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フルーツパトロール

果物たっぷりの本。パフェに始まり、果樹園を周り、フルーツを材料にした料理をし、世界を旅し、家で作り、手土産に使う。

パフェは一時期大きくなる時代があった。が、それはスポンジケーキや、フレークで上底していることが多かった。パフェの本質はフルーツと(アイス)クリームとの出会いだと思う。フルーツの色、香りだけでなく、さまざまなグラデーションとなる甘味と酸味とそれを支えるクリームが最初は段層のように供される。それをどのように攻略してゆくかが楽しい。

大人になって気がついたのが、フルーツサンドイッチの美味しさ。パンに挟まれることによって携帯性は高いのだが、一度口にしようとするとそこにはcm単位の厚みとなるべくゴロッとしたフルーツとクリームで、口いっぱいに広げることになる。少し硬めに作っているクリームをいかにはみ出させないように食べるかも、なかなかに技術がいる。サンドイッチは惣菜パンでご飯だという思い込みがあったのに、フルーツとクリームがサンドされたこれはデザートなのか?と思わせておいてからの、食べるとかなりのボリュームだったりする。

フルーツはどれも好きだが一番好きなものは何?となると、やはり桃と答える。缶詰の桃にも別の郷愁があったりするが、夏の盛りの短い期間のみに出回るあの瑞々しい桃は、何物にも変え難かったりする。少し硬めの桃を家で追熟し、甘い香りが漂うと周りの産毛を流水で流すように洗う。そうすると、自然と皮も身から離れることになるので、そこで丸ごとかぶりつくのも良いし、丁寧に包丁を入れるのも良い。どちらも皮が破れると共に溢れ出す瑞々しくも甘い果汁をいかにこぼさないように食べるかが思案のしどろころ。

今年もふるさと納税のお礼の品から探してみようかな。

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな