ブランドの掛け算
ブランドにはどんなものがある?
一口でブランドと言っても様々なものがあります。
企業であったり、事業であったり、商品やサービスであったり…
人だってそうですね。いずれも信用・信頼を得て誰かがファンになれば、それはもうれっきとしたブランドです。大きいや小さいはありますが。
これらはどの会社や組織にもあって、階層になっています。
上から順に
①企業
②事業
③カテゴリ
④商品・サービス
⑤人
となっています。他にもいくつかあると思いますが、大きく分けてこんな感じです。この階層のうちどれをブランドとしていくのが最も効率がいいのか、ブランディングをしていく上でここはきちんと整理しておいた方がいいと思います。
ブランドの大きさ=信用の大きさ
企業そのものをブランディングしていくのか、商品・サービスをブランディングしていくのか。これは、どの階層をブランド化した方が信用を得られるか?を考えて主軸を決めていくべきだと思います。新商品・サービスを投入する場合は当然、商品・サービスのブランディングになると思いますが、企業をブランド化した方が信用を得られると考えられる場合、まず企業をブランディングしていった方がその商品・サービスのブランド化に効率的に繋がっていきます。
ただここは最終的にどこに持っていきたいかによって戦略は変わってきます。最終的にその商品・サービスを企業と切り離していきたいと考えているなら、商品・サービスのみで真っ向勝負していかなければいけませんし、企業ブランドの強化が目的なら、やはり企業をブランディングしてから商品・サービスの順番になると思います。
「あの○○会社ね」→「あの○○会社の○○商品ね」→「あの○○商品のあの○○会社ね」といった順番で浸透を狙います。
ここで意識しておかなきゃいけないことは、ブランドを大きくしていくことを何をもって測るか、ということです。これは数値化できないものがほとんどなので“肌感”になってしまいますが、ひとつは「信用の大きさ」です。
「多さ」ではなくて「大きさ」です。
つまり、10人の「ブランドを知っている」より、1人の「ブランドめっちゃ好き」の方がブランドは大きいということです。
もちろん「ブランドを知っている」を経ないと「ブランドめっちゃ好き」にはなることは絶対ないので、認知活動は必要不可欠なのですが、「ブランドめっちゃ好き」をつくることに目標をおかないと、いつまでたってもブランドは大きくなっていきません。前々回の記事の『ブランド・ロイヤルティ』のお話です。
信用を大きくするのは積み重ね
ブランドの大きさは信用の大きさ。
では、信用はどうやって大きくすればいいのか?
これはもう当たり前の話になりますが、積み重ねです。これに尽きます。
人は一回だけ見たもの・聞いたものは信用してくれません。何回も見聞きしてそれでも価値が高いと判断されたものが信用されていきます。
つまり言い続けないと、やり続けないと信用は積み重なって大きくなって行かないということです。
例えば「健康にいいダイエット食品」と打ち出して、それが反応が鈍いからといって「美味しいダイエット食品」にしてみたり、「オシャレなダイエット食品」にして打ち出していってしまうと信用は積み重なっていきません。「健康にいいダイエット食品」と言い続けることで積み重なっていきます。
例外はありますが、なんだって最初は反応が鈍いものです。だって誰も知らないのですから。
これは誰もが分かっていることですが、ほとんどの人が出来ないことで、信用を大きくするため、つまりブランドを大きくするためにはこれを全力でやり続けるだけです。めっちゃ簡単ですが、めっちゃ精神力いります。
掛け算の相乗効果を狙う
この精神力をカバーする上で、やはり効率的に浸透を狙う戦略は欠かせません。
その一つがブランドの掛け算。
商品・サービスの階層をブランド化したいから、ここだけをブランディングしていくより、『商品・サービス×企業』や『商品・サービス×人』という風に二つの階層を同時にブランディングしていきます。
最初から「○○会社の○○商品ね」という浸透を狙っていきます。特にモノの機能的な面で差がなくなってきている今の時代は『○○×人』というのが効果が高そうです。
この掛け算はやはり、ブランド力が弱い小さな会社が打つ手として有効だと思いますが、だからといって三つ四つと掛け算を増やすから効果も倍々とはなりません。いくつもやるとブレてしまうので掛け算は二つまで。そして、無理に掛け算する必要も無い場合もありますので、その見極めも大切です。
どちらにせよ、このブランドの掛け算という方法は自社のブランディングに応用できるかどうか一度考えてみるといいと思います。
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