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アクセサリーなんて要らない

耳が重い。イヤリングだ。ピアスはできない。穴がない。

装飾品が欲しいと思うとき、大抵心は高揚しているのに、つけているときは「何でつけているんだろう」と思わせてくるのだから不思議だ。異物は異物、付属品は付属品、余計なものは余計な存在でしかない。

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外は雨が降っている。雨の車内に乗客数人、ただただ走りだすバスの車内に存在する私たち。ここからどこへ行くのか、決まっていても、初めての土地には確かに何があるのかはわからない。Google mapで地図を見ていても、Earthで3D上で認識していても、そこに本当に何があるのかどんな空気が停滞しているのかはわからないのだ。

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話を戻そう。アクセサリーをつけるのは、自分のためだ。誰のためでもない。でも、1日の中で重荷となる瞬間もある。異物として。そして今は少し重たい。外は雨で、車内は暗くて、何だか全てがどうでもよくなってくるから。

つけた瞬間に役目を終えるアクセサリーを外して、到着地に想いを馳せる。雨の車内で、あえて眠らず、そんな過ごし方をしてもいい。

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@hotelkumoi 行きの車内で

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