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読書記録 〜生きるぼくら〜

生きるぼくら 〜原田マハさん〜

いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生(あそうじんせい)。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科(たてしな)へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた──。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。

あらすじはamazonより引用

本の帯は
「悲しくても、さびしくても、ちゃんと季節は巡ってくる」です。

心に孤独を抱えた引きこもりの主人公があることをきっかけに、何かに導かれるように動き出す。
米づくりを通して、時折顔を出す自分の中にいる辛かった頃の自身と向き合いながら、前に向かう。
降りかかる介護問題や、同じく悲しみや悩みを背負う若者達との出会いが主人公を変えていく。


私は一気に読んでしまいました。
個人的には、主人公の背負った心の傷に共感するものがあり辛かった。
しかし、傷を抱えた主人公が米の成長と並行して、少しずつ強くなって育っていく。
そして再生していく過程にチカラをもらえました。

東山魁夷の「緑響く」が表紙。物語のキーでもあります。
原田マハさんらしく、この絵画にまつわる登場人物のエピソードも織り込まれています。読み始め重ためなのですが、この蓼科の美しい風景をも想像させられて、読後感が爽やかな物語。

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