読書記録①

決して順番ではない読書記録です。読み終えた時点で書くのではなく思い出した感想を書きます。だから記録より記憶の方が適切かも。

『一文物語集』飯田茂実 著

大好きな本です。形式ならショートショートや短歌とかが好きな人が好きだと思います。なにせ全ての物語が一文で構成されているので。内容は閉鎖的な愛とか献身とか徒労が好きな方は是非。

最初に出版された時は『世界は蜜でみたされる』という題でした。僕はこっちの方が好きです。世界は個人によってトリミングされるものだという命題がよく表されているように感じます。

切ないというかやり切れない内容多めですが、ユーモアも効いていますし、暗い雰囲気なのにどこか明るさもある。電気を消した部屋でロウソクに灯された火みたいな短編集です。ロウソクは物語が誕生するごとに増えていって最後には333本になります。ゾロ目ですね。

改題される前の本は既に絶版で中古品はプレミア価格で取り引きされています。新装版をAmazonで見つけて即買いしました。山形と名古屋の図書館には旧版があるそうなのでどうしても蜜の方が見たい方はどうぞ。

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