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「やっぱ生が一番」

2020年10月12日
Creepy Nuts 「かつて天才だった俺たちへ」 in 日本武道館

やーーーーーーー(感無量)
本来、1ヶ月に1回、多い時だと週に1回のペースでライブに行っていた私にとって、ライブに行けないことは本当に辛かった。就活もあったし、頑張れる目標、生きる原動力が皆無と言った感じだった。
この日は実に8ヶ月ぶりの生ライブで、まさに「禁欲生活」から脱出できたような気がした。
そんなわけでCreepy Nuts、武道館公演のライブレポ!




ライブレポの前に、、、(^-^)v
そもそもCreepy Nutsを如何にして知ったか。
きっかけは2019年のラブシャに行った時だった。一緒に行っていた友達に勧められて付いて行ったのがforest stageのCreepy Nutsだった。
一つも曲を知らない、ましてやヒップホップに全く触れてこなかった私にとって、DJ台とマイク1本でパフォーマンスする姿は興味深かった。初見でも盛り上がれるような賑やかなフェス曲が多くて、正直楽しいと思ったし、R自身が回していたタオルが顔面にぶち当たるという面白ハプニングもあって全く退屈しない時間だった。

ただこの時、別にハマってはいなかった。
純粋に友達に付いて行って見たステージは楽しかったなあというだけで、終了後、息を荒くしながら曲を聴き漁るという感じではなかった。

じゃあ今回、なぜリスクを冒してまでワンマンライブに足を運んだのかというと、やはり後日どハマりしたからだ。
私の場合、音楽からではなく、彼らが勤めるオールナイトニッポン0を導入にめちゃめちゃどハマりしてしまった。

Creepy Nutsが出演したラブシャの日、宿で友達からCreepy Nutsのオールナイトニッポン0の動画を見せてもらった。というか、見せられた。笑
当時見せてもらった回は、「コカ兄」登場回。いわゆる私も世間様と同じような考えで、ラッパーは煙に巻かれているような不透明で怪しく危ない人たちだと思っていたのだが、柔らかい物腰で「はははは!」と笑いまくるRの姿を見て印象が変わった。むしろ松永の方が「ちょっと頭のおかしい人」という印象を受けて、頭が混乱した。笑

気づけば二人の中学生ノリのようなラジオの魅力にとりつかれてしまい、毎週の放送を欠かさず聞くようになっていた。ラジオで私の中のCreepy Nutsの解像度がどんどん上がっていって、いざ改めて曲を噛み締めるように聞くと、人間臭さが光る歌詞ばかりでどんどん聴き込んでいってしまった。ふと友達の「耳が気持ちいい。」という言葉を思い出して確かに、と思った。実力を持ったRのラップスキルから織りなされる言葉の音楽、それと、常に斬新的なトラックメイクを行う松永の嗅覚の良さ、かくして私はCreepy Nutsに見事にハマっていったのだった。




チケット先行に外れた私にとって、友達に同行する形で参戦できたのは本当に神がかっていた。心の底から感謝しています、、泣。

Creepy Nuts初ワンマン、さらに武道館に行くのも初めてだったので、会場に到着した時は本当に興奮した。「これがあの武道館、、!!」と。友達と写真を撮って祝花を見たのち会場内に入った。

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相当浮かれている。

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ファン有志の方々による祝花。愛されアーティスト!

会場内に入って席を確認すると、まさかの最前列!!!!!!!!
本当に驚いたし、目の前でへらへら笑う友達は間違いなく神様でした。

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視界。席に着いてからはしばらく「やばい」しか喋れない生物と化していた。

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後ろを振り返るとこんな感じだった。これが新しいライブのスタイルになるのかな。

開演時間が少し過ぎたころ、照明が暗転しいよいよライブが始まった。
この時ばかりは大好きなライブが始まる興奮でフワーーーーーと声が出てしまった。ライブスタートと共に懐かしささえ感じるワクワクが止まらなかった。

一曲目は「スポットライト」。正直一曲目なんてアーティスト登場と同時に始まるようなものだから、ひたすら興奮状態で曲が聴けるような頭になっていない。スポットライトは後半の畳み掛ける歌詞が大好きだが、この時、聴いているようで曲が頭をすり抜けていったと思う。現に終演後、私は友達に「スポットライトまだかなまだかなって待ってたのにやらなかったね〜。」とほざいていた。アホが。最高のスタートでした。それともう一つ、この時私は水を得た魚のように、飛ぶところでもないのに勝手に地面と足が離れていたのだが、興奮しながらも冷静に音楽を聴く周囲のお客さんの姿に良い意味でクールダウンすることができた。

花道に設けられている中央ステージから登場したCreepy Nutsは、ステージの広さを感じ取らせないような圧倒的なスキルをたくさん見せてくれた。
二曲めの「生業」、続く「耳無し芳一Style」はまさに言葉を巧みに操る音楽と言えるのでないだろうか。速さを求められるラップスキルはもちろん、Rのラップは感情の表現が本当に卓越しているなあと思えた。Creepy Nutsだけでなく、自身の想いを詰めまくるヒップホップってもしかしたら他ジャンルの音楽より痛いくらいにビリビリと「表現力」が伝わってくるかもしれないと思った。

7曲目「紙様」。この曲で最善あるあるの「目があったかもしれない現象」があった。衝撃から当時の記憶がうろ覚えになっているが、ほぼ真正面からRに指差されたような気がした。あかん、直接的に心臓を鷲掴みされたような感覚になった。勘違い最高。一瞬でも夢みさせてくれてありがとうございました。興奮していると8曲目の「ヘルレイザー」。やったーーー!!!ヘルレイザーは新アルバムの中でも特に好きな曲で、生で聴けたことが本当に嬉しかった。この曲は、このご時世でライブが開催できなくなったことを下っぽく「禁欲生活」として歌っている歌で、ライブに行けないお客さん、ライブを行うことができないアーティスト両者にとって共感してニヤついてしまう曲だと思う。このnoteタイトルの「やっぱ生が一番」はヘルレイザーの歌詞から引用した私の率直な感想でもあるのです。

15曲目「合法的トビ方ノススメ」。ラストのサビ前に「MCタイムですか?」と思うような二人のやりとりがあった。Rが「普段ならここでみんなを盛り上げるところなんやけど、それをやったら武道館出禁になる。」みたいなことを言っていて、松永と「いつもの」に代わるアクションは何がいいかとその場で話し合っていた。わろた。恐らくラスサビ入りと共にジャンプすることがダメなんだと思うが、理由はこのご時世だからワンチャン息が上がるようなことを控えなければならないのか、武道館の決まりなのかはよくわからない。ともかくこの時は、飛ばずに手をあげるという普通の盛り上がり方になった。なんともCreepy Nutsらしいと思ったし、音楽で合法的にトベるのだったらなんでもいい。

20曲目「Dr.フランケンシュタイン」。この曲も新アルバムの収録曲で、初めて聴いた時から不思議と印象的だった。ヒップホップのサンプリング文化に通ずることがあるのだろうか、フランケンシュタインに生み出された怪物のように継ぎ接ぎだらけの体になっても「恨んでいない 貴方のおかげで私がいる」と感謝を述べる様子が伺えるが「継ぎ接ぎだらけの生命 元の形がわからない」と闇を感じるような面も見える。私はこの曲に対する腑に落ちる解釈がまだできていないと思う。考える余地がある曲、考えたいと思える曲であることは本当に面白いと思う。この曲が生で聴けたのも嬉しかった。

21曲目「かつて天才だった俺たちへ」。RがMCで、「人は誰しも何の汚れも影響も受けていない赤ちゃんの頃は、何にでもなれるし、何でもできる無敵状態。それって天才だと思う。」(みたいなニュアンス)と言っていた。からのこの曲。痺れた。そもそも、天才とは才能とはみたいなことを深く考えたことがなかったから、それこそ本当に天才的な歌詞だと思った。松永がラジオで面と向かってRを褒めまくるのがわかる。諦めてしまった過去を歌いながらも「俺らは大器晩成 時が来たらかませ」と強くポジティブに歌い飛ばすこの曲には大きな勇気をもらえた。Rが両手を広げながらステージで悠々と歌う姿も印象的だった。

アンコール後、Creepy Nutsワンマン定番の「聖徳太子フリースタイル」。今回のお題は、
・マロニーちゃん
・小野妹子
・オードリー
・ジャスミン茶
・渋沢栄一
・マイナス金利
・ナンバープレート
・鬼滅の刃
多っ。聖徳太子っていつもこんなに多いの?と思っていたらRさんが途中で「調子乗りすぎた!」と言っていた。サービス精神溢れるラッパーです。渋沢栄一がお題として上がった時に、二人が軽く「誰、、?」と不安げになっている中、どっちかが「ロッキンの人だ!」と言い出した瞬間、お客さんからの「それ渋谷陽一ー!」みたいな雰囲気が伝わって来たので、同士の集い感があって笑いました。それとナンバープレートのお題ではナンバーを決めて欲しいというリクエストがあったけど、Creepy Nutsを数字化することに苦戦して「4545とか1919でいいよw」ってオチをつけていたのは低俗〜と思いながらも鼻で笑ってた。ともかく、これも初めて生で拝見できたのは貴重だった。R本人がラップし終わった後に「全部言えてた!?」とお客さんに確認してくるあたり、超人的なことを感覚的にできちゃうRにしかできないスキルの高さに脱帽した。松永のメール読みのテンション的な話し方も生で見聞きできて家だったらゲラになってた。

その後、Rによる相方松永の紹介が入りDJのソロプレイを見ることができた。手元も見たいし良席から生で見たいしとキョロキョロしているうちに終わってしまったが、ど素人の私にはアホみたいに「すげえ」としか言うことができなかった。上昇したDJ台でのプレイは世界一にはふさわしいなあと思ったし、松永もRも楽しそうでなんか平和空間でした。

新曲「バットオレンジ」、最後の曲「グレートジャーニー」を終え、二人がステージでお辞儀をして去るその瞬間まで興奮が止まらない公演だった。
曲を一つ一つかいつまんでいたらキリがないので上記は抜粋の感想になっているが、MC含め、Creepy Nutsの人間らしい泥臭さがもはや泥ではなく光り輝いていた。爽快さもあり、大人な雰囲気もあり、劣等感や悔しさと言った人間的な感情が爆発しつつも、ポジティブに元気付けてくれるような曲たち及びパフォーマンスは最高としか言いようがない。

ワンマンに行ってよかったと特に感じることの一つにMCがあった。

これは私が真っ先に印象に残っているMCをツイートしたものだが、今思ってもヒップホップに限らず音楽って人と人を繋げる架け橋だなあと改めて実感した。
他のMCでは、「俺たちはただ気持ちよくラップとDJをしているだけ、主役はお客さんたちです。」と言っていた。粋だなあ。このMCあっての「助演男優賞」やら「たりないふたり」は格好良すぎる。
また、Rが中央ステージで客席を見渡しながら、「梅田で仲間と円状になってサイファーしていたあの時が今や観客の真ん中に立ってラップしている。」と何とも感慨深い表情をしていた。これがエモか?
私は去年Creepy Nutsに出会ったばかりの新規ファンと言ったところだが、熱いMCの数々に心がじんわりした。松永が目をキュッと覆って泣いていた姿には笑っちゃったが、色々なことを乗り越えて来たからこそなのだろうとこっちまで胸が熱くなった。
なんども言うが人間臭さが光るライブ、MCだった。

終演後、会場を出て近場のマックでチョコパイを貪りながら友達と話した。二人決まって言ったことは「ライブ行きたい。」だった。久々のライブで臓器が震えるような感覚を思い出し、行って来たばかりだと言うのにもう行きたかった。配信ライブを何個か見たものの、やはり生には勝てない、「生が一番」ということだろう。

1MC、1DJで最高のものを届けてくれたCreepy Nuts、並びに関係者の方々にはこのご時世にも関わらず、有観客ライブを開催してくれて本当に感謝の気持ちしかないです。ありがとう。
最強で最高の二人組、Creepy Nutsが生み出す音楽も人柄も大好きです。
そんな武道館レポでした。

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セトリ

1・スポットライト
2・生業
3・耳無し芳一Style
4・ヘルレイザー
5・助演男優賞
6・よふかしのうた
7・紙様
8・阿婆擦れ
9・オトナ
10・日曜日よりの使者
11・サントラ
12・シラフで酔狂
13・たりないふたり
14・たりないふたり(さよならver)
15・合法的トビ方ノススメ
16・トレンチコートマフィア
17・使えない奴ら
18・未来予想図
19・朝焼け
20・Dr.フランケンシュタイン
21・かつて天才だった俺たちへ
encore
22・バッドオレンジ
23・グレートジャーニー

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