乙嫁語り
「エマ」と同じ作家さんの漫画。今度の舞台は19世紀の中央アジア。
放牧と、定住、広大な中央アジアを舞台に結婚を軸に家族、人の話になる。時に部族間の争いがあり、西欧からの旅路、ロシアの勢力拡大という時代背景がある。
この作家さんらしく書き込みは細かい。前作のメイドもの、イギリス文化とは異なるが、その精細な刺繍があちらこちらに施された衣装、それを嫁入り道具として用意するための布作業の描写に合わせて、細かく丁寧に描写されている。
また、平原で草をはむ羊、山羊、鷹といった動物の描写もセリフ不在のコマで存在感がある。
歴史物になると、どうしても西欧がその中心になりがちだが、文明の始まりは中央アジアが早く、そこから西へと進んで行ったことからも長い歴史はこちらにある。また、広大なユーラシア大陸を初めて統一(と言って良いと思うが)したのはモンゴル帝国で、そのタイミングで、西から東までの街道ができ、文化、人種の交流がなされたことは、その後の西欧でのなんとか朝の世代交代よりも人類史に影響を与えていると思う。
中央アジアというと、羊、ケバブ、バザール、喧騒、人懐っこい人たち、と印象はあってももう一歩踏み込んだところまでの知識がない。
新しいジャンルへのきっかけは色々なところにある。次に読む本はそちら方面を探してみよう。(細雪の続きはどうした?!)
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街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな