

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どれをとっても素敵な気持ちですね。ブーケを受け取った女性はこの12の気持ちの中から男性をイメージする言葉をひとつ取り、結婚を受け入れる返事として男性の胸元に挿したのです。

あなたがもし愛する男性に同じ形でプロポーズをされたらどんな言葉をお返ししますか?

ダーズンローズ(ブーケ・ブートニアセレモニー)

これまでブーケとブートニアの由来やその中にある意味などをお伝えしました。

それは現代も結婚式の中でセレモニーとして受け継がれています。それがダーズンローズ(ブーケ・ブートニアセレモニー)です。

ここでは披露宴内で行われる最近よく見られるダーズンローズのやり方をお伝えします。

1.12本のバラの渡し方

ブーケの由来の通りに行うので新郎がバラの花を集める所から始まります。とは言え新郎が披露宴会場を抜け出してバラの花が咲くバラ園などに行くわけにはいきません(笑)

当日のゲストの中から12名を事前に選び、その方たちにバラを持っていただきます。ゲストの方たちには入場口近くに集まっていただきます。

2.セレモニーの説明

これが無くてはゲストの皆様は何が行われているのかがわかりません。先に述べたどういった主旨のセレモニーなのか、ゲストが手にしているバラにはどんな意味があるのかをしっかり説明してもらいましょう。

3.新郎入場

いよいよ新郎の入場です!入場してきた新郎は野原に咲く綺麗なバラを探すように会場を回り、ゲストおひとりおひとりからバラを受け取り、集めたバラを専門スタッフが束ねて花束を完成させます。

4.新婦入場

続いて新婦の入場です。新婦は手には何も持たずにひとりで入場します。そしてゆっくりと新郎の元へと近づいていきます。

5.プロポーズ

花束を持った新郎は新婦の元へと近づき、愛と誓いの言葉と共にプロポーズをします。新婦は花束を受け取り返事をして、バラを1本新郎の胸ポケットに挿します。プロポーズが成立したら新郎新婦は並び、ゲストから祝福の拍手をいただきます。

以上がいわゆるダーズンローズのセレモニーとなります。

さて次は【美しく魅せるダーズンローズ】の方法をご説明いたします。

"美しいダーズンローズ"

先に述べたいわゆるダーズンローズに少し味付けをしてみましょう。   その味付けひとつで何がどう変わるのか。

想像力を膨らまして御覧ください。

➀"美しい"12人のバラのを渡し方

先ほどは12名のゲストが入場口近くに集まると言いましたが、実際のダーズンローズの由来を思い出してみましょう。男性は野原に咲くバラを集めていましたよね?

私だけかもしれませんがおそらく広い野原に咲くバラのなかでより美しいバラを男性は歩き回って探していたのではないのでしょうか?       そうイメージすると次のようになります。

仮に12個のテーブルレイアウトにしているなら各テーブルから代表者ひとりにバラを一輪ずつ持っていただき、そのバラを新郎が披露宴会場内を野原のように歩き回りバラを集める。これで【男性がバラを集める】という形ができます。

➁"美しい"セレモニーの説明

これも必須ですが実際のダーズンローズをこれまで見てきて司会のコメントだけでこのセレモニーの意味をどれだけの方が理解しているのか悩むところです。決して難しいものではありませんが、せっかくならこのセレモニーのことをもっと理解してもらった上で行うとより感動的に映るのではないでしょうか。ならば、

セレモニーの趣旨や由来、12本のバラの意味などを挙式の式次第のようにカードなどにして用意してみてはいかがでしょうか。

例えば12本のバラの内の1本(愛情)を新郎のお母さまに持っていただくとしましょう。するとそのバラの持つ意味は新郎から新婦だけではなく

「たくさんの愛情で育ててくれてありがとう。」というお母さまへのメッセージにもなります。

他にも(努力)なら一緒に部活を頑張ってくれた学生時代の友人や、  (感謝)なら会社の上司にだって当てはまります。ゲストになぞらえた意味を預けることでそのゲストとおふたりとの関係性や手渡された方への感謝も伝えられます。

➂"美しい"新郎入場

そして新郎の入場です。披露宴会場いっぱいに広がったバラの花を一輪ずつ集めて回ります。その時に司会者からそのバラの意味や渡してくれたゲストへの思いなどのコメントを入れるとひとつひとつのシーンに感情が芽生えます。

そして12本のバラを新郎自身が束ねます。先ほどは専門スタッフでしたが由来の中でも男性は花屋にそれを束ねに行ったでしょうか。

おそらく自ら選び摘んだ花を自らの手で花束にしたでしょう。例えその形が整ってなくてもいいと思います。

「愛する女性のために作った花束」ということに意味があると思います。

④"美しい"新婦入場

続いて新婦の入場です。新婦は手には何も持たずにひとりで入場します。そしてゆっくりと新郎の元へと近づいていきます。

この時に新郎の目の前まで行かずに途中で止まります。そして新郎が新婦を迎えに行くというイメージを出してプロポーズをする方がドラマチックになります。

⑤"美しい"プロポーズ

花束を持った新郎は新婦の元へと近づき、愛と誓いの言葉と共にプロポーズをします。新婦は花束を受け取り返事をして、バラを1本新郎の胸ポケットに挿します。

この時に会場内のBGMは無音もしくはインストゥルメンタル(曲のみ)がおすすめです!歌付き(特に日本語)だと新郎の言葉以外も入り込み雰囲気が損なわれてしまいます。                       ※もしふたりの思い出の曲であれば歌付きでもOK!

プロポーズが成立したら新郎新婦は並び、ゲストから祝福の拍手をいただきます。

以上が私が思う"美しいダーズンローズ"のセレモニーです。

最初に述べたダーズンローズと比べて異なる点は、

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物語としてとても素敵なブーケとブートニアの由来。これをただ行うのと意味を持たせるのとではそのセレモニーの見え方もゲストの感じ方も大きく変わります。

ウェディングプランナーは時にウェディングプロデューサーとも呼ばれます。そしてディレクター(演出家)でもあると私は思います。

新郎新婦のしたいことをさせてあげたい。それは皆同じでしょう。でもただしたいことをさせてあげるのではなく、ウェディングのエキスパートとして少しエッセンスを加える提案力を持っていてほしいです。

あなたの提案ひとつでブーケの由来に新郎新婦の人生に残るストーリーが生まれるかもしれませんから💛

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