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ALPS処理水がついに海洋放出!各国から非難の声が出るALPS処理水の海洋放出は果たして?

インターネットで飛び交う、今週1週間のIT・科学・経済のニュースを 独自の視点で振り返る「ITニュースウェブ2023/08/025(第074回)」さて今週は、、、

ALPS処理水がついに海洋放出!各国から非難の声が出るALPS処理水の海洋放出は果たして?


【速報】福島第一原発の処理水 海への放出を開始(08/24:13:07)

処理水に海水混ぜて放出、初回分は7800トンを17日間かけ、濃度毎日測定(08/23)

ついにあの福島第一原発事故による処理水の海洋放出が始まりました。放出の完了には30年もかかるそうです。

【解説】東京電力福島第一原子力発電所の事故等

2011年3月11日14時46分、東日本大震災の発生によって東京電力福島第一原子力発電所の原子炉6機のうち、運転中の1号機から3号機までのすべてが自動停止。同時に全交流電源が喪失。これによって冷却機能が働かなくなり1〜3号機で次々と水素爆発が発生し放射性物質が外部へと放出される事態となりました。

これを止めるための措置としてその後もっとも影響が大きかったものが「使用済燃料プールの冷却のための注水と注水後の汚染水の処理」でした。

汚染水はどのくらい発生しているのか?​

東京電力のQ&Aページによれば、汚染水の発生量は、当初の2014年5月時点で約540m3/日、2020年には約140m3/日まで低減しているとの報告。それでもこれをそのまま海などに放出するわけにはいかず、タンクに貯めることになりましたが、タンクにためるためにも、この汚染水からさらに人体に影響を及ぼすと考えられるさまざまな放射性物質を「多核種除去設備(ALPS)」と呼ばれる装置でできる限り取り除き、それを「処理水」としてタンクに貯めていきました。

タンク内ALPS処理水等およびストロンチウム処理水の貯蔵量(東京電力)

発生から今年で12年。2023年8月17日現在、タンクの量は「1,344,749m3」(準備されている全タンク容量の98%)ということです。また

「多核種除去設備(ALPS)」とは?

多核種除去設備(ALPS)は、いまでは国際的な安全基準を満たせるまでにトリチウムを除く62種類の放射性物質を取り除いて設計で運用されてきています。地上でのタンク貯蔵が限界に来た今、処理水を海に放出、それも安全な状況で、ということなのですが、本当に安全なのかが不明瞭、特にどうしても取り除けない放射性物質「トリチウム」はダダ漏れなのです。

ついに放出の処理水をおさらい トリチウムとは? (08/22)

トリチウムとは(環境省)

トリチウムとは、日本語で「三重水素」と呼ばれる水素の放射性同位体。自然界では宇宙からつねに宇宙線として我々の体にも降り注いでいる放射線。β(ベータ)線という放射線を放出しますが、半減期も10日と短く人体への影響は極めて低いものといされています。

処理水の海洋放出 方法は?影響は?(08/22)

トリチウム、フランスのほうが多く排出?日本の汚染水を確かめてみた(05/03)

海洋放出によって日本は年間22テラベクレル(TBq)以下のトリチウム海洋にを排出することになるようですが、雨水に含まれるトリチウムが1リットル当たり1ベクレル、海水にも微小含まれるが1リットル当たり0.01ベクレル、10日の半減期を考慮すれば自然界への影響はほぼゼロということです。因みに記事の途中にある「世界の国のトリチウム処理量」グラフを見れば、日本はこれでも最低レベル、最高はフランスの1万テラ(10ペタ)ベクレルで、日本の500倍も多く排出していても国際基準に違反はしていないようです。

中国反発でも「健康影響は取るに足らず」 処理水放出で欧州メディア(08/23)

トリチウムは安全らしいとわかっていても中国は反発。その中国の秦山原発が年間112兆ベクレル(日本の6倍)排出しているにも関わらず、日本の海産物の輸入規制をするなどの風評被害が相次いでいる現状があります。

ALPS処理水は「汚染水」、海洋放出にグリーンピースなど2団体が抗議(08/22)

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンと、FoEジャパンの2団体は8月22日、どちらも海洋放出に抗議声明を発表。

IAEA報告書は「処理水の海洋放出」を承認していない。(07/15)

海洋放出にお墨付きを出したかのように報道されている国際原子力機関(IAEA)についても、実際は提出されたデータをもとに「国際安全基準に合致」としただけで、データの事実確認はせず「推奨も承認もしていない」と発表。

処理水放出に中国「極めて身勝手」 韓国「計画上の問題はない」 賛否両論(08/22)

こうした言論が独り歩きしてさらに現地の漁業関係者まで不安の渦に巻き込まれています。

原発処理水放出の「風評被害」をつくっているのはマスコミ 高橋洋一が持論を展開(08/23)

なかでも最も責任重大なのがメディアだと数量政策学者の高橋洋一氏は語っています。高橋氏によればマスコミは海外からどんな抗議が殺到しているかばかり報道し、福島から随時公表されている福島産品の検査結果などはまったく報道していないというのです。

ふくしま復興情報:水産物モニタリング

実際の福島産の製品についての検査報告を、新型コロナの感染拡大状況と同じくくらいに、海洋放出前後で毎日報道していれば中国から検査しろとは言われないはず。実際日本国民で「放射性物質があるかも知れないから購入しない」などと言っている人は5%にも満たないというのです。どうやら風評被害はメディアが起こしているようです。なので新聞やテレビをもとにSNSで発言するのは注意が必要です。

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