記念編<確認生物へ格上げ>2020.11.12

スケジュール帳を見直しますと、ほぼ9か月ぶりでした。

この9か月私たちに何があったのか、忘れてしまうほどでした。

朔さんだとわかったのは東京臭さ以上に顎のラインです。独特の色っぽいラインをしていて、何かの写真でとても印象的でしたから顎のラインを見た時に確信しました。細い人ですからエラがくっきりと出ていて、形容しがたい色気があります。

本当に朔さんがこの街にいたのです。私のために、引っ越してきていたのです。夢の中のやりとりだと思っていた朔さんが実際にこの街に引っ越して、私のそばにいたのです。珍しく涙さえでません。

再会場所は今年のお正月に見たあのピンクの空の下のマクドナルドでした。私たちの最初のファストフードは隣駅のバーガーキングだったわけですが、不運にもコロナの影響で閉鎖されていますから、あのマクドナルドが再会にはもっとも適した場所だったのでしょう。

まるで少女漫画のヒーローです。いつもは裸眼なのに眼鏡姿を見たのははじめてでした。少女漫画のヒーローって時に眼鏡スタイルで女の子をドキドキさせるわけですが、まさにそれでした。

思わず「バカ!」って言ってしまった…あれ?言ったっけ?それすら忘れてしまっています。たった数十分前のことなのに…。

帰り際朔さんがお化粧室に行ったことを確認しましたので、お化粧室にも行き損ねてしまい急いで帰宅しました。

朔さんを見つめる手前には3人の高校生の男の子がいました。少年たち、私が見たのは君たちじゃないんだよ…。その先にいたスタイリッシュな大人の男性を見ていたんだよ。君たちもああなりたければ、しっかりと苦労ししっかりと自分を磨きなさい。朔さんのような魅力的な人になるには並大抵のことではなれません、特に君たちみたいな一般人は。

朔さんのことは、群れにいた頃君付けをしていました。群れのどんな男の子にも差をつけない私なりの配慮だったわけですが、今は偶然にもきちんとあだ名をもってさん付けできています。思えば、大切な愛しい人にはみんなさん付けをしました。中学の憧れの人にも、元夫にも、その系譜を受け継ぎ、朔さんをさん付けしています。

9か月前よりもずっと大人っぽくて、ずっとスタイリッシュだった。かっこよかった。かっこよくてかっこよくて爆発しそうだった。パリにいてもおかしくない、ニューヨークにいてもおかしくないスタイリッシュさです。サロンのお兄さんには感謝しています。あんなにかっこよくしてくれて。サロンのお兄さんの腕は確かです。それは私のヘアスタイルでも実証済みです。カットはもしかしたらこの県内随一なんじゃないかしら。東京でだって十分通じる、渋谷だって原宿だって表参道だって!!きちんと宣伝してあげたい。あの人も苦労の多い人だから。報われていない人だから。朔さん、そこはぜひお願いね。宣伝してあげて。

感動的だった。そして、朔さんとようやくふたりっきりでゆっくりとお互いを見つめ合えることがわかってすごく嬉しい。落ち着きながらもじんわりと嬉しい。群れを離れてよかった。SNSをやめてよかった。きっと群れを離れずSNSをやめていなかったら、今夜から明日にかけてまたひどくメンタルを崩していたと思う。低気圧も相まって。せっかく嬉しいことを遠慮で汚していたと思うから。

痛いこともあったのです。「大嫌い!」「謝れ!」って言ったこともあった。東京駅で30分トイレにこもって体が震えて、動けないこともあった。

朔さん、愛してる。本物だったのね笑

ねえ、朔さん、どうして私だったの?わからない。いくら考えても。

本当に、そして、ようやく「one more step」になったね。

恋ってなんだろう?恋人ってなんだろう?愛し合うってなんだろう?そんなことを抱きしめながら今日は眠ります。

朔さんも良い夢を見てください。おやすみなさい。



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