はじまるふたり④【メイの視点】
朝のナツキからのメッセージが届いてから
私は
ナツキに逢える喜びで、
頭の中が支配されていました。
まさか今日会えると思っていなかったので
本当に心から喜びを感じていました。
そして、少しの空き時間も
私のために使ってもらえるということで
ナツキからの溢れんばかりの愛を
感じていました。
愛されているってこういうことなのかな
とも思ったりしていました。
私には結婚して10数年になる主人がいます。
そして子供も一緒に暮らしています。
ごく普通の一般家庭です。
その中で
愛、や恋愛はもう終わったものとして、私の中には
ナツキに再会するまで
無いものとして処理されていました。
愛と言うのは、恋愛というよりも
慈愛の存在として私の中にあったものですから
全てを受け止めるという意味での愛を
自らの中に感じていました。
私は、現在の「家族」と言う存在も
その受け止めておく中にあるものとして
存在させていました。
現状を否定するというよりは
そのままを肯定し、より良くなっていければと
なんとか未来を見出そうとしていたのかもしれません。
しかし、ナツキに感じるのは、
完全な恋心です。
正直、のぼせあがっている、といえばそうだったと思います。
その気持ちが湧き起こってきたとき
わたしは、そんな自分自身ですら、
受け入れなくてはいけないんだ、、、ということに
気が付きました。
今まで私が持っていた
家庭としての枠を一歩乗り越える自分を許し
今はまだ家庭での存在をしている自分を許し
もし、万が一
何かが起こって、誰かが私を非難したとしても
それもすべて受け入れ許していく。。。
その生きていく責任の重さ。
真実の道を歩くという事は、
魂を生きる決意でもあるということに
気づかされた、ような気もしました。
でも、
そのために、私は今ここにいることも
なんだか理解してきました。
私はナツキに気づいてもらえた喜びを感じつつも
決意も揺るがないものになってきていることにも
気が付いていました。
今日、逢う必要があるんだ。わたしたち。
そんな偶然な出来事への信頼を置きつつ
その日は外出をしたのでした。