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ショートケーキを許す

タイトルも変わっているがほんのサイズもちょっと個性的な本。

内容はタイトルにある通り、ショートケーキの紹介というかエッセイというか。ショートケーキを売っているお店はどれも実在のお店。

最初は銀座ウエスト。名前はつと有名で乾き菓子のリーフパイはどのデパートでも扱っているのではないかというくらい。その本店は銀座7丁目の大通りに面したところにあり、乾き菓子もそこで売られている。本店には52席ありケーキも食べることができるとのこと。
といった始まりで、東京の名だたるお店が次々と出てくる。

個性的というところで言うと、最初の話から本文2ページに対して注釈も2ページあるという、説明の多いところに驚く。読み進めて思ったのが、これはエッセイとするとファンタジーエッセイなのかも、と。失礼ながら著者の経歴を存じ上げないので、どこからが空想なのかがわからない展開。
これほどまでに、さまざまな店のショートケーキを書いていて、実はショートケーキをまだ食べたことがない、ときたら仰天するところだけれど。

コンビニのケーキはお手軽だけど、専門店でいただけるショートケーキは別物だと思う。関西のお蕎麦と関東のお蕎麦は同じ名前だけれど全く別物と思え、みたいな?

自分の記憶にあるショートケーキは、自分の住んでいた街のケーキ屋さんで求めたものが一番最初だと思う。チェーンのお店か個人店だったのかは思い出せないが、それはもっと大きかった気がする。これは子供の頃の記憶だからか、実際にどんどん小さくなっているのか、どちらだろう。

のちに、自分でもケーキを焼くようになるが、お店で求めるあの、ふんわり感とあの香りを纏ったケーキを作ることはできず、おうちケーキとお店ケーキの違いを思い知ることになる。レシピの研究が進んだ今ならお家でもあのケーキが再現できたりするのだろうか?

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな