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短歌①

128
短歌一首
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短歌 #129

生きている喉の乾きに似た何か持つのに動かず死んでいる

*井上

短歌 #128

控えめな鋭さでさえ傷となる我に当たりし冬の乾風

*広瀬凌也

短歌 #127

能面がデフォルトなあたりカッコつけ自分は違うとキザに生きるぜ

*井上

短歌 #126

行けるなら誰もいないところへ連れてって だって寂しい毎日だから

*広瀬凌也

短歌 #125

あと5分その一時に幸福を寝過ごす恐怖も今は忘れて

*井上

短歌 #124

死霊道 そぞろそぞろと君に似し人 をぐな連れ我を落としむ

*広瀬凌也

短歌 #122・123

迷いなく近づけていた君と湖 目を閉じるたび声を聴きたくて

砂浜のイメジのごとく白き女 砂を散らして湖を追いかく

*広瀬凌也

短歌 #121

胸の火を他人に委ねる臆病さ冷たくなるのをじっと待ってる

*井上

短歌 #120

澄んでいるアクアリウムのほう向いて初めから君が居ないみたいに

*井上

短歌 #119

なんという皮肉 あなたが捨て去った都会 どうして私はいるのだ

*広瀬凌也

短歌 #118

飯不味いもう潮時かと縄握る外には太陽もう朝ですか

*井上

短歌 #117

脇道に浮かぶ月夜に一目惚れこのままデートも悪くはないね

*井上

短歌 #116

我が足に何を探そう蟻さんよ 生きるということすぐそばにあり

*広瀬凌也

短歌 #115

人間の吾の行ひひざまづくシダの葉かき分く小径の中で

*広瀬