SDGs、まずは”知ることが大事”『プラスチックにあふれた世界②』

1980年代生まれの私は、小さなころからスーパーやコンビニ(今ほど多くありませんが)などがあり、現在と同じように、買い物をしたらレジ袋に入れて持ち帰るのが当たり前の時代に育ちました。

昔はどうだったんでしょうかね?

【紙(木材)製品時代】

八百屋さんや魚屋さんで買い物をし、レジ袋などはなく、また野菜などのビニールフィルム包装もなく、新聞紙で食材を包んで、茶色い紙袋に入れて持って帰るという話を聞いたことがあります。

もっと前の時代だと”マイバッグ”ならぬ”マイかご”を持って買い物をしていたなんて話も。。。

【プラスチック時代】

レジ袋は1970年代から現在に至るまで約50年にわたって、広く普及しています。他のプラスチック素材と同様に石油から作られており、

簡単に生産でき、安くて、軽くて、耐久性にも優れている非常に便利なものです。

現在は環境への影響からレジ袋が有料化されていますよね。

野菜や果物のフィルム包装や菓子類の過剰包装(個包装)なども問題になっています。

しかし、個別に食品をプラスチック包装することにより、食品の腐食を防ぎ、長期での保存が可能となり、廃棄量を減らすことができたのも事実です。

ただ私はゴミ箱に捨てるときの罪悪感が嫌なので、できるだけ過剰包装のものは買わないようにしています。必要な分だけ買うというのが大事かと思います。

【プラスチックごみのリサイクル率85%!?】

前回の記事に記載した通り、世の中はプラスチック(マイクロプラスチック)であふれており、深刻な海洋汚染が進んでいます。そして前述の通り、プラスチックのゴミ処理の仕方に関する問題もあります。

皆さんはプラスチック容器や包装を不燃ごみとして捨てていますか?それとも可燃ごみとして捨てていますか?

自治体によってルールが異なっているので、どちらが正しいとは言えませんが、一般的に家庭ごみとして収集されたプラスチック容器などのほとんどは燃やされているようです。処理方法にはほかに埋め立ても行われていますが、狭い日本の国土ですので限界があり、いくつかの自治体では可燃ゴミで処理するように変更しているケースも増えています。

またリサイクルも行われています。日本のプラスチックごみのリサイクル率は85%とのこと。すごい素晴らしいことですよね!

ん?プラスチックごみのほとんどは燃やされている・・・でもリサイクル率は85%?

私がイメージしていたリサイクルは、プラスチックごみをきれいにして、もう一度製品に生まれ変わらせるリサイクルですが、上記リサイクル率には【サーマルリサイクル】と呼ばれるものが含まれています。

(出典元)一般社団法人プラスチック循環利用協会https://www.pwmi.or.jp/public/clip/clip202012.html

サーマルリサイクルはエネルギー回収の意味であり、プラスチックを燃料として焼却炉に入れて他のゴミと共に燃やし、その熱をエネルギーとして回収するという仕組みです。プラスチックは石油から作られていますので、高熱でよく燃えます。間接的には原油の削減にも繋がっています。

欧州各国ではこのサーマルリサイクルはリサイクルに含まれていません。燃料として燃やす際には通常ダイオキシンが発生し、環境だけでなく人体にも悪影響を及ぼします。

ですが、日本では800度以上の高温で完全燃焼させることでダイオキシンの発生を防ぎ、同時に新たに石炭や石油などの化石燃料をあまり使わずプラスチックごみを燃料にして処理する技術があります。ただプラスチックやごみを燃やすわけですので、新たに化石燃料を使わずとも温室効果ガスは出てしまいます。

【無責任なプレゼント~プラスチックごみの輸出~】

上記でプラスチックごみの85%がリサイクルされていると書きましたが、これまで日本は国内で出た処分しきれないこのプラスチックごみを、中国を中心とするアジア各国に輸出してきました。

中国では大気汚染が深刻化し、2017年プラスチックごみの輸入を規制することになると、行き場を失ったごみはマレーシア、タイ、ベトナム、台湾などの国へ送られるようになります。

現地では、安全対策の取られない方法でこれらのゴミが焼却されていることもあり、水質汚染や健康被害が出ています。

日本国内では二酸化炭素排出量を抑えて、そのゴミを輸入した各国で排出量が増える。。。世界目標であるSDGsの意義を考えると、これが良くないことであることは明白です。

現在ではそれらの国でも輸入規制を開始しはじめており、そうなるとプラスチックごみのすべてを国内で処理するわけですが、サーマルリサイクルで燃料化するにもしても、プラスチックごみが溢れてしまう状態になります。

(出典元)日本貿易振興機構(JETRO)https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/02/5c7b57b5cc67b51c.html

【私たちにできること】

便利で近代的な消費を企業と消費者が求めた結果が、今のような状況を生み出しているわけですので、根本的で誰にでもできるプラスチックごみの解決の一番重要な点は『Reduce(減らす)』だと思っています。

個人的にはレジ袋の有料化だと、わずかなお金を払えばみんなレジ袋をもらってしまうことになるので、レジ袋廃止でも良いかと思います。

過剰包装の商品を控える、必要のないものを買わない、使い捨て〇〇と呼ばれるものは極力もらわない。マイバッグに買い物した商品を入れて持ち帰り、水やコーヒーなどをマイボトルに入れて仕事に持っていき、テイクアウトでは使い捨てスプーンやフォークなどはもらわずに、どうしても外(車の中など)で食べる場合はマイスプーンや箸などを持ち歩くなど。それぞれができることはいくらでもあります。

【まとめ】

・昔はレジ袋ではなく紙袋だった
・プラスチックは安価、軽量、耐久性、機能性、長期保存可能など非常に優れた文明の産物
・プラスチックごみのほとんどは燃やされている
・日本のプラスチックリサイクル率は85%。ただしほとんどの部分はサーマルリサイクル(エネルギー回収)。他国ではリサイクルとみなしていない。
・日本はプラスチックごみをアジア諸国に輸出しているが、そういった国々の中では環境・人体に悪影響を及ぼしている場合もある。
・輸入規制により今後は国内で処理しなければならない。
・必要分だけにして無駄をなくし、プラスチック自体の生産、消費を減らすことが重要。

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