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2.25 "machinone! vol.1" ライブレポート

文 : 功凌
写真 : 岩本在夢

はじめに

2月25日土曜日
岡山バンド 好きの 岡山バンド による
岡山バンド を知る人のための
6ヶ月連続4マンイベント
machinone! vol.1は春をも感じる暖かい風と共に、
CRAZYMAMA2ndRoomにてその幕を開けました。

vol.1のテーマは
「戦場、ライブハウス」

出演は、炙りなタウン、S.peranza、ヤサイ、ヨークシン。

当日のライブレポートをお届けします。
写真とレポートからこの日の空気感が少しでも伝われば嬉しいです。

この日の始まりはくじ引きから始まりました。

出演順決定の瞬間。

何かドラマの起きそうな出演順となりました。
それでは本番のライブレポートです。

1. S.peranza

"machinone!"というイベントとして、"vol.1"として、トップを飾ったのは、岡山倉敷発青春パンクS.peranza。一番手にして、イベントの盛況へ導いた瞬間はバンドが鳴らした一音目だった。

S.peranzaのシンガロングショートチューン"終わらない歌"で始まったmachinone。1分間止まらない初期衝動はいきなりフロアの拳と心を突き動かした。

"観客は誰も置いて行かない"。その場にいる全員でライブをつくるスタイルで会場の気持ちの一体感凄まじく、トッパーとは思えない盛り上がりを見せる。

"素晴らしき日々"では青春時代から大人に変わる自分自身を描いた新曲を演奏。変わることも変わらないことも忘れず、"今"を生きるすべての人へ刺さった。"今"だから書けるそんな曲のようにも感じた。

ライブ定番曲"性春のゴールテープ","愛してしまった"と続くキラーチューンでラストスパートは青春時代、S.peranzaと叫んだあの頃をフラッシュバックさせた。

一瞬で駆け抜けた35分間だった。

岡山の1998世代のS.peranzaは岡山のライブハウスシーンに欠かせない存在だと再確認した。彼らのホームでもある倉敷REDBOXでのS.peranzaも観てほしい。これからも彼らの雄叫びはライブハウスで。

【セットリスト】
1. 終わらない歌
2. ウエストサイドガール
3. シェリー
4. 素晴らしき日々
5. ナイトライダー
6. 性春のゴールテープ
7. 愛してしまった

【NEXT PICK UP LIVE!】
4.8 Sat. @広島ALMIGHTY


2. ヨークシン

2番手に登場したのは オルタナティブロック ヨークシン。開幕と同時に"お前らを置いていくつもりは無いが、お前らに合わせるつもりもない、俺らに付いて来い。我々がヨークシンだ"と叫ぶVo.Gt.SOMAの言葉の通り、ロックのその先を行くような予測不能な曲展開は、フロアのノリを加速させた。

流れるように進むノンストップなライブのまま、セトリはキラーチューン"losstime!!"へ。休む暇も無く踊らされる観客、アクシデントさえ味方につけてしまうパフォーマンスで、フロアは完全にヨークシンの空気に変わっていった。

4曲目の"四"で不気味な音と照明に照らされたステージで、落ち着くと思いきや、サビで鳴る四つ打ちと轟音で踊る事を止めない。

アドリブのような"hamster"前の語りでは"何かが足りない"と叫び、ファズを踏んだギターサウンドで観客を圧倒。勢いそのまま、サビのないショートチューン"車馬"で畳み掛ける。

ラスト"dim"まで、35分間ヨークシンのライブは一瞬たりとも気の抜けない よそ見不可のパフォーマンスを魅せた。

岡山の音楽シーンにおいて類稀なる個性と存在感を放すヨークシン。この沼にハマるリスナーは岡山のみならず拡大していくだろう。

【セットリスト】
1. NO
2. 沙羅曼蛇
3. losstime!!
4. 四
5. hamster
6. 車馬
7. dim

【NEXT PICK UP LIVE!】
3.22(Wed.)-23(Thu.)
@岡山CRAZYMAMA2ndRoom


3. ヤサイ

ライブは後半戦、ヤサイへ。
セッティングでドラムセットが少し前に移動される。そう、ヤサイはDr.Vo. / Gt.Vo. / Ba.Choと全員が歌うスリーピースバンドだ。

"いつか見た光に憧れてきた、今日はその光になれる日/ライブハウスで得た優しさや幸せをみんなに歌うのがヤサイ"とDr.Vo.まつりのMCから始まる。その言葉の通り、優しさや幸せに溢れた35分間になる。

そして、ゆったりアカペラで歌い出すかと思えば、"チョキ"のハッピーなビートになってライブスタート。

2曲目になると、メインボーカルがGt.Vo.のさやかに変わる。これこそヤサイの魅力。作曲も担当するBa.なべっぴもCho.していく全員が歌うスタイル。全員が魅力的で主役級。

"ヤングでビッチでキュートな目をしたあの子より 私の方が良い歌歌うから/ポップでロックでパンクなあたしの側にいて くらくら夢から覚ましてあげる"そう歌う"ポプラ"。まるでロックンロールバンドの歌詞にありそうなリリックセンスをヤサイなりのポップメロディーに載せる。

"いつまでも笑っていられたら"と歌う"ミラ"
"幸せになりますように"と歌う"メルちゃん"
泣いても悔しくても 最後には笑顔になれる 不思議な力を持つヤサイの楽曲達は唯一無二だ。

そして、ラスト"足下"が始まる。
バンド自身の事を歌っているようで 足下ばかり見てきた僕らの事を少し後押ししてくれるような 足下ではなくほんの少し顔をあげて前を踏み出せる楽曲でヤサイの35分を終えた。

レコーディングを控えているそうなので、2023年ヤサイの今後に注目してほしい。

【セットリスト】
1. チョキ
2. ポプラ
3. ランドリー
4. ミラ
5. メルちゃん
6. 足下

【NEXT PICKUP INFO】
2023年新譜リリースとの事!乞うご期待!


4. 炙りなタウン

そうしてmachinone vol.1のトリに登場したのは今や岡山のみならず全国のライブハウスを駆け回るライブバンド炙りなタウン。そこはまるで少年漫画のようなドラマのある35分間が待っていた。

SEが鳴る中、ギターのハウリングからショートチューン"8mg"、アップチューン"ゴキブリ人間"で開幕。一音目から待ってましたと言わんばかりの飛び交うシンガロングと拳。

"岡山を盛り上げるというTMC、machinone!。その革命の共犯者になりにきた"そう言い放ち、"63円"、"渋川"という怒涛の名曲ラッシュ。

後半戦が始まるかと思うと、Gt.Vo.ゆきなりが語りだす。"文化祭のヒーローになれたら、好きなあの子の心を掴めれば良かったのにいつの間にか好きなあの子よりバンドに夢中。ライブハウスがわしを光らせ、曇らせ、ヤサイ、ヨークシン達が奮い立たせ、S.peranzaが狂わせた。どうせならもっとぐちゃぐちゃにめちゃくちゃに、もっとぶち狂わせてくれライブハウス。"というMCから始まった"1998"。ベースフレーズが始まった瞬間に観客の心、身体が動きだす。ゆきなりのバンド人生に火がついた瞬間はライブハウスにあった。そのきっかけは今、もらう側から与える側に。

"ろくでなしの唄","狼煙をあげろ"でどんな人間だって 強く背中を押してくれる曲が続き、最後に歌うは"ライブハウス"。

お客さんガラガラの炙りなタウンを知っているからこそこの曲で大勢のお客さんの拳を見ると、グッとくるものがある。それと同時にこんな最高な秘密基地"ママツー"が岡山にあることを誇りに思う。
"ライブハウスは戻るんじゃない、
ライブハウスは進むんだ。"
そうゆきなりが最後に叫んだ瞬間が、炙りなタウンのライブが、岡山のライブハウスを、バンドシーンを一歩前へ進める瞬間だった。

【セットリスト】
1. 8mg
2. ゴキブリ人間
3. 63円
4. 渋川
5. 1998
6. ろくでなしの唄
7. 狼煙をあげろ
8. ライブハウス

【NEXT PICK UP LIVE!】
3.30(Thu.)@岡山CRAZYMAMA2ndRoom


4組を終えて、残った感情は観客それぞれ違うかも知らないが、4組がライブハウスを大切にしている事、ライブハウスで出会って、仲間として、時に、ライバルとして、切磋琢磨やってきた事。そんなストーリーが伝わるような濃く熱い1日だった。

このような熱い岡山のライブハウスシーン、バンド同士の交わりが、ローカルシーンを盛り上がるのだ。

これからもこの4組は、ライブハウスで交差する。


最後に

今回、出演承諾してくれたS.peranza、ヨークシン、ヤサイ、炙りなタウン。そして、お客さんとライブハウス。記念すべき、第一回のmachinone!を作り上げてくれて本当にありがとうございました。

個人的に胸熱なストーリーのある地元バンド4組だっただけに、沢山のお客さんにご来場頂けて本当に嬉しいです。

好きなバンドの事、もっと好きになれましたか? 知らなかったバンドであなたの"好き"はありましたか? なにより岡山という街の音を感じる事は出来ましたか?

来てくれたお客さんに 少しでも「岡山のライブハウスシーン面白いかも。」と感じてもらえたら嬉しいです。

後にUPされる「machinone digest movie(仮)」も楽しみに待っていて下さい。思い出に、記憶に、あなたの手元に何かしらの形で 2/25が残されますように。

そして、来月は"machinone! vol.2"が3月25日CRAZYMAMA2ndRoomにて開催されます。出演はUNFAIR RULE , zoo , ハナレバナレ , HandLamp の4MANです。是非、お越しくださいませ。

今回はイベントという形で岡山バンドの魅力を発信しましたが、今後も映像や写真、SNSなどで 様々な形でTMCなりの岡山ライブハウスシーンの発信をしていきますので、チェック宜しくお願い致します!

バンドが、ライブハウスが、そして
TMCとお客さんと共に、岡山ライブハウスシーン。
盛り上げていきましょう。

ではまたmachinone!でお会いしましょう!

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