施設の母を訪問〜会話のネタを探す
※少々マニアニアックな話も入ります。
約1500字。お時間ある時によかったら読んで下さると嬉しいです。
父は母に相関図を見せて教え続ける
施設にいる母は最近曇りがちだ。
父と交代で定期的に面会に行っている。
母は家族関係についての記憶があやふやになっているのだが、父はそれがどうにも納得できない。面会に行く度、相関図を書いたりして教えている様子。それはいかがなものか?
母と楽しく過ごすためのネタ探し
そこで私とは楽しい時間を過ごしてもらおうと、最近は心がけている。
先日は久しぶりに姉も行けることとなり、道中ネタを話し合う。
前回は母と連想ゲーム的なことをしたのだが、それもなかなか楽しかった。今回もそれで行く?とか言いながら。
話の種をまこう
部屋に行くと、母はちんまりとベッドサイドに腰を掛けていた。
しばらく季節の話をしたところで姉が部屋に掛けてあるカレンダーに注目した。今月はカンナの花だ。
母は花が好き。
さらに姉は私が庭でひたすら「色水あそび」をしていたことを覚えているか母に尋ねた。
姉はなぜだか私の色水ネタが大好きなのだ。
すると予想外な勢いで
「そうそう!!覚えてる覚えてる!!一人でね」と母が反応した。
認知症になってからの母は“覚えてるふり”をすることも多いのだが、今回は全く嘘味はなかった。びっくり。
※※※※※
話は飛ぶが、子供の頃(から)一人で遊ぶのが好きだった私は、庭で色とりどりの花を集めてきては延々と色水を作っていた。
ぼーっとやっていたわけではなく、ひたすら楽しんでいた。しっかり記憶にある。
若い頃から土に憧れたサラリーマンの父。当時は畑をする時間などないので庭に様々な花を植えていた。そこは充分な花畑だった。
※※※※※
この母には私が庭でポツンと色水研究に勤しんでいた記憶があるのか。
私そんなに印象的でした?と複雑な気持にもなる。
花であそぶ
そこからは、母がご機嫌で乗ってきたので、
50年越しの私の好きな色水ランキング発表となった。
さらに、つかみのよかったケイトウで問題!
しばらく姉と母は考えている。
母はケイトウがどんな花か覚えていた。
花が鶏のトサカみたいでしょ?だから鶏頭なんだよと私は鼻息荒く解説してみた。内心では本当にそうなのか?と若干不安だった(後で調べたら正解だった)
家の庭にたくさん咲いていたケイトウ
最近ホームセンターでは先の尖ったケイトウをよく見かける、しかし母はケイトウについて「ビロードの裾」と言う表現をした。
我が家の庭にあったのは、鶏のトサカのようなこのトサカケイトウなのだ。
まさにビロードの裾のよう。記憶は確かだ。
笑いで締めよう
結局、当時私はなぜあんなに色水にはまっていたのか?とか姉の変なエピソードで母は涙を流すほど笑った。楽しい時間を過ごせた。
久しぶりにこんなに笑ったわ〜。笑うのっていいわね、と母は言った。
笑うのっていいわねなんて…その日の母はとても“素”に見えました。こっちの方が認知症だということを瞬間忘れてしまいました。
ピンポイントに50年前が母の記憶の中で、生き生きとしている部分だったのかも知れませんね。
母の様な状態でも楽しめる“言葉遊び”の様なものってないでしょうか。学んだり、考えたりすることはできないのですが、テレビのニュースなどは理解できます。想像することもできます。さらに探してみようと思います。
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