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ハプスブルク家

ヨーロッパの数ある王朝から一つ取り上げ、12の物語を紡ぐシリーズ。

数ある王家が、数百年ヨーロッパの各地をおさめたが、そこには恋愛あり、戦争あり、様々な人間模様があった。それを宮廷画家であったり、反体制側の画家が絵に残している。その絵を軸に話が進んでゆく。まだ写真もなかった時代には絵画がその役割を果たした。それは書物と同じく書く人の思惑が多分に盛り込まれている。

ハプスブルク家は戦争によりその版図をひろげたのではなく、婚姻により勢力を拡大したことはよく知られている。ヨーロッパの歴史を学ぶと、だれの
叔父とかだれの姪とかがいりみだれて結婚相手になっているので、もう何が何やらわからないぐらい複雑。しかも、同じ人でも読み方が違うので混乱以外の何物でもない。(平安時代の天皇家、藤原家も複雑だが・・・)

ハプスブルク家はその繁栄も有名だが、そのための手段による副作用も有名。絵画ではそれが顕著にみられるものと、かなり補正されているものがある。それだけでも、画家のもしくは注文者の思惑が垣間見える。

もう、試験があるわけでもないので、家系図を覚える必要もどんな出来事がありどのようなことをなしたかを覚える必要はないので、時代の流れを追うことで楽しめる。また、その複雑な関係が国をまたがって行われるので、その相手側から見るとまた違ったものが見えてくる。そう、シリーズとして、ブルボン家、ロマノフ家、イギリス王家とさまざまなものが用意されている。これは楽しみだ。

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな